【アニメ化で話題沸騰】『とんがり帽子のアトリエ』 才能を「特別なもの」にしない 東京藝大卒の漫画家が語る、子どもの可能性を遮らない“親の作法”

白浜鴎さんインタビュー【第3回】 (2/2) 1ページ目に戻る

一番大事なのは「遮らないこと」

白浜:子どもが興味を持ったことを「遮らないこと」が一番大事なのではないでしょうか。「女の子だから、男の子だから、これは合わないでしょう」と思い込みの型にはめないこと。

もちろん、性別のバイアスに縛られるな!という大人目線からの押し付けもよくないと思います。大事なのは本人の選択です。「博物館に行きたい」「お人形遊びがしたい」「恐竜の図鑑が欲しい」などと言った時に、「遮られない」という安心感を与えられたら、それだけで、その後の好奇心の幅は全然違ってくるのではないかと思います。

もし、やりたいことがもう決まっている子なら、早い段階でそちらに振り切るのも良いのではないかと思います。私は授業中もずっとノートを絵で取っていましたが、「やりたいことがもうあるのに、なぜ他のことをしなきゃいけないんだろう?」と疑問に思うような子供でした(笑)。

心が決まっている子には、「じゃあ、その道に進むために必要な勉強もあるんじゃない? 夢を叶えるためにはどんなルートがあるかな?」と、大人が一緒に未来の作戦を立ててあげるのも良いのではないでしょうか。

──最後に、周囲との実力の差に悩んだり、劣等感を抱いたりしている子ども(あるいは大人)へ、メッセージをお願いします。

白浜:劣等感や競争心は、どうしても抱いてしまうものです。私自身はかなり楽観的な性格なのですが、芸大に行くと言った時には親に、「そんなところへ行ったら、周り中うまい人だらけで、絵が嫌になっちゃうかもよ」と心配されました。

でも、世の中にある絵は…アニメも挿絵も美術館の絵も、当然全てうまい人が描いているというか、もう世の中には「うまい絵」しか存在しないじゃないですか。だから私としては、「なぜ今さらそんな当たり前のことを言うんだろう?」と思っていました(笑)。

『とんがり帽子のアトリエ』の中でも、できない自分にもどかしさを感じている子もいれば、他人と自分を比べて落ち込んでしまう子もいます。

でも、劣等感はうまく使いこなせば「やってやる!」というポジティブなエネルギーに転換できるもの。この作品が、皆さんの悩みを少しでも軽くしたり、学ぶことが楽しくなるきっかけになってくれたら嬉しいです。

取材・文/小川聖子
撮影/安田光優

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白浜鴎 (しらはまかもめ)PROFILE
東京藝術大学デザイン科を卒業後、フリーのイラストレーター、漫画家として活動。『マーベル・コミック』や『DCコミックス』、『スター・ウォーズ』等のアメリカンコミックスの表紙も手がけている。他作に『エニデヴィ』(全3巻/KADOKAWA)など。  

とんがり帽子のアトリエ(1) (モーニングKC)
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小説 とんがり帽子のアトリエ(1)

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白浜鴎(原作・絵) 吉岡みつる(文)

発売日:2026/04/08

価格:定価:本体880円(税別)

©白浜鴎/講談社/「とんがり帽子のアトリエ」製作委員会

■配信情報
毎週月曜23時~TOKYO MXほかにて 放送・配信中
Netflix、ABEMAにて1週間先行配信

■スタッフ
原作:白浜鴎「とんがり帽子のアトリエ」(講談社「モーニング・ツー」連載)
監督:渡辺歩
副監督:篠原准
シリーズ構成:瀬古浩司
キャラクターデザイン・総作画監督:うなばら海里
チーフアニメーター:中野悟史
服飾デザイン:小川茜
小物設定:鈴木典孝、岩畑剛一
美術監督:後藤亮太
美術設定:多田周平、中島美佳
色彩設計:中野尚美
撮影監督:北岡正
編集:本田優規
音響監督:小泉紀介
音楽:北村友香
音響制作:dugout
音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ
アニメーション制作:BUG FILMS

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小川 聖子
おがわ せいこ

小川 聖子

Seiko Ogawa
ライター

東京都出身。アパレル系企業に勤務したのちライターに。雑誌やWeb系メディアにてファッション関連記事や人物インタビュー、読み物記事の構成や執筆を行う。長男はついに成人、次男は中学生に。1日の終わりに飲むハイボールが毎日の楽しみ。

東京都出身。アパレル系企業に勤務したのちライターに。雑誌やWeb系メディアにてファッション関連記事や人物インタビュー、読み物記事の構成や執筆を行う。長男はついに成人、次男は中学生に。1日の終わりに飲むハイボールが毎日の楽しみ。