
あさのあつこ×三浦しをん、20年ぶりの衝撃対談! 2人が「言葉で括れない関係」に見出した物語の秘宝とは
『NO.6 再会#3』刊行記念 スペシャル対談 前編 (2/2) 1ページ目に戻る
2026.05.21
ライター:山口 真央
三浦「江戸にタイムスリップして人形浄瑠璃を取材したい」
あさの 人間って、人と人との関係に生産性やら物語性やらいろんなものを求める傾向にあると思うんです。でも作家が「こういうものが求められている」ってことを描くだけじゃ、後追いにしかなりませんよね。わかりきった関係から外れたところに、自分を新しい場所に連れていってくれる物語があるはずだと信じています。
三浦 そういう意味でも「NO.6」シリーズは先見の明がありましたよね。20年以上前に書き始められた作品なのに、まるで分断されたいまの世の中を予見していたみたい。自分の思いを発言したらすぐ批判されたり、貧富の差が激しかったり、そういった世界が鮮烈に描かれています。「NO.6再会」シリーズは、前シリーズのファンだけでなく、若い読者にも注目してもらいたい作品です。
あさの ありがとうございます。予見していたわけではないですけれど、きっと20年以上前からあったものが、少しずつ露見してきたんでしょうね。しをんさんの書かれた『愛なき世界』(中央公論社)も、私を新しい場所に連れていってくれた作品です。だって人間と人間じゃなく、人間と植物の関係を描いているんですもの。T大で植物の研究をしている本村さんと、彼女に恋をする洋食屋見習いの藤丸くんのお話ですよね。
三浦 このお話は過去イチ取材が大変な作品だったかもしれません。東京大学の院生や教授の方々に、難しいことをたくさん教えてもらったり、すっごい小さな種をピンセットで植えているところなどを見学させてもらったりしました。
あさの 確かにものすごく専門的なことが、わかりやすく書いてありました。植物と人の関係の向こうに人間関係が見えてくる小説を初めて読んだので、ワンダーランドに迷い込んだ気分でしたよ。しをんさんはこのお話を書く前から、植物に興味はあったのですか。
三浦 そうですね。基本的には自分が興味のあることを書いています。同じテーマを何十年と続けるよりかは、1つの作品を書くためにとことん調べる感じ。書き上がったら落ち着いて、また別のテーマを探しますね。
あさの だからしをんさんの作品は、多彩なテーマを扱っているのですね。では質問です! いま自由にどこでも取材していいよと言われたら、どこに行きたいですか。
三浦 江戸時代にタイムスリップして、人形浄瑠璃の芝居小屋で観劇したいですね。あわよくば戯作者の人たちに話を聞いてみたい。
あさの しをんさんが江戸時代にタイムスリップしたら、それはそれは魅力的なお話ができそうですね。
あさのあつこ
岡山県生まれ、在住。大学在学中より児童文学を書き始め、小学校講師ののち、1991年『ほたる館物語』で作家デビュー。97年『バッテリー』で第35回野間児童文芸賞、2005年『バッテリーⅠ~Ⅵ』で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。『NO.6』シリーズは、コミカライズ、アニメ化された。児童文学から時代小説までさまざまなジャンルの作品を執筆し、幅広い世代に親しまれている。
三浦しをん
東京都生まれ。2000年『格闘する者に○』でデビュー。2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、2012年『舟を編む』で本屋大賞、2015年『あの家に暮らす四人の女』で織田作之助賞、『ののはな通信』で2018年に島清恋愛文学賞・2019年に河合隼雄物語賞、2019年『愛なき世界』で日本植物学会賞特別賞を受賞。その他『風が強く吹いている』『光』『墨のゆらめき』『ゆびさきに魔法』など著書多数。『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』などエッセイも人気を博している。
シリーズ累計230万部超え、2人の少年の友情を超えたディストピア小説の傑作
![NO.6[ナンバーシックス]再会#3](https://d34gglw95p9zsk.cloudfront.net/item_books/images/000/436/770/medium/71fd080a-6a5e-4a37-9a76-ffbf17f42883.jpg?1776406316)
![NO.6[ナンバーシックス]再会#1](https://d34gglw95p9zsk.cloudfront.net/item_books/images/000/436/773/medium/88ed668c-83fe-40b8-8291-5b0c0f253980.jpg?1776406472)
![NO.6[ナンバーシックス]再会#2](https://d34gglw95p9zsk.cloudfront.net/item_books/images/000/436/855/medium/b6ed0207-859e-4b8f-92b3-4ea28d814da8.jpg?1776408079)
シリーズ累計230万部超え、2人の少年の友情を超えたディストピア小説の傑作
・『NO.6再会#1』発売告知後、即Xでトレンド1位!
・『NO.6再会#1』Amazon1位(SF・ホラー・ファンタジー6月6日調べ)
・『NO.6再会#1』ジュンク堂池袋本店総合1位(2025年6月2日調べ)
・『NO.6再会#1』トーハン週間ベストセラー文芸書2位(2025年6月3日調べ)
崩壊した理想都市の瓦礫から新都市をつくる、真っ直ぐな少年たちの熱い戦いの物語! 過酷な荒野を生き抜くネズミと、新国家の再建に挑む若きリーダー・紫苑。NO.6を狙う陰謀とともに荒野の圧倒的な美しさと、人間の業の恐ろしさが描かれる本作。2人が選択した道とは? 少年たちの友情を超えたディストピア小説の傑作。
●「NO.6」シリーズ読者からの感想
「たくさん本は読んできたけれど、これ以上面白い本に出会ったことがない」
「呼吸を楽にしてくれた本」
「死にたくなったらネズミの言葉を思い出します。逃げずに前へ進め! 現実を見ろ!
どんなに現実が辛くても光を見いだせる人になりたいと思います」
「泣きたくなった夜に読みます。おまえはどうありたいんだ? いつでも自分にできることを問いかけ、動きつづけたいと思います」
●あさのあつこさんからのメッセージ
声を聞きました。ネズミの声です。
「生きる場所も死ぬ場所も自分で決める。あんたじゃなくおれが決める。余計なお節介は止めてもらおうか」と。
そうか、彼らはすでに出逢い、運命を紡ぎ始めているのか。
だとしたら、わたしも、もう一度だけ、本当にもう一度だけ、彼らに手を伸ばそう。この手で彼らの生に触れてみよう。
『NO.6』の作者として戦ってみよう。あれほど恋い焦がれた少年たちに挑んでみよう。
今はただ、それだけを考えています。
14年の時を経て、あなたに再び『NO.6』を届けます。
撮影/柏原力(講談社写真映像部)

あさの あつこ
岡山県生まれ、在住。大学在学中より児童文学を書き始め、小学校講師ののち、1991 年『ほたる館物語』で作家デビュー。97 年『バッテリー』で第35 回野間児童文芸賞、2005 年『バッテリーI~VI 』で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。『NO.6』シリーズは、コミカライズ、アニメ化された。児童文学から時代小説まで様々なジャンルの作品を執筆し、幅広い世代に親しまれている。
岡山県生まれ、在住。大学在学中より児童文学を書き始め、小学校講師ののち、1991 年『ほたる館物語』で作家デビュー。97 年『バッテリー』で第35 回野間児童文芸賞、2005 年『バッテリーI~VI 』で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。『NO.6』シリーズは、コミカライズ、アニメ化された。児童文学から時代小説まで様々なジャンルの作品を執筆し、幅広い世代に親しまれている。



































山口 真央
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。