「いつからこんなに歌が上手になの?」「どれくらい歌を練習しているの?」「どうやって歌詞を覚えているの?」など気になることを、ののちゃんのお母さんに直接伺いました。
きっかけはコンクールの年齢に下限がなかったこと
音楽に反応しはじめたのは、生まれてから半年ぐらいでした。歌うと泣きやんだり、歌にあわせて体を揺らしたり。もともと保育士の仕事をしていて、子どもと接する機会が多かったので、比較的、音楽が好きな子なんだなとは感じていました。
私の歌に喃語で声を重ねてくるようになったのは、1歳を過ぎて言葉がではじめた頃。1歳7ヵ月には言葉があやふやでも、テンポに合わせて歌えるようになっていました。「あるこう」を「あっこっこ~」と歌ったり、「白やぎさんからおてがみ」と歌うと、「ついた」と返してくれるようになりました。
ーーかなり早い段階から、音楽への反応がよかったのですね! それで「童謡こどもの歌コンクール」に応募しようと思ったのですか?
コンクールのことは知らなかったのですが、昨年は新型コロナウィルスの影響でお出かけできないこともあり、家でダンスや童謡のYouTubeをよくみていました。そうしたら関連動画に、コンクールの募集があって。
調べてみると、年齢の上限は小学6年生までと書いてあったのですが、いくつから応募できるかは書いていませんでした。そのとき乃々佳は1歳11ヵ月でしたが、毎日のように歌を歌っていたので、動画を撮って応募してみました。
第35回童謡こどもの歌コンクールにエントリーした時期の歌声
親としては、どういう結果になってもそれが今の乃々佳なので、あまり構えず、記念のつもりで応募したんです。そしたら1次の審査を通過したと連絡をいただいて。2歳3ヵ月のとき、スタジオでの2次審査を受けました。
それまでの乃々佳は、家族やお友達の前で歌ったことがあるくらい。私と離れて大勢の人の前で歌えるのか心配でしたが、この経験をポジティブに捉えてほしい、という思いがあったので、会場に向かう前に細かく説明をしました。
「今日はお兄さんやお姉さんがたくさんいるところで歌うよ」「かっこいいカメラもあるよ」「スタンドマイクをつかってお歌が歌えるよ」などなど。大人の言うことが大まかにはわかっていたので、楽しい場所に行けるんだということを彼女なりに理解して、緊張もせず、遊びに行く感覚で歌えたんじゃないかなと思います。
ののちゃん子育てポイント 1
挑戦するときは、モチベーションを高める声掛けが必須! 自然とポジティブ思考になり、子どものやる気アップ↑↑
歌わないときは普通の3歳児。保育と育児は違うと痛感
いえいえ、それでも3歳は3歳なので、普通に注意することもたくさんあります。テレビに見入って食事に集中できないと「前を向いて食べなさい!」と怒ったり。
特に去年のイヤイヤ期は大変でしたね。牛乳とかネギとか、たくさんの荷物を持っているときに、乃々佳に抱っこしてと泣かれて。保育園にいれば、絶対に他の先生からのサポートがある。でも育児はひとりで対応しなくはならないし、24時間休みなし。保育と育児は違うってことを痛感しています。
ーーののちゃんにもイヤイヤ期があったんですね……! ちょっと安心しました(笑)
もちろんありました! 仕事だって、すべてスムーズにいっている訳でもないんです。先日、音楽番組の収録で、歌手のクリス・ハートさんと歌う機会がありました。クリスさんの曲をよく聞いていたので、乃々佳も私も楽しみにしていたのですが、リハーサルを重ねるうちに、だんだん集中力が切れてしまって。
モニターに名前が出るたび「テレビに”ののか”ってかいてある!」と、何度か歌が止まってしまいました。「テレビをみていると歌えないよ」と伝えても、なかなか話を聞いてくれなかったんです。
そのときはとっさに、保育園での経験を思い出しました。話をきいてほしいときに、子どもたちが静かになる前に話しだすと、子どもたちはどんどん聞かない癖がついてしまう。スタジオは人も多いですし、いろんな音が聞こえていたので、まずは話を聞ける場所に行こう思い、静かな場所へ移動しました。
そして乃々佳の姿勢が整ったところで「今の歌の失敗は、テレビをみてわからなくなっちゃったからだね。もう一回テレビをみたら、また同じ失敗しちゃうよ」と話しました。やっと意味が伝わったみたいで、ほっとしました。本番は生放送でしたが、無事に歌い上げることができました。
ののちゃん子育てポイント 2
聞く耳を持たないうちに注意するのは、聞かない癖がつくので×。話を聞ける環境・姿勢をととのえてから話そう!