「家族が一番楽になる選択を」元支援学校教員と当事者が語る「きょうだい児」と家族のリアル

「きょうだい児」と家族のあり方【第2回】

※写真はイメージです アフロ
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「自分は迷惑をかけられない」「良い子でいなければ」——

そんな葛藤を抱えがちな「きょうだい児」。自閉症の妹をもち、現在は作業療法士として働く城日菜子さんに、ご自身の幼少期や家族との距離感について、前回の【第1回】で伺いました。

【第2回】となる今回は、童話『ふたりでおでかけ』の著者であり、30年以上特別支援学校の教員を勤めた児童文学作家・福田隆浩先生と城さんによる特別対談をお届けします。

実は、城さんの妹・ルナコさんは、かつて福田先生が担任を務めた教え子。恩師であり、ともに障害児支援のプロでもあるお二人が、「感動の押し売り」や「お涙頂戴」ではない物語の必要性、家族全員が無理をしない「楽になる選択」、そして社会全体で子どもたちの「最初の一歩」を温かく支えるヒントについて語り合いました。

ふたりでおでかけ

ふたりでおでかけ

福田 隆浩(作)  藤本 たみこ(絵)

発売日:2026/09/14

価格:定価:本体1400円(税別)

きょうだい児を描こうと思ったとき真っ先に浮かんだ家族

――福田先生の新作童話『ふたりでおでかけ』(2026年9月刊)は、絵本『いもうとのにゅうがくしき』(2026年4月刊)に続き、「きょうだい児」を扱った作品ですね。城さんの妹さん(ルナコさん)は、かつて福田先生が特別支援学校で担任を勤められていた教え子だったと伺いました。

(右)城さん姉妹をモデルに特別支援学校の入学式をえがいた絵本『いもうとのにゅうがくしき』 (左)しっかり者の姉と特別支援学校に通う弟の旅を描いた童話『ふたりでおでかけ』。コミュニケーションの工夫と周囲の温かさに支えられる姿を描いた優しい童話。

福田:そうなんです。私はルナコさんが小学4年生からの3年間、担任をしていました。お母さんがとてもユーモアにあふれた素敵な方で、連絡帳などでやり取りを重ねるうちに城家と親しくさせていただくようになりました。

定年退職後も年賀状などのやり取りを続けていて、日菜子さんが作業療法士の道に進んだことも知っていましたので、「きょうだい児」をモチーフにした作品を書こうと思ったとき、真っ先に思い浮かんだのが城さんご家族でした。

城:先生から絵本のモデルにというお話をいただいたときは、驚いたと同時にとても嬉しかったです。母が長い間先生に近況報告のお手紙を出しているのは知っていましたし、ずっと気にかけていただいているなと感じていました。

福田:城さんのお母さんはお友達も多くて、いつもニコニコと人生を楽しまれている方なんですよね。以前の作品(※『明日香さんは負けない』)でもルナコさんをモデルにしたようなお子さんを登場させたことがあるのですが、後から「モデルにさせてもらって……」とお詫びした際も、笑顔で許してくださって。そんな関係性があったからこそ、今回の絵本も生まれたと思っています。

「かわいそう」でも「感動の押し売り」でもない普通の物語を描きたい

――新刊『ふたりでおでかけ』では、障がいのある弟とお姉さんが2人でお出かけに挑戦する姿が描かれています。作家として、このテーマをどのように捉えて描かれたのでしょうか。

福田:私はもともと、「きょうだい児」の問題を前面に出すというよりは、特別支援学校や支援学級に通う子どもたちが主人公になる「楽しい物語」を書きたかったのです。

世の中にある障がいを扱った本は、過酷な運命や差別を描いたものや、いわゆる感動ポルノやお涙頂戴的なものが多く、それがずっと気になっていました。

そうではなく、ごく普通の冒険物語として、障がいのある子もきょうだいも一緒に心から楽しめるお話を作りたいと思ったのが一番のモチベーションです。

▶︎NEXT 作品に込めた もうひとつのメッセージ

福田さんが伝えたかったこととは

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