
10月21日は江戸川乱歩の誕生日!
1894年10月21日に三重県の現在の名張市(なばりし)で生まれ、本名を平井太郎と言います。
日本の近代文学は英米文学を日本語で取り入れるところから始まりました。しかし夏目漱石のような純文学にくらべ、ミステリーは文芸の世界で“際物”(きわもの:通常許容される範囲すれすれの物や人のこと)扱いされていたと言います。
しかし江戸川乱歩はミステリーや怪奇小説を次々に発表し、人気を博しました。世間に広く日本のミステリーを知らせたのです。今ではミステリーもホラーも人気のジャンルの一つですよね?
そんな彼が生み出したのが名探偵・明智小五郎。乱歩の小説の数々に登場し、人気の高いキャラクターです。
青い鳥文庫では、明智小五郎と少年たちが活躍する、子どもも読みやすい作品『怪人二十面相』『少年探偵団』の2つを読むことができます。
『怪人二十面相』

あらすじ
犯行を事前に予告したうえで狙ったものを次々とみごとに奪い去る「怪人二十面相」。今度のターゲットは国立博物館所蔵の美術品。何しろ20の顔を持つ変装の天才で、相手をだます恐ろしい盗賊だ。
もはや頼れるのは日本一の名探偵明智小五郎をおいてほかにない。小林少年をはじめとする少年探偵団とともに、悪を相手の真剣勝負がはじまった!
みごとな種明かし! 明智小五郎の推理が光る
ミステリー小説の醍醐味といえば、なんといっても探偵の推理ですよね。この作品の探偵助手の小林少年の活躍や、明智小五郎のみごとな種明かしに、読者のみなさんはあっと言うはず。
また、敵の怪人二十面相は、あっという間に盗みをして、血を嫌い、困っている人々の顔まで見届けるのが好きというクールな(!?)盗賊。彼と明智小五郎が相対するシーンは、落ち着いているのにどこかハラハラです。
何度も手に汗握る危機一髪のシーンがあり、どんどん続きを読みたくなるようなミステリーです。
『少年探偵団』

あらすじ
名探偵、明智小五郎とともに宿敵怪人二十面相をみごとにとらえた少年探偵団。小林少年率いる彼らに今度たちはだかるのは、「黒い魔物」。
宝石にまつわる怪しいインドの因縁と、東京のいたるところに現れる正体不明の黒い魔物。少年探偵団は犯罪のにおいをかぎ分ける。そして、その読みは正しく、しだいに謎が明かされていく!
少年探偵団と明智小五郎の連携プレーがかっこいい!
少年探偵団は『怪人二十面相』にも出てきて、活躍した小林芳雄少年(明智小五郎の助手)を中心に結成された子どもたちの探偵団。
今回も明智小五郎がみごとな推理で登場しますが、彼ら少年たちの活躍も見どころ。そして、黒い魔物の正体は……?
ちなみに、『怪人二十面相』もそうですが、時おり作者が読者に向かっていかめしく話しかけてきます。これは、最近の小説にはあまり見られないかも?
ぜひ、2冊どちらも読んで、ドキドキするミステリーと対決の世界を楽しんでみてください。