「うちの子まったく勉強しません!」【中学受験】どう対応? 難関校・高合格率の『グノーブル』ベテラン講師が「保護者の悩み」にガチ回答!

「グノーブル」ベテラン国語講師・山下倫央先生に聞く、「保護者のお悩み」 #2

教育ジャーナリスト:佐野 倫子

「ケアレスミス」が一向になくならないときの向き合い方は?

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Q2:「ケアレスミス」が一向になくなりません。どう向き合えばよいでしょうか?

山下先生:
その質問もよくいただきますが、子どもにいくら口頭で「注意しようね」と言ってもまず治りません! 人間は、重要だと思ったことにしか集中できないのです。つまり「これを間違えると損をする、もったいない」と、子ども自身が実感することが必要です。

塾に通っていると、「あと1問の正解で上のクラスに行けた」「あと偏差値が2ポイント上がれば合格圏だった」など、僅差で悔しい思いをすることが度々あります。

それを積み重ね、6年生になったときに、「この1問のケアレスミスがもったいなかった!」と思うようになるのです。

こう気づけるように、保護者の方は「このミスはもったいなかったね」など、具体的に問題・解答用紙を見て声をかけるようにして、本人に自覚を促すようにしてください。

受験直前期に成績の「ピーク」は合わせられる?

Q3:ピーキングがうまくいかなくて、第1志望を外してしまったという体験談を目にしました。受験直前期に成績や調子のピークを合わせることはできるのでしょうか?

山下先生:私は、子どもには「ピーク」という概念はないと思っています。子どもは、常に成長し続けているのです。「今がベスト」で「明日はもっと良くなる」でいいのです。

だから、人為的に操作するような「ピーク」を考える必要はありません。日々成長する中でも成績にはアップダウンが存在しますし、とくに直前期に下降傾向になると不安になって志望校をより安全にしたくなることもあると思います。

気持ちはわかりますが、志望校を「安全のために」安易に入りやすい学校に変更することはお勧めしません。例えば変更して「合格できるな」と思うと気が緩む子もいますし、結果として「そこが天井になった」というケースもあります。

本人がどうしても安全にというのなら別ですが、親御さんがリスクを避けようとして無理により入りやすい学校に変更することは、後々、後悔につながりやすいですね。これは悪い意味での「ピーク」づくりになってしまいます。

また「ピーク」とは別に、当日の体調や調子というものは当然ありますので、これは保護者の方が整えてあげてほしいと思います。

親子で志望校の意見が分かれたときはどちらを優先する?

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