
【自由研究】にピッタリ! 1円玉がくっついたり沈んだり……洗剤数滴でできる「表面張力」水のスクラム実験!
「100均アイテムで自由研究」 #2 ~1円玉は水に何枚浮く?~ (2/2) 1ページ目に戻る
2026.07.13
大阪公立大学大学院理学研究科教授:波場 直之
“水の最強スクラム”で1円玉がどんどん浮かべられる!
1円玉を水面にそっと置くと、水の表面が1円玉を支えて、2枚、3枚……と、たくさん浮かべられるよ。1円玉同士が「ぴたっ」とくっついたり、洗剤をたらすと時間差で沈んだり、わくわく楽しい実験だよ。
【用意するもの】
・1円玉(10~20枚)
・深さのある皿
・ピンセット(なくてもOK)
・食器洗い洗剤(一般的な液体洗剤)
・タオル
・石鹼
・水
【波場教授のポイント】透明な容器に入れると、水面の変化が見えやすいよ!
【実験の仕方】
①1円玉と深めの皿を石鹼でよく洗い、タオルなどでふいてしっかり乾かし、皿にはたっぷり水を入れる。
【波場教授のポイント】1円玉やお皿(容器)に汚れがついていると、1円玉がうまく浮かばないことがあるよ。
②手、またはピンセットを使って1円玉を水面に対して水平にそっと置く。1円玉が浮いたら、そのとなりに2枚目、3枚目と置いていく。
【波場教授のポイント】水面を突き破らないように、優しく置くのがコツ。また、1円玉が浮いているときに水面がどうなっているのか、真横から観察してみよう。
③1円玉同士が重ならないようにすき間なく並べていく。何枚まで浮かべられるか挑戦してみよう。
【波場教授のポイント】浮いている1円玉の上に、さらに1円玉を重ねてみよう。そっと置けば、水の膜が、重なった2枚の1円玉を支えてくれることもあるよ!
④次に食器洗い用の液体洗剤を1~2滴たらしてみよう。液体洗剤をたらすと、1円玉を支えていた水の力が弱くなり、ぷかぷか浮いていた1円玉が次々に沈んでいくよ。
教授の「ここが物理だ!」解説
波場直之教授:1円玉が水に浮かぶのは、水の表面に「表面張力(ひょうめんちょうりょく)」という力があるからなんだ。
水の小さな粒たちは、お互いに引っ張り合っている。そのため、水面にはピンと張った「見えない膜」のようなものができている。
1円玉は金属だけれど、アルミニウムという軽い金属でできていて重さはちょうど1グラム。水面に対してまっすぐ水平にそっと置くと、この『見えない膜』を突き破らずに浮かぶことができるんだ。
では、どうして浮いている1円玉同士は、ぴったりとくっついたのだろう。
1円玉が水面に浮かぶと、その重みで水面が少しだけくぼむ。近くに別の1円玉があると、そのくぼみに引き寄せられるように、ぴたっとくっつくんだ。
これは、牛乳に浮かんだシリアルがくっつく現象に似ていて、「チェリオス効果」と呼ばれているよ。
最後に液体洗剤をたらすと、1円玉は沈んでしまう。これは、洗剤に含まれる「界面活性剤(かいめんかっせいざい)」が、水の表面張力を弱めるからなんだ。
それまで1円玉を支えていた『水のスクラム』がくずれると、1円玉は支えを失って、水の中に沈んでいくよ。
───◆────◆───
1円玉が浮いてくっついたり、沈んだりする理由がわかったかな? 水の「表面張力」が関係していたんだね。1円玉が何枚浮くのか、どう置くと沈みにくいのかをぜひおうちでも試してみてね。
次回はキッチンにある「コショウ」が逃げ出す実験をやるよ。お楽しみに!
写真・文/波場直之
イラスト/古屋あきさ
(全6回の2回目)
1回目「ホワイトボードマーカーの脱出劇」を読む。
3回目「逃げるコショウ」を読む。※2026年7月14日よりリンク有効
4回目「画面を『消す』魔法」を読む。※2026年7月15日よりリンク有効
5回目「世界一簡単なモーター」を読む。※2026年7月16日よりリンク有効
【関連書籍】





































波場 直之
大阪公立大学大学院理学研究科教授。 長野県松本市出身。大阪大学理学部卒業、名古屋大学大学院理学研究科物理学専攻博士後期課程修了。博士(理学)。 専門は素粒子物理学、素粒子論的宇宙論。スタンフォード大学とエルゼビア社が引用指標に基づいて発表する「世界で最も影響力のある科学者トップ2%」2025年版に選出。 主な著書に『会話で楽しむ宇宙物理学』(オーム社)、『私たちが視ている世界は現実か』(化学同人)、『素粒子の研究で宇宙がみえてくる:波場センセイのとっておき50話』(丸善出版)、子ども向け絵本『量子力学体験ツアー』(小峰書店)など。
大阪公立大学大学院理学研究科教授。 長野県松本市出身。大阪大学理学部卒業、名古屋大学大学院理学研究科物理学専攻博士後期課程修了。博士(理学)。 専門は素粒子物理学、素粒子論的宇宙論。スタンフォード大学とエルゼビア社が引用指標に基づいて発表する「世界で最も影響力のある科学者トップ2%」2025年版に選出。 主な著書に『会話で楽しむ宇宙物理学』(オーム社)、『私たちが視ている世界は現実か』(化学同人)、『素粒子の研究で宇宙がみえてくる:波場センセイのとっておき50話』(丸善出版)、子ども向け絵本『量子力学体験ツアー』(小峰書店)など。