2児の子育て中! イラストレーターが初の絵本に込めた「片付け上手」のおまじないとは?

ピタッと気持ちいい新感覚絵本『バラバラピタッ!』作者・コンノユキミさんインタビュ

ふたりのお子さんを育てる作者のコンノユキミさんに、実生活で〈おかたづけ〉のために心がけていることをお話しいただきました。
『バラバラ ピタッ!』(作/コンノユキミ 講談社)
『バラバラピタッ!』のきっかけは、私がイラストレーターとして参加した本『1歳のうたとおはなし』の中で描いた赤いりんごの絵を、編集者が気に入ってくれたことです。

「子どもが物語を楽しめる年齢になる前、幼児期に “物”を知るための絵本も大事なんですよ」「“物”の絵本を描いてみたら」と声をかけてくれたのです。

これまで児童書の挿絵や装画をたくさん描いてきましたが、そんなことを言われたのははじめてでした。

「どんな“物”の絵本をつくろうか……」とあれこれ考えていたときに思いついたのが〈おかたづけ〉の絵本です。
クレヨンが バラバラ  絵本『バラバラ ピタッ!』より
ならべてー  絵本『バラバラ ピタッ!』より
ピタッ!  絵本『バラバラ ピタッ!』より
(バラバラだったオレンジのクレヨンが、ページをめくると、みごと整列してピタッ!)
たまたま、近所の認可保育園がモンテッソーリ教育を取り入れていて、うちの2人の子どもたちも楽しく通っていました(上の子は卒園)。

私は以前からモンテッソーリの考え方を「おもしろいな」と感じていたので入園が決まったときは嬉しかったのですが、くわしく知っていたわけではありませんでした。

モンテッソーリでは子どもが何かにこだわる時期を発達段階のひとつとしてとらえ、「敏感期」と呼んで大事にしたり、手作業を子どもの「お仕事」と呼んで積極的にとらえたりします。

うちの子は、上が男の子で、下が女の子。自由奔放な物づくりを楽しむ兄と違い、下の娘はこまかい「お仕事」が大好きでした。1歳半頃は「棒落とし」に夢中で、おすわりした足の間に、円柱状の容器を置き、アイスの棒状のものを、穴から落とす遊びをよくやっていました。

小さな子が、指先の動きで、棒の先端と入口をぴったり合わせるのは難しいのですが、2つの形が合うとすっと棒が入り、すとんと中に落ちる。それが、娘には楽しかったのですね。

〈おかたづけ〉の楽しさって何だろう。きっと物が“ぴたっ”とおさまる気持ちよさじゃないかしら。“ぴたっ”とはまる楽しさをどんなふうにしたら絵本で表現できるだろうか……。

そう考えていたときに、「そうだ、穴が必要だ!」と(笑)。「穴に物が“ぴたっ”とはまるおもしろさを表現できれば、きっと気持ちいい〈おかたづけ〉の絵本になる」と思いました。
容器のフタに棒の形状にあわせた小さな穴があけてあり、穴の口にうまく棒を入れられると、中にすとんと落ちます。1歳半頃の「棒落とし」。
イラスト/コンノユキミ
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