小学生の手紙をきっかけに判明したすてきな事実…「急性骨髄性白血病をのりこえた女の子」のその後

『わたし、がんばったよ。急性骨髄性白血病をのりこえた女の子のお話。』特別取材

ノンフィクション作家:岩貞 るみこ

『わたし、がんばったよ。急性骨髄性白血病をのりこえた女の子のお話。』の著者である岩貞るみこ先生のもとに、小学生から手紙が届きました。

難病を乗り越えた主人公・みさきちゃんの、その後を知りたい──そんな声に応えて、岩貞先生がレポートします。


ある日届いた読者からの手紙
私(岩貞)が書いた、『わたし、がんばったよ。 急性骨髄性白血病をのりこえた女の子のお話。』は、4歳のときに急性骨髄性白血病になり、1年以上、入院してつらい治療をのりこえた、みさきちゃんのお話です。
青い鳥文庫『わたし、がんばったよ。急性骨髄性白血病をのりこえた女の子のお話。』
文:岩貞るみこ 絵:松本ぷりっつ
先日、この本をよんでくれた小学3年生の女の子から、こんなお手紙をもらいました。
わたしより年下の女の子が入院してがんばっているので、すごいなあと思いました。わたしはつぶの薬が飲めなかったけれど、みさきちゃんが、つぶの薬をいっぱい飲んでいると知って、チャレンジしたら飲めるようになりました。

みさきちゃんは、今も元気にしていますか。本を読みおわったあとも、ずっと気になっています。今も元気だと、うれしいです。
お手紙、どうもありがとう! みさきちゃんのその後が知りたいと、ほかにもたくさんお手紙をもらいます。

そんなみんなのために、みさきちゃんのお母さんに話をきいてきました。



友だちと乗り越えたいじめ
──小学校に入学するまでに退院したいと、みさきちゃんはがんばりましたね。でも、小学校では、ほかの子とおなじことができず、いじめにもあいました。

(お母さん)「退院しても、病気がすっかりよくなったわけじゃありません。ほこりを吸ってはいけないから、そうじはしちゃだめ。食べてはいけないものがあるから、給食もいっしょに食べられない。体育の授業にも出られません。そうじをサボっていて、ずるいとか、ひょろひょろしていて、おばけみたいといわれていました」

──いじめはずっと続いたんですか?
(お母さん)「4年生になったときには、ほかの子とおなじことができるようになり、仲のいいお友達もできました。いつもいっしょにいてくれて、宿題をしたり公園で遊んだり。学校でいじわるなことをされても、そのお友達と、気にしない気にしないっていいながら、のりこえていました」

──つらいときにそばにいてくれるお友達って、すてきですね。


将来の夢に向かって
──みさきちゃんは、今、どうしていますか?

(お母さん)「大きな病院で、看護師をしています」

──看護師さんですか!

(お母さん)「入院中、看護師さんが、いっしょに絵を描いてくれたり、はげましてくれてうれしかったことをおぼえているようで、いつか自分も、こまっている人を助けられる人になりたいと思っていたようです」

──いつごろから看護師になろうと思ったのでしょう。

(お母さん)「入院しているころから小さい子と遊ぶのが好きでした。小学5年生くらいになると、登下校のときや学校のそうじ活動など、下級生のお世話をすることが多くなり、楽しんでやっていましたね。はっきり看護師になろうと思ったのは、高校生のとき。たくさん勉強をして、大学の看護学部に進みました」

──みさきちゃんは、患者さんの気持ちがわかる、すてきな看護師さんなのでしょうね。


仕事と結婚とプライベートと
──プライベートはいかがですか?

(お母さん)「今は結婚をして、しあわせにくらしています。小さいころは、大好きなお兄ちゃんと結婚すると言っていたのですが……(笑)。だんなさまは、お兄ちゃんとおなじ仕事である、お医者さまです。大学時代から、ずっとおつきあいしていた人なんです」

──だんなさまといっしょに、命を守るという目標に向かってがんばってきたんですね。
(お母さん)「そうだと思います。二人ともいそがしい毎日ですが、食べることが大好きなので、休みの日にはいっしょに温泉旅行にいったり、美味しいお店をまわったりして楽しんでいます」

──大人になったら、もういじめられることはないんでしょうか。

(お母さん)「大人になっても、いじわるな人はどこにでもいるみたいですね。でも、そんなときは、朝から大好きなお菓子を作って、美味しく食べて、いやな気持ちをやっつけているみたいです」

──みさきちゃんは、子どものころから自分の気持ちを切りかえて、楽しいことを見つけることがとくいですね。
▲みさきちゃんの結婚式の様子(絵:松本ぷりっつ)
みんなに伝えたいこと
みさきちゃんは、今も元気。そして、とてもがんばっていました!

みさきちゃんは、小学生のころにいじめられたときは、家ではたくさん泣いたこともありました。でも、外に出たら強い気持ちをもって、正しい自分を信じて、いつも堂々としていたそうです。

小さいときから、いやなことに負けずにがんばってきたみさきちゃんは、すてきな女性になりました。

「しあわせは、自分の心が決める」

たいへんな病気をのりこえたみさきちゃんだからこそ、まわりの人に感謝して、しあわせをちゃんと感じることができるんだと思います。

みさきちゃん、これからもずっと、おしあわせに!
青い鳥文庫『わたし、がんばったよ。急性骨髄性白血病をのりこえた女の子のお話。』
文:岩貞るみこ 絵:松本ぷりっつ
いわさだ るみこ

岩貞 るみこ

Rumiko Iwasada
作家・ジャーナリスト

ノンフィクション作家、モータージャーナリスト。横浜市出身。 おもな著書に、『わたし、がんばったよ。──急性骨髄性白血病をのりこえた女の子のお話。──』のほか、『ハチ公物語──待ち続けた犬──』、『しっぽをなくしたイルカ──沖縄美ら海水族館フジの物語──』(以上、講談社青い鳥文庫)、『法律がわかる! 桃太郎こども裁判』(中川由賀監修)、『世界でいちばん優しいロボット』、『ガリガリ君ができるまで』(以上、講談社)などがある。

ノンフィクション作家、モータージャーナリスト。横浜市出身。 おもな著書に、『わたし、がんばったよ。──急性骨髄性白血病をのりこえた女の子のお話。──』のほか、『ハチ公物語──待ち続けた犬──』、『しっぽをなくしたイルカ──沖縄美ら海水族館フジの物語──』(以上、講談社青い鳥文庫)、『法律がわかる! 桃太郎こども裁判』(中川由賀監修)、『世界でいちばん優しいロボット』、『ガリガリ君ができるまで』(以上、講談社)などがある。

まつもと ぷりっつ

松本 ぷりっつ

漫画家

漫画家。埼玉県出身。 おもな作品に、「うちの3姉妹」①~⑯、「ぷりっつさんち」①~⑦(以上、主婦の友社)、 「コミックエッセイ劇場」(KADOKAWA)、「すくパラぷらす」(竹書房)などがある。 最近は動画にも力を入れておりYouTubeの「リアルボイス」シリーズ、「わくわくアニメ」シリーズなどが人気。

漫画家。埼玉県出身。 おもな作品に、「うちの3姉妹」①~⑯、「ぷりっつさんち」①~⑦(以上、主婦の友社)、 「コミックエッセイ劇場」(KADOKAWA)、「すくパラぷらす」(竹書房)などがある。 最近は動画にも力を入れておりYouTubeの「リアルボイス」シリーズ、「わくわくアニメ」シリーズなどが人気。