あの「イッツ・ア・スモールワールド」のデザインも!
可愛らしいパステルカラーとさまざまな図形が組み合わさった印象的な外観。世界中の子どもたちが手を取りあってうたう、しあわせな船の旅……。
そう、あの有名なディズニーリゾートのアトラクション「イッツ・ア・スモールワールド」もメアリー・ブレアのデザインによるものなのです。
母として、妻として、アーティストとして
幼い頃から絵を描くのが大好きで画家を目指していたメアリーは、美術学校を経て、太平洋戦争が始まる少し前の1939年にディズニー社に入社します。
けれど、当時のアメリカはバリバリの男性優位社会。ディズニー社においてもイラストを描くのは基本的に男性アニメーターの仕事で、女性に許されたのはセル画の着色作業だけでした。
そんな環境に、風穴を開けたのがメアリー・ブレアです。
『アナと雪の女王』のコンセプトアーティスト、ブリトニー・リー氏はメアリーの才能の素晴らしさをこう語っています。
“メアリーは常に既成概念の枠を超えつつ、ディズニーの魔法によって得られる喜び、奇抜さ、そして驚きをしっかり与えてくれました。”
メアリーにしか生み出せない色彩感覚や独特なセンスによって、ウォルト・ディズニーの信頼を得た彼女は、ディズニー社において唯一無二なアーティストとしての階段を登っていきます。
一方、実生活では同じディズニー社のアーティストと結婚し、2人の男の子を出産、お母さんに。子育てをしながら、ディズニーのヒット作品を支えていきました。
そうして、今では「メアリーに影響されていないディズニーのアーティストなんていないんじゃないか」とまで言わしめるほどに、彼女は現ディズニーアーティストたちに意識され続ける存在になったのです。