実際の練習と重なる!
「まずは「あ・い・う・え・お」を大きな声ではっきりと。次に、「あえいうえおあお・かけきくけこかこ……」と、活舌よく歌うように続ける。みんなは少しも緊張した様子がなく、堂々と声を出している。」
(『放課後死体クラブ(仮題)』より引用)
主人公であるひよりが児童劇団に入団したときのシーンです。
一般的な活舌練習のひとつで、演劇部でなくても発声練習をしているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。
初めて発声練習を見たときのドキドキや、やってみたときの緊張感を思い出して懐かしくなりました。
だんだん声を出していくことに慣れていって、自信が持てるようになるというのも、すごく「わかる」とうなずいてしまいました。
「エチュード?」
初めて聞くらしい単語に、由木さんは首をかしげた。
「そう、即興劇のこと。役者同士で設定だけ決めたら、台本なしで自由に演じていくの。演技の練習メニューの定番なんだよ」
(『放課後死体クラブ(仮題)』より引用)
エチュードも演劇の練習では定番のひとつ。
筆者はこれが苦手で逃げ出したくなりながら取り組んでいた記憶があります。
ただ、自分がその役になりきれたときの楽しさを知ってしまったらもう病みつきになります。
このシーンの後の主人公ふたりの熱演も必見です!
演じることへの思いに共感!
「演じているその瞬間、役はちゃんと生きているんだよ。役に息を吹き込むのが役者なんだから。どういうふうに言えばいいのかとか、どんな表情をしたらいいのかなんて、頭で考えない」
わたしはもう役者じゃないのに、どうしてこんなにムキになっているんだろう。
頭の片隅で冷静に思いながらも、口は動き続ける。
「だから、演じるときは感情を大事にしなくちゃダメなの。由木さんが言う、ホラー映画は死体役が重要なのと一緒」
『放課後死体クラブ(仮題)』より引用)
主人公のひよりが由木に「演技なんてウソ」と言われたときに返した言葉です。
演技に対する考え方はいろいろあると思いますが、演技をすることは噓をつくことではなくて、その役が感じている感情をなぞる作業だったと私は思います。
もちろん面白さのために演出もあるけれど、そこに立っている「役」は噓じゃなくて、「彼ならきっとこう動く」というのを表出させているだけ。
そんなふうに思っていたなあとしみじみ思い出しました。
この他にも死体役の練習シーンなど、家でやってみたくなるものもたくさんあります。
もちろん練習シーンだけではなく、彼女たちの織り成す物語の行方も必見です!
ぜひ一度手に取ってみてください!
『放課後死体クラブ(仮題)』
第66回(2025年度)講談社児童文学新人賞を受賞した、中学校を舞台に、それぞれが抱えた傷と向き合いながら、唯一無二の友情を築いていく物語『放課後死体クラブ(仮題)』は、全国の書店やネット書店にて発売中です。
自分の本音を押し込めて過ごすひよりと、周りを気にせず堂々と振る舞う由木は、「ホラー映画」という共通の趣味から、意気投合。そして「放課後死体クラブ」というホラー映画の死体役を目指すクラブを結成します。それまで関わりのなかった二人がクラブ活動を通じて、互いにかけがえのない友情を築いていきます。正反対だった二人が向かうその先にあるものは──。


































児童図書編集チーム
講談社 児童図書編集チームです。 子ども向けの絵本、童話から書籍まで、幅広い年齢層、多岐にわたる内容で、「おもしろくてタメになる」書籍を刊行中! Twitter :@Kodansha_jidou YA! EntertainmentのTwitter :@KODANSHA_YA_PR
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