
最新【扶養内パートの基準】「社会保険」106万円と130万円の壁! 結局どう働けばいいの?[社労士が回答]
働くママのお悩み解決 職場問題モヤモヤ相談室 【連載】第28回 (2/2) 1ページ目に戻る
2026.09.16
社会保険労務士、行政書士:小西 道代
「106万円の壁」「130万円の壁」は社会保険に関する壁のこと
まずは昨年、話題になった「103万円の壁」からおさらいしましょう。
「103万円の壁」は、所得税の支払いが生じる境界線のこと。令和7年度(2025年度)の税制改正では、年収に応じて非課税枠が最大160万円まで引き上げられました。
ここからさらに令和8年度(2026年度)は、壁の金額が178万円に変更されます。つまり、所得税がかかり始める基準金額が引き上げられるのです。
一方、「106万円の壁」「130万円の壁」は、社会保険にまつわる年収の壁です。2種類の違いは、会社の規模と働いている時間による違いであり、最終的には社会保険の加入先が異なります。
ただし、「106万円の壁」があるのは2026年9月までの話です。2026年10月1日から「106万円の壁」は撤廃されます。
ちなみに、「130万円の壁」は撤廃されません。こちらが話題になっている理由は、依然として境界線であることと、2026年4月から算定対象となる収入のうち、「残業代は年収に含まれない」というルールに変わったためといえます。
「103万円の壁」の詳しい解説はこちら↓
「106万円の壁」「130万円の壁」がよくわかる 最新・扶養と社会保険加入先の診断フローチャート
※1 給与収入以外があるときは、残業見込みの金額も年収に含まれる。
「130万円の壁」収入に含まれるものと含まれないもの
51名以上の従業員がいる会社で、扶養内パートを今後も希望する場合は、まずは週20時間未満の勤務を心がけ、年収130万円未満にする必要があります。
ただし、2027年度の住民税を非課税にするなら、お住まいの自治体にもよりますが、2026年1月~12月の年収は112万円~119万円以下が目安です。
従業員50名以下の会社で、扶養内パートを今後も希望する場合は、正社員の4分の3未満の勤務(一般的に週30時間未満の勤務)と年収130万円未満が目安です。
2027年度の住民税の非課税枠に関しては、112万円~119万円以下が目安であることに変わりはありません。
─働くママの声への回答─
「106万円の壁」「130万円の壁」は、社会保険にまつわる年収の壁。ただし、「106万円の壁」は2026年10月から撤廃される。
今後も扶養内パートを希望する場合は、51名以上の従業員がいる会社なら週20時間未満の勤務と年収130万円未満を心がける。
従業員50名以下の会社では、正社員の4分の3未満の勤務(一般的に週30時間未満の勤務)と年収130万円未満が目安。
2027年度の住民税を非課税にするなら、2026年1月~12月の年収は112万円~119万円以下が目安となる。
【「130万円の壁」】「残業代は年収に含めない」ことのメリット
「130万円の壁」は、2026年4月から「残業代は年収に含まれない」というルールに変わったことがポイントです。
残業代を年収に含めないメリットは、会社からの「残業をしてほしい」という声に応えられることだといえます。
扶養内を意識すると、どうしても「働き控え」という言葉が思い浮かびますが、会社の規模にかかわらず、新ルールにより繁忙期に残業を避けることも少なくなるでしょう。
ただし、引き続き扶養に入り続けるには、勤めている会社から年収が一時的に130万円を超えたことを証明する「一時的な収入増」の書類を作成してもらい、それをパートナーが加入する健保組合などに提出する必要があります。
証明書を提出できる回数も連続する2年が上限なので、この点は注意してください。
その一方で、改正を機にルールを気にしない働き方である「正社員」になり、手取りを増やすという選択肢もあります。
厚生年金と健康保険の保険料は会社が半分負担しますし、自分の将来の年金が増えたり、万が一の病気やケガに備えられるというメリットもあります。これまで築けなかったキャリアも重ねていけるでしょう。
各家庭の事情はさまざまありますが、子育てが手から離れたときのことをイメージして、今からスキルを磨き始めてみるのもおすすめです。壁を気にしない働き方も視野に入れてみてください。
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小西 道代
社会保険労務士法人トップアンドコア代表。行政書士法人グローアップ代表。All About労務管理ガイド。大学卒業後に日本マクドナルドに入社。多数の店舗運営を行い、幅広い年齢層の人々と一緒に働くことで労務管理・組織運営に興味を持つ。その後、法律事務所や社会保険労務士事務所に勤務。カフェ経営も経験し、労働者と経営者の両視点を養い、働く場には風通しのよい労働環境や組織づくり、ルールが重要だと痛感する。現在は正社員から派遣社員、アルバイト、経営者の広い視点を活かした労務相談を行っており、事案のアドバイスだけでなく解決へも導いている。 著書に『正社員で働く人のための労務問題のトリセツ』(つちや書店)がある。
社会保険労務士法人トップアンドコア代表。行政書士法人グローアップ代表。All About労務管理ガイド。大学卒業後に日本マクドナルドに入社。多数の店舗運営を行い、幅広い年齢層の人々と一緒に働くことで労務管理・組織運営に興味を持つ。その後、法律事務所や社会保険労務士事務所に勤務。カフェ経営も経験し、労働者と経営者の両視点を養い、働く場には風通しのよい労働環境や組織づくり、ルールが重要だと痛感する。現在は正社員から派遣社員、アルバイト、経営者の広い視点を活かした労務相談を行っており、事案のアドバイスだけでなく解決へも導いている。 著書に『正社員で働く人のための労務問題のトリセツ』(つちや書店)がある。