「自分の限界が、完成になる」──音楽、設計、そして絵師として生き残るための思考法

『#神絵師になりたい!』装画・れおえんインタビュー後編 (2/2) 1ページ目に戻る

青い鳥文庫編集部

「これ以上やることはない」 と思った瞬間が「絵の完成」

──れおえんさんがイラストを「完成」と判断する基準はどこにありますか? とくにデジタルだと何度もやり直せるから、終わりを決めるのが大変そうですが……。

れおえん:
たしかに、デジタルならいくらでも描きこめるんじゃないかと思いますよね。でも実際は、それは不可能なのです。

ある一定のタイミングで、「もうこれ以上、この絵に対してやることがない」と感じる瞬間、「限界」が来るものだな、と最近よく感じています。

だから、自分で「これでよし」と決めるのではなく、「自分はこれ以上この絵に愛情を持てない、これ以上観察もできない、描きこむ気力もない」という瞬間が「完成」の正体なんです。

でも、その「限界」は自分の意識で引き上げることができます。成長すると、「やれること」は増えるんですよ。

そのために僕は最近、1枚の絵に100時間をかけるという挑戦もしました。

100時間というのは、ずっと手を動かして描きこんでいるわけではなく、資料を集めたり、キャラクターデザインを練ったり、映画やアニメのように事前の「設計と準備」を徹底的に行うことを含めての時間です。

そうやって試行錯誤を重ねることで、自分の限界は引き上がっていくものだと思っています。

ちょっとすごいことをやっていそうな言い方をしましたが、うまい人はたいていこれをやっていますし、僕もそんな憧れの絵師さんたちに追いつきたくて、一生懸命手を動かしているところです。
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自分を含めてだれも 「見たことがない」ものを創りたい

──今回れおえんさんには『#神絵師になりたい!』の装画を描いていただきましたが、本書のタイトルにもある「神絵師」という言葉や、れおえんさんが目指すものについて教えてください。

れおえん:
「神絵師」とは、みんながあこがれて目標にすると同時に、「思わずマネしたくなる存在」かなと思います。クリエイティブにおいて「マネをする」というのはとても大切なことです。

そこには、相手を「理解したい」「近づきたい」という欲求と、「自分ならこうしたい」という反骨心のようなものが渦巻いていて、そこに大切な「なにか」がある気がします。

難しいけれど楽しい、そんな大切なプロセスなので、マネしたくなる絵師さんを見つけたら、「なぜマネしたいんだろう」「マネするってどういうことだろう」と、深く考えてみることも大切ではないかと思います。

僕自身が最終的に目指したいのは、「自分も、みんなも、見たことがないものを見せること」です。

クリエイターはさまざまなものに影響を受けますが、創作をつづけていると、あこがれていた場所とはまったく違うところにたどり着くことがあります。

夜空を見上げると、星と星ってすごく近く見えるじゃないですか。

でも実際は、ものすごく遠く離れている。それと同じように、憧れの星に向かって進んでいても、気がつくとまったく別の場所にいる……。

創作における「理想と自分の立ち位置の距離感」は、そんな星と星の関係に似ているんじゃないか、そんなことを考えながら描いています。


でも同時に、イラストレーターとしてできるだけ長く絵で生き残る、そのための「生存戦略」をいろいろと考えて実行していく生き方も楽しいと感じています。

自分の好きな表現を追求することと、プロとして必要とされるための研究。

その両輪を回しながら、これからも絵を描き続けていきたいと思っています。
オリジナル作品(「LROOM」)
れおえんさんに質問!

Q:いちばん最初の「お仕事」を覚えていますか。

A:おそらく     中学生のときに、「ボカロ関係のウェブサイトのためのイラストを描いてほしい」と頼まれたことが最初かと思います。個人の方からの依頼で、5000円で描きました!


Q:人の絵では、なにを見ますか。

A:いろいろなことを感じますが、「楽しく描いたんだろうな」という絵にはうらやましさを感じます。「アクセサリーが好きなんだろうな」「車が好きなんだろうな」など、その絵を描いた人のことはなんとなく伝わってきますし、そんな楽しさが伝わってくる絵には、うまいへたとは違うよさがあると思います。
れおえん
1996年生まれのイラストレーター。
退廃と光が同居した世界観で、“(not) Invincible”なキャラクターたちを描く。国内外IPへの作品提供を軸にグローバルに活動中。

読めば絵が上手くなる! エンタメ&レッスン・ノベル

#神絵師になりたい!(1)

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せあら波瑠(作) れおえん(装画) べあろ(イラスト) 室井康雄(監)

発売日:2026/10/07

価格:定価:本体900円(税別)

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「がんばって描いたのに、ぜんぜんバズらない~!」

そんな悩みを抱えるお絵描き大好き中2年女子・虹乃(にじの)が出会ったのは、こわいとウワサのヤンキー風転校生・百瀬翠くん。

だけど……彼の正体は、大人気Vライバーのイラストを手がける神絵師!?

ひょんなことから2人は、ナゾのSNSアカウント〈かりすまえし〉が仕掛ける「イラストレッスン」に挑むことに!

◆「女の子の顔」と「男の子」の顔の黄金バランスって?
◆顔のバランスが左右でゆがんじゃう……どうしたらいい?
◆「映える髪の毛」にレベルアップさせるコツは?
◆メガネや服、手をうまく描くには?
◆そもそも自分が描きたいのは、どんな絵?

……などなど、 物語を読み進めると、みんなのイラストも劇的にレベルアップしちゃうこと間違いなし!

しかも、普段はぶっきらぼうなのに、恋愛には超ウブな翠くんとのドキドキの距離感に、胸キュンが止まらない……っ!

読むと絶対に絵が描きたくなる、最高にエモいイラスト成長ストーリー、開幕!
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