小学生の前半と後半で別人に!? 自意識を超えてつかんだ「声優」の仕事
小学1年生から3年生ぐらいまでは、のびのびした性格でした! やんちゃに遊んでいたし、友達や先生の前で自由に発言する子どもだったんです。
ところが高学年にさしかかった途端、シャイになってしまって。友達がどこの中学に行くか話しはじめたり、声変わりする男の子が現れるなかで、急にいろんなことが見えて、気になるようになったんです。
たとえば、それまでは青や黒などかっこいい色の服が好きだったのに、まわりの子になじむためにピンク色のかわいい服を着るようになって。男の子と仲良くするのも、周りの女の子の目が気になってためらうこともありました。
いま思うと、自意識過剰だったのかもしれません。いろいろなものを敏感に受け取りすぎて、けっこうストレスを抱えていたと思います。
──感受性豊かなお子さんだったんですね! 声優の仕事を意識しはじめたのは、いつ頃だったのでしょうか。
6歳のときに大好きな某アニメの映画を観に行きました。その映画のパンフレットで、私が好きなキャラクターの横に、知らない男の人の写真があったんです。その人が、自分のことのようにキャラクターを語っていたので、親に「この人は一体誰なの?」と尋ねました。
そこで、声優の仕事を説明してもらったのが最初ですね。キャラクターがしゃべっていると信じ込んでいたので、聞いたときはショックだったんです。でも途中から「声優になれたら、キャラクターに会えるのかも!」と思いついて(笑)。そこから声優を目指すようになりました。
いまでもシャイな性格が根底にあって、すぐに緊張してしまうし、恥ずかしいと感じることも多いです。その一方で、何かになりきるのが好きな気持ちが小さなころからあって。
一人になると何かの真似をしたり、歌を歌ったり。自分には自信がないけれど、何かになりきった自分は好きだった。その気持ちを大切にしました。
──最後に、声優になりたいお子さんに向けて、水瀬さんだからこそ言えるアドバイスを1つ、お願いします!
声優のオーディションを受けはじめた13歳のころ、オーディション中に自分が意図しないところで笑いが起きることがよくありました。みんなと違うことをして浮いているのかもと思い、そのたびに凹んでいました。
でも、あるとき「水瀬さんの演じ方は意外でおもしろい」とほめられて。人と違うことは悪いことじゃなく、むしろプラスなのかもしれないと、価値観が180度変わったんです。
それからは自分が感じたことを大事に、いつでも全力で演じるように振り切りました。おかげで、少しずつ自分の色が出せるようになり、周りからも評価してもらえるようになりました。
声優を目指す人のなかには、私と同じように、まわりの目が気になることもあるかもしれません。でも、声優は個性を「強さ」にできる仕事。のびのびと自分を出すことができたら、きっと未来につながるはずです!
「人と違うところを伸ばして、夢をかなえてください」と、エールをくださった水瀬いのりさん。素敵なお話をありがとうございました。水瀬さんの、今後の活躍も楽しみですね♪
水瀬いのり
12月2日生まれ。東京都出身。『世紀末オカルト学院』(岡本あかり 役)でデビュー。『Re:ゼロから始める異世界生活』のレム役をはじめ、『キラキラ☆プリキュアアラモード』キュアパルフェ役、『五等分の花嫁』の中野五月役、人気作品のキャラクターを多く演じる他、映画では「トムとジェリー」「トップガン マーヴェリック」などの作品で吹き替えを担当している。NHK「ダーウィンが来た!」放送内の次回予告アニメ『マヌールのゆうべ』にてツノゼミのツノミン役を担当。
劇場版「ダーウィンが来た!」第4弾が2023年2月3日に公開!
驚きのスクープ映像から、思わずほっこりしちゃう親子のドラマまで貴重な映像満載!身近なのに知らなかった日本の自然を堪能する90分です。
2023年2月3日(金)より、ユナイテッド・シネマ他全国ロードショー!
ナレーター:水瀬いのり
出演:こうちゃん、須貝駿貴(QuizKnock)
ヒゲじい:龍田直樹
監督:久保嶋江実
制作:NHKエンタープライズ 映像提供:NHK
製作・配給:ユナイテッド・シネマ
©「日本列島生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!」製作・配給 ユナイテッド・シネマ
取材・文/山口真央
山口 真央
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。