
【自由研究】「世界一簡単なモーター」 電池と磁石とアルミ箔で作る 手を離すと回りだす!
「100均アイテムで自由研究」 #5 ~世界一簡単なモーター~ (2/2) 1ページ目に戻る
2026.07.16
大阪公立大学大学院理学研究科教授:波場 直之
電池と磁石でモーターが回りだす!
単三電池に磁石をくっつけて、アルミ箔をかぶせてみよう。手を離した瞬間、アルミ箔が電池のまわりをくるくる回るよ!
リニアモーターカーや電気自動車にもつながる、電気と磁石の不思議なルールを、おうちで作って観察してみよう!
【用意するもの】
・ネオジム磁石 2~3個
・単三電池 1本
・アルミ箔
・セロハンテープ
・はさみ
【波場教授のポイント】ネオジム磁石とは、とても強い力を持つ磁石のことで、100均では「超強力磁石」などの名前で売られているよ。小さなお子さんやペットが口に入れないように、必ず保護者の方と一緒に実験してね。
【実験の仕方】
①単三電池にアルミ箔を巻きつけて、電池より少し長い片方がふさがった筒を作る。アルミ箔を電池から外し、電池より少しだけ太いものを中に入れて、少し広げる。
【波場教授のポイント】アルミ箔を巻きつけるときに電気が残っている電池を型に使う場合は、電池のプラスとマイナス極に小さく切ったセロハンテープを貼っておこう。アルミ箔に電気が流れるのを防ぐためだよ。実験本番では、テープを貼っていない新しい電池を使ってね。
②①のアルミ箔のてっぺんの部分を少しへこませ、新しい単三電池のマイナス極にネオジム磁石を2~3個重ねてくっつけ、机の上にまっすぐ立てる。さらに準備したアルミ箔を、電池の上からそっとかぶせて下の部分が少し磁石に触れるように押さえると、アルミ箔が回りだす。
【波場教授のポイント】アルミ箔のへこませた部分が電池のプラス極に、下の部分が磁石に触れると、電気が流れるようになるよ。
アルミ箔が回らないときは、少し手で回して補助してみよう。アルミ箔の下の部分が磁石に触れていないと電気が流れないので、アルミ箔と磁石がちゃんと触れているか確認してみてね。
※この実験は電池の力をたくさん使うので、電池やアルミ箔があたたかくなることがあるよ。回るのをたしかめたら、すぐに筒を外そう。長い時間まわしっぱなしにしないでね。熱いと感じたら、すぐにやめて大人の人に知らせてね。
【波場教授のポイント】僕は最初、アルミ箔ではなくフライパン用アルミシートで試して、何回も失敗したんだ。なぜかなと調べてみるとフライパン用アルミシートには表面にシリコンなどが塗られていて、電気を通さなかったんだ。
電気が流れなかったら、モーターは回らない。つまり、フライパン用アルミシートは電気を通さないという発見ができた。失敗したことも立派な実験なんだよ。
教授の「ここが物理だ!」解説
波場直之教授:なぜ、何もしていないのにアルミ箔が回りだすのか。
ポイントは、電気の流れと磁石の力にあるよ。アルミ箔を電池にかぶせると、電気は電池のプラス極からアルミ箔へ流れ、磁石を通って、電池のマイナス極へ流れていく。
一方、電池の下にくっつけた磁石からは、目に見えない磁石の力が出ているんだ。
電気の流れと磁石の力が出会うと、アルミ箔を横向きに動かす力が生まれる。この力を『ローレンツ力』と呼ぶよ。
アルミ箔は丸い形をしているので、横向きの力を受けると、電池のまわりをくるくる回りだすんだ。
つまり、電池と磁石だけでアルミ箔が回るのは、電気と磁石が出会って、アルミ箔を動かす力が生まれていたからなんだね。
これはリニアモーターカーや電気自動車などにもつながる、とても大事な物理の仕組みなんだよ!
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波場先生の5回目の実験、面白かったかな? 最後は電池と磁石とアルミ箔でモーターが回るのは、電気の流れと磁石の力が関係していたことがわかったね。
磁石の向きを変えると、回る向きはどう変わるのかなど、ぜひチャレンジしてみてね。
次回最終回では、自由研究のまとめ方を紹介。実験で見つけたこと、失敗したことをどのように書けばよいのかを、先生と一緒に考えてみよう!
写真・文/波場直之
(全6回の5回目)
1回目「ホワイトボードマーカーの脱出劇」を読む。
2回目「1円玉は水に何枚浮く?」を読む。
3回目「逃げるコショウ」を読む。
4回目「画面を『消す』魔法」を読む。
【関連書籍】





































波場 直之
大阪公立大学大学院理学研究科教授。 長野県松本市出身。大阪大学理学部卒業、名古屋大学大学院理学研究科物理学専攻博士後期課程修了。博士(理学)。 専門は素粒子物理学、素粒子論的宇宙論。スタンフォード大学とエルゼビア社が引用指標に基づいて発表する「世界で最も影響力のある科学者トップ2%」2025年版に選出。 主な著書に『会話で楽しむ宇宙物理学』(オーム社)、『私たちが視ている世界は現実か』(化学同人)、『素粒子の研究で宇宙がみえてくる:波場センセイのとっておき50話』(丸善出版)、子ども向け絵本『量子力学体験ツアー』(小峰書店)など。
大阪公立大学大学院理学研究科教授。 長野県松本市出身。大阪大学理学部卒業、名古屋大学大学院理学研究科物理学専攻博士後期課程修了。博士(理学)。 専門は素粒子物理学、素粒子論的宇宙論。スタンフォード大学とエルゼビア社が引用指標に基づいて発表する「世界で最も影響力のある科学者トップ2%」2025年版に選出。 主な著書に『会話で楽しむ宇宙物理学』(オーム社)、『私たちが視ている世界は現実か』(化学同人)、『素粒子の研究で宇宙がみえてくる:波場センセイのとっておき50話』(丸善出版)、子ども向け絵本『量子力学体験ツアー』(小峰書店)など。