
小学校低学年向け【自由研究】油をチョンとつけるだけ! コショウが一斉に逃げ出す魔法の実験
「100均アイテムで自由研究」 #3 ~逃げるコショウ~ (2/2) 1ページ目に戻る
2026.07.14
大阪公立大学大学院理学研究科教授:波場 直之
コショウが水面から一斉に逃げ出す!
水を張ったお皿にコショウをパラパラと振りかけて、油をつけたつまようじで水面をチョンと触ってみよう。その瞬間、それまで静かに浮かんでいたコショウが、まるで爆発したように「パッ!」とお皿の端へ逃げていくよ。
【用意するもの】
・コショウ
・深めのお皿
・食用油
・つまようじ
・水
【波場教授のポイント】コショウは、細かい粉末になっているものがおすすめだよ。粗挽きだと粒が重く、水に沈んでしまうことがあるから。ちなみに教授の家には粗挽きコショウしかなかったけれど、そっと振りかけてみたらうまくいったよ!
【実験の仕方】
①深めのお皿をきれいに洗い、しっかり乾かしてから写真ぐらいの深さになるように水を入れる。
【波場教授のポイント】お皿に洗剤や汚れが残っていると、コショウがうまく動かないことがあるよ。実験をするたびにお皿をしっかり洗おう!
②①の水面にコショウを振りかける。
【波場教授のポイント】水面全体がうっすら黒くなるくらい、まんべんなく広げながら、そっと振りかけるのがコツだよ。
③つまようじの先に、食用油をほんの少しだけつける。
④コショウが浮いている水面の真ん中を、③のつまようじでチョンと触ってみる。
教授の「ここが物理だ!」解説
波場直之教授:なぜ、油を少しつけただけで油を少しつけただけでコショウが逃げるのか。それは、水面では「目に見えない綱引き」が起きているからなんだ。
水の小さな粒たちは、たがいにギュッと手をつないで、水面で引っ張り合っている。これを「表面張力(ひょうめんちょうりょく)」と呼ぶよ。前回の1円玉の実験にも出てきた力だね。
ところが、水面の真ん中に油をつけると、その場所だけひっぱり合う力が弱くなる。すると、まわりの水は、ひっぱる力の強い外側へ向かって「わーっ!」とひっぱられていくんだ。
このように、ひっぱる力の強さが違うものが隣り合ったときに、水面が動く現象を「マランゴニ効果」というよ。
コショウはただ水面に乗っているだけだから、水面が外側へひっぱられる勢いに乗って、一緒にお皿の端へ運ばれていったんだよ。
───◆────◆───
物理教授の自由研究、面白かったかな? コショウが一瞬で逃げ出す動きには、水の「表面張力」と、油によって起きる水面の力の変化が関係していたんだね。
食用油の量やコショウの量を変えて、動き方の変化を観察すると、同じ実験でもいろいろな発見があるよ。ぜひチャレンジしてみてね。
次回は、1枚のシートでテレビ画面を消す実験に挑戦するよ。光の不思議をいっしょに探っていこう! お楽しみに!
写真・文/波場直之
イラスト/古屋あきさ
(全6回の3回目)
1回目「ホワイトボードマーカーの脱出劇」を読む。
2回目「1円玉は水に何枚浮く?」を読む。
4回目「画面を『消す』魔法」を読む。※2026年7月15日よりリンク有効
5回目「世界一簡単なモーター」を読む。※2026年7月16日よりリンク有効
【関連書籍】





































波場 直之
大阪公立大学大学院理学研究科教授。 長野県松本市出身。大阪大学理学部卒業、名古屋大学大学院理学研究科物理学専攻博士後期課程修了。博士(理学)。 専門は素粒子物理学、素粒子論的宇宙論。スタンフォード大学とエルゼビア社が引用指標に基づいて発表する「世界で最も影響力のある科学者トップ2%」2025年版に選出。 主な著書に『会話で楽しむ宇宙物理学』(オーム社)、『私たちが視ている世界は現実か』(化学同人)、『素粒子の研究で宇宙がみえてくる:波場センセイのとっておき50話』(丸善出版)、子ども向け絵本『量子力学体験ツアー』(小峰書店)など。
大阪公立大学大学院理学研究科教授。 長野県松本市出身。大阪大学理学部卒業、名古屋大学大学院理学研究科物理学専攻博士後期課程修了。博士(理学)。 専門は素粒子物理学、素粒子論的宇宙論。スタンフォード大学とエルゼビア社が引用指標に基づいて発表する「世界で最も影響力のある科学者トップ2%」2025年版に選出。 主な著書に『会話で楽しむ宇宙物理学』(オーム社)、『私たちが視ている世界は現実か』(化学同人)、『素粒子の研究で宇宙がみえてくる:波場センセイのとっておき50話』(丸善出版)、子ども向け絵本『量子力学体験ツアー』(小峰書店)など。