【ハチ対策】遭遇しても「手で払う」のは逆効果! 国立科学博物館の研究者が教える「正しい身の守り方」

特別展『いきもの超ワールド展』監修 井手竜也さんインタビュー #1 (3/4) 1ページ目に戻る

遭遇しても「手で払う」はNG! ハチを刺激しない正しい対処法

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──ほかに、ハチに対しての行動で気を付けるといいことはありますか?

井手先生:人に関心をもったスズメバチが、こちらの様子を見にくることがあります。そのときハチは、目の前でホバリング(はねを素早く動かして、空中で同じ場所にとどまる飛び方)をします。突然ハチが近づいてきたのが怖くて手で払ってしまう人が多いのですが、実はこの行動こそがNG!

静かにゆっくり後ずさりしてハチから距離をとり、刺激を与えないようにしましょう。室内にハチが入ってきたときも同様です。騒いでしまう人が多いですが、そっと窓を開けて、外に出ていくのを静かに待ってください。

ハチたちが刺すのは、基本的には巣を守るため、自分の身を守るため。ですから、ハチがいるような場所ではハチが怖がるようなことはしない、というのが鉄則です。

下調べができるようなら、子どもが遊びたいエリアの近くに樹液が出ているところや巣がないかを、事前に保護者が確認しておくと安心です。

ハチに近寄ってもOKなタイミング

写真:アフロ

井手先生:虫取りの最中、間違えて網でハチを捕獲してしまったときは、網の部分を体から離して持ち、さっと網を裏返すように振り、逃がしてあげてください。小さいハチなら怖がらなくて大丈夫です。

逆にハチの習性さえ分かっていれば、どんなハチでもそれほど怖がる必要はありません。スズメバチでも、花の蜜を舐めているときは近くに寄って写真を撮ったりすることができます。

小さないきもの全般そうですが、スズメバチやアシナガバチも、自分より大きないきものに対しては臆病で、怖がるのが当たり前です。

スズメバチやアシナガバチの攻撃性がクローズアップされがちですが、近づいてみるとかわいらしい部分だってもっています。同じ世界で生きているものとして、ぜひ怖いだけではないハチの姿にも目を向けてもらえたらと思います。

自然界におけるハチの大切な役割

──生態系において、ハチはどのような役割を果たしているのでしょう?

井手先生:スズメバチやアシナガバチなど集団を作って暮らす社会性の狩りバチは、たくさんの幼虫を育てなければいけないので、そのぶん、毛虫・芋虫などたくさんの虫を捕まえます。

その結果、人にとって“害虫”となるような虫が増えすぎないよう、抑えられているのです。スズメバチのなかには他のスズメバチやアシナガバチを獲物とするものもいます。

もしスズメバチやアシナガバチがこの世界からいなくなれば、どうなるかわかりません。毛虫や芋虫が大発生するかもしれませんし、何か全く別のことが起こるかもしれません。

そんなふうに、生態系はさまざまなバランスを取りながら成り立っていますから、うまく共存していく道を探っていけたらいいなと思います。

【この記事では、ハチに遭遇した際の正しい対処法、アウトドアで気を付けたいポイントを国立科学博物館のハチ研究者・井手竜也先生にお聞きしました。次回は、特別展『いきもの超ワールド展』の見どころや、親子の身近な自然観察がグッとおもしろくなるハチの不思議、研究者ならではのワクワクする観察のコツをお聞きします】

取材・文/木下千寿
撮影/村田克己

ハチのおしごと 井手竜也:著
ハチのおしごと 井手竜也:著(技術評論社)

超意外! ハチってそんな生活をしてるの!?
ハチたちの、自然界における役割に着目し、ミツバチを筆頭に、狩りバチや寄生バチたちを見つめながら、彼らが自然界(生態系)でどのようなやくわりを果たしているのかを解説します。

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(こんな方におすすめ)
・ハチたちの役割や生活について知りたい方
・ハチに興味のある小学校中学年以上の方
・生態系における生物の役割について知りたい方

特別展『いきもの超ワールド展 国立科学博物館×ダーウィンが来た!』の詳しい情報

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