
【自由研究】テレビ画面が真っ暗に? 100均の魔法のシート「偏光板」で“光のいたずら”をリアル体験
「100均アイテムで自由研究」 #4 ~画面を「消す」偏光板の魔法~ (2/2) 1ページ目に戻る
2026.07.15
大阪公立大学大学院理学研究科教授:波場 直之
1枚のシートで画面が消える!
「偏光板」というシートを、テレビやパソコンの画面の前にかざして、ゆっくり回転させてみよう。
最初は見えていた画面が、ある角度になると、すっと暗くなるよ。急に暗い画面が現れる、不思議な実験だよ。
【用意するもの】
・偏光板 1枚
・モニター(パソコン、タブレット、液晶テレビなど)
【波場教授のポイント】偏光板は、実験用の教材として100均やネット通販などで購入できるよ。
【実験の仕方】
① 液晶テレビ、またはパソコンのモニターをつけて、明るい画面を表示する。
【波場教授のポイント】背景が白いページや明るい画面を表示しておくと、偏光板を回したときの変化がわかりやすいよ。
②偏光板を画面の前にかざして、ゆっくり回転させていく。
教授の「ここが物理だ!」解説
波場直之教授:なぜ、たった1枚の偏光板で画面が消えたように見えるのかな。ひみつは、光の“ゆれ方”と、偏光板の“中身”にあるんだ。
光は、波打たせたなわとびのなわのように、ある向きにゆれながら進む波だよ。テレビやパソコンなどの画面から出ている光は、はじめからタテにそろってゆれているんだ。これを「偏光(へんこう)」というよ。
じつは偏光板の中には、細いひも(とても小さな電線)が同じ向きにずらりと並んでいる。そのひもの中には、動くことのできる小さな電気があるんだ。
まず、液晶画面から出てくる光のゆれが、偏光板の中のひもと“直角”になっているときを見てみよう(イラスト①)。このとき、ひもの中の電気(青の丸)は、光にゆさぶられても動けない。だから光はそのままスーッと通り抜けて、画面は明るく見える。
波場直之教授:では、光のゆれが、偏光板の中のひもと同じ向きになるとどうなるか(イラスト②)。ひもの中の電気が光のゆれにゆさぶられて動き、光の力をすいとってしまう。だから、画面は暗く見えるよ。
波場直之教授:つまり、偏光板のひもの中の電気は、同じ向きにゆれる光だけをすいとる。これが、画面が消えて見える仕組みだよ。だから、偏光板を回すとひもの向きによって、画面がそのまま見えたり、真っ暗になったりするんだね。
───◆────◆───
波場先生の今回の実験はどうだったかな? 1枚の偏光板で画面が暗く見えるのは、光の「ゆれ方」と偏光板の向きが関係していたんだね。
偏光板を回す角度を変えると、画面の明るさがどう変わるのか、ぜひ観察してみてね。
次回5回目は、磁石と電池でくるくる回るモーターを作る実験に挑戦! 電気と磁石が生み出す不思議な力を、実験で確かめてみよう!
写真・文/波場直之
イラスト/古屋あきさ
(全6回の4回目)
1回目「ホワイトボードマーカーの脱出劇」を読む。
2回目「1円玉は水に何枚浮く?」を読む。
3回目「逃げるコショウ」を読む。
5回目「世界一簡単なモーター」を読む。※2026年7月16日よりリンク有効
【関連書籍】





































波場 直之
大阪公立大学大学院理学研究科教授。 長野県松本市出身。大阪大学理学部卒業、名古屋大学大学院理学研究科物理学専攻博士後期課程修了。博士(理学)。 専門は素粒子物理学、素粒子論的宇宙論。スタンフォード大学とエルゼビア社が引用指標に基づいて発表する「世界で最も影響力のある科学者トップ2%」2025年版に選出。 主な著書に『会話で楽しむ宇宙物理学』(オーム社)、『私たちが視ている世界は現実か』(化学同人)、『素粒子の研究で宇宙がみえてくる:波場センセイのとっておき50話』(丸善出版)、子ども向け絵本『量子力学体験ツアー』(小峰書店)など。
大阪公立大学大学院理学研究科教授。 長野県松本市出身。大阪大学理学部卒業、名古屋大学大学院理学研究科物理学専攻博士後期課程修了。博士(理学)。 専門は素粒子物理学、素粒子論的宇宙論。スタンフォード大学とエルゼビア社が引用指標に基づいて発表する「世界で最も影響力のある科学者トップ2%」2025年版に選出。 主な著書に『会話で楽しむ宇宙物理学』(オーム社)、『私たちが視ている世界は現実か』(化学同人)、『素粒子の研究で宇宙がみえてくる:波場センセイのとっておき50話』(丸善出版)、子ども向け絵本『量子力学体験ツアー』(小峰書店)など。