ウサヒとぺロリンは、誰もいない大露天風呂のベンチに座っていました。流れ星がさっと流れました。
夜空を見上げたままペロリンが言いました。
「ねぇ、ウサヒ。ペロリン、どうしても踊りたいんだペロ」
(うん、知ってる。さっきの独り言、しっかり聞こえてたし)
と思いながら、ウサヒも夜空を見上げています。
「でも……でもさ、どうしても笠が回せないんだ! ああ、もっとしっかり手が届いたらいいのに……」
ペロリンは、ぽろぽろ涙をこぼしました。
(そうなんだよなぁ。笠に手が届きさえすれば、ペロリンは、ちゃんと踊れるはずなんだよなぁ‥‥‥。逆立ちだってできるし)
ウサヒは、だまったまま考えています。
(あー、もうこれはあれを使うしかないかぁ?でもなぁ……)
森の奥でフクロウの鳴き声がしました。流れ星が二つ、ひゅっと流れました。
(ホントは、あんまり見せたくないんだけど……。うーん……。よし! ここは一肌脱ごう!)
ウサヒは決意して、ペロリンの方を向きました。
「あのさ、ペロリン。まずは驚かないでほしいんだけど……」
というと、おもむろに2つの耳をポン! と取りました。
「わーっ! 耳が取れたっ!」
泣いていたペロリンは、びっくり仰天、涙も引っこんでしまいました。
すると、ウサヒは、人差し指を口に当てて、
「しっ! ペロリン。声が大きいよ。あんまり大きい声では言えないんだけど、ぼくの耳は取り外しできるんだ」
「ちょっと待ってウサヒ! びっくりすぎて、ついていけない‥‥‥」
ペロリンの目は、ウサヒのまあるい頭にくぎ付けのまま、おそるおそる続けました。
「‥‥‥ウサヒの耳が取り外しできるのと、ペロリンが踊れるようになるのって、どう関係があるペロ?」
「まぁ、これをみてよ」
ウサヒは、耳を両手で持って、器用に動かし始めました。
「わ……わわわ。ウサヒの耳が、まるで手みたいに動いてるー!?」
ペロリンは、またまたびっくり。するとウサヒが、ニヤリと笑って言いました。
「ね。だからとりあえず、これ使ってやってみようよ」
そして、その夜二人は、朝まで猛練習をしたのでした。
二人のひみつの練習の成果はいかに!? どきどきの花笠まつり開幕! 第3回は5月2日更新!
もっとくわしく! 山形コラム
山形のおいしい食べ物
玉こんにゃく
醬油と出汁で煮込まれた丸いこんにゃくを団子のように串にさしたもの。山形のお祭りや観光地でよく売られている山形のソウルフード。
尾花沢スイカ
大玉でしっかりした甘みと食べるとシャリっとしているのが魅力なんだ。7月から8月の出荷量は日本国内トップクラスなんだって。
ラ・フランス
色や形が不ぞろいで見た目はカッコ悪いけど、食べてみるととろっとして甘くてジューシー。「西洋なし王国山形の女王」ともよばれているよ。




































みきうさ子
山形県出身、仙台在住。東北児童文芸サークル「みちのわ」メンバー。読み聞かせボランティアや小学校図書事務として働くかたわら執筆活動をしている。
山形県出身、仙台在住。東北児童文芸サークル「みちのわ」メンバー。読み聞かせボランティアや小学校図書事務として働くかたわら執筆活動をしている。