あのぉ……。すみません……。
内気なオオカミさんのところにやってきたお客さんの正体とは?
第46回講談社絵本新人賞受賞作は、誰でも読める「コミック絵本」!
受賞作家・鹿毛トモタロウさんによる、絵本制作日記の第2回目です。
内気なオオカミさんのところにやってきたお客さんの正体とは?
第46回講談社絵本新人賞受賞作は、誰でも読める「コミック絵本」!
受賞作家・鹿毛トモタロウさんによる、絵本制作日記の第2回目です。

前回の日記
それ、ホントウに好きになる?
自分が新人賞にこれまで応募した作品、子どものころの自分が読んで好きになるかというと……
ああ、ならないな、これは。
きっと、本棚を出入りすることなくピカピカのままの本。
今まで、大人の目線で、そして、なんとなく思い浮かべた審査員の顔色をうかがいながら描いていたということに、やっと気がつきました。
じゃあ、子どものころの自分が読んで気に入るものを描けばいいんじゃない?
単純な考えだけど、これで枷がはずれたのでしょう。今回応募した作品を描いている間、これまでにはなかった楽しさを覚えました。
ああ、ならないな、これは。
きっと、本棚を出入りすることなくピカピカのままの本。
今まで、大人の目線で、そして、なんとなく思い浮かべた審査員の顔色をうかがいながら描いていたということに、やっと気がつきました。
じゃあ、子どものころの自分が読んで気に入るものを描けばいいんじゃない?
単純な考えだけど、これで枷がはずれたのでしょう。今回応募した作品を描いている間、これまでにはなかった楽しさを覚えました。
20年ほど前のイラスト作品。今回の絵本のスタイルの原点?(写真提供 鹿毛トモタロウ)
受賞……ですか?
だんだんと審査が進んでいた、ある日。見慣れないけど、うっすら覚えのある番号から電話が。「受賞」の知らせでした。ですが、電話を切ったあと、私は首をかしげていました。
「新人賞」って言っていた?
あ、『絵本新人賞』の中の佳作かな???
むかしから、なんであれ1等というものをとったことがない私には、「それ」は他の人がとるものだと無意識にすりこまれていたようです。その後、編集者の方とメールをやり取りし、最終結果が公表されてからようやく……
あ、1等が取れたんだ……。
となったのでした。
「新人賞」って言っていた?
あ、『絵本新人賞』の中の佳作かな???
むかしから、なんであれ1等というものをとったことがない私には、「それ」は他の人がとるものだと無意識にすりこまれていたようです。その後、編集者の方とメールをやり取りし、最終結果が公表されてからようやく……
あ、1等が取れたんだ……。
となったのでした。
授賞式におびえる
しかし、しばらくすると授賞式があるとか……。
授賞式、コワイ。
何が怖いかというとまず、東京まで行かなければいけないこと。私は北海道に住んでおりますが、転勤族の家庭だったので、東京に住んでいたこともあります。でも、それは子どものころの話。大人になってから訪れる機会もありましたが、それだって、いつも誰かと一緒。ひとりで東京を歩き回った経験はゼロなのです。
なんとかがんばろうと、地図や電車の路線図をにらんでいると、東京で暮らす妹から道案内するという連絡が。このとき、妹のお腹には赤ちゃんがいたので、歩いたり、電車移動が不安でしたが、ありがたく頼ることにしました。(妹への心配は杞憂でした、こちらが逆に歩かされたほどで……)
授賞式、コワイ。
何が怖いかというとまず、東京まで行かなければいけないこと。私は北海道に住んでおりますが、転勤族の家庭だったので、東京に住んでいたこともあります。でも、それは子どものころの話。大人になってから訪れる機会もありましたが、それだって、いつも誰かと一緒。ひとりで東京を歩き回った経験はゼロなのです。
なんとかがんばろうと、地図や電車の路線図をにらんでいると、東京で暮らす妹から道案内するという連絡が。このとき、妹のお腹には赤ちゃんがいたので、歩いたり、電車移動が不安でしたが、ありがたく頼ることにしました。(妹への心配は杞憂でした、こちらが逆に歩かされたほどで……)
さらにさらに怖いのは、式でのスピーチ。人前で話すのは苦手です。
でも、やらねば!
文章を書き、試しに読み上げてみたところ、ギョッとするほど機械的な棒読み。一切抑揚のない平坦な音が、一定の間隔で、「タ・タ・タ・タ……」。
これは、旧いコンピュータが文章を読み上げている⁉
マズイ。人前で話すのハズカシイ! なんて言う以前の問題でした。おまけに、まだまだあるある怖いもの。キリがないので、このあたりでストップしておきましょう。
でも、やらねば!
文章を書き、試しに読み上げてみたところ、ギョッとするほど機械的な棒読み。一切抑揚のない平坦な音が、一定の間隔で、「タ・タ・タ・タ……」。
これは、旧いコンピュータが文章を読み上げている⁉
マズイ。人前で話すのハズカシイ! なんて言う以前の問題でした。おまけに、まだまだあるある怖いもの。キリがないので、このあたりでストップしておきましょう。
式の前に講談社へ
前夜の雨から一転、快晴の東京(写真提供 鹿毛トモタロウ)
さて、式当日。東京はすっかり晴れ渡っていました。
時季はずれの暑さに加え、自身で感じている以上に緊張しているのか、『緊張でのどがカラカラ』というのが、たとえではなく、本当のことだと知った日でした。まめに水分をとってもカラッカラ。
授賞式前に、担当編集者さんと顔合わせ&打ち合わせのために、まず、講談社へ向かいました。とりあえず、スムーズに、無事に、講談社前まで到着。
仕方ない……。
バンジージャンプの覚悟を決め、講談社の建物に飛び込みました。するすると受け付けをし、編集部へ向かい担当編集者さんと初対面。「お茶はいかがですか?」と聞かれたので、「いただけるとありがたいです」と、すぐに答えてしまいました。本当にカラカラ状態が続いていたので、このときは心底感謝でした!
こうして、息つく間もなく、受賞作の絵本化に向けての打ち合わせが始まりました。
時季はずれの暑さに加え、自身で感じている以上に緊張しているのか、『緊張でのどがカラカラ』というのが、たとえではなく、本当のことだと知った日でした。まめに水分をとってもカラッカラ。
授賞式前に、担当編集者さんと顔合わせ&打ち合わせのために、まず、講談社へ向かいました。とりあえず、スムーズに、無事に、講談社前まで到着。
仕方ない……。
バンジージャンプの覚悟を決め、講談社の建物に飛び込みました。するすると受け付けをし、編集部へ向かい担当編集者さんと初対面。「お茶はいかがですか?」と聞かれたので、「いただけるとありがたいです」と、すぐに答えてしまいました。本当にカラカラ状態が続いていたので、このときは心底感謝でした!
こうして、息つく間もなく、受賞作の絵本化に向けての打ち合わせが始まりました。
編集者さんと話が進むにつれて、緊張感よりもワクワク感のほうが強くなりました。
自分とはまた違う視点、改善できる部分、足したら面白そうなちょっとしたアイディア……。これらをうまく活用して描き直したらどう仕上がるのかすごく楽しみ!
え、あ、……そう、描き直すのですよ、全部。
応募した作品をそのままコピー機的なものにかけて、絵本のできあがり!というわけではないようなのです。
そんなこんなで時間が過ぎ、編集者さんとともに式会場へ向かいます。
自分とはまた違う視点、改善できる部分、足したら面白そうなちょっとしたアイディア……。これらをうまく活用して描き直したらどう仕上がるのかすごく楽しみ!
え、あ、……そう、描き直すのですよ、全部。
応募した作品をそのままコピー機的なものにかけて、絵本のできあがり!というわけではないようなのです。
そんなこんなで時間が過ぎ、編集者さんとともに式会場へ向かいます。
いざ授賞式へ!
会場のホテル入り口にあったボード(他の方のお名前もあるので一部加工しています)(写真提供 鹿毛トモタロウ)
授賞式の会場で、編集部の方々、審査員の先生方と対面しました。
新人賞のホームページにあった審査中の様子の写真での印象とは違い、やさしそうな方々で少し安心(怖かったもののひとつ)。他の受賞された方たちも全員そろいました。
いよいよ、授賞式がはじまります。
……で、最大の難関はスピーチでしょう。私こと、旧型コンピュータ。がんばってアップデートしました。毎日の読み上げ練習でだいぶ人間味も出たと思います。ただ、壇上に立ったら言うべきことが自動的に消去されそうだったので、文章を書いた紙を片手にスピーチスタート。
よし、無事言い切った!
ちょっと選手宣誓、あるいは選挙演説風だったかもしれませんが……とにかく! 終わった!
だけど、緊張する場面はまだまだ。
審査員の先生方から講評をいただくのも、そのひとつ。
新人賞のホームページにあった審査中の様子の写真での印象とは違い、やさしそうな方々で少し安心(怖かったもののひとつ)。他の受賞された方たちも全員そろいました。
いよいよ、授賞式がはじまります。
……で、最大の難関はスピーチでしょう。私こと、旧型コンピュータ。がんばってアップデートしました。毎日の読み上げ練習でだいぶ人間味も出たと思います。ただ、壇上に立ったら言うべきことが自動的に消去されそうだったので、文章を書いた紙を片手にスピーチスタート。
よし、無事言い切った!
ちょっと選手宣誓、あるいは選挙演説風だったかもしれませんが……とにかく! 終わった!
だけど、緊張する場面はまだまだ。
審査員の先生方から講評をいただくのも、そのひとつ。
講評は、先生方がお一人ずついらっしゃるテーブルに作品を持って回るスタイルでした。
こわく……ない、面白い!
先生方の視点がそれぞれすごく勉強になるし、ユニークで、一日中話を聞いていたいくらいでした。作品の修正に取り入れるべきヒントもいろいろあり、すぐにでも試しに描いてみたい気分になりました。
苅田先生、たしろ先生、藤本先生、三浦先生、本当にありがとうございます。
あれほどおびえていた授賞式は、結局、終始和やかな雰囲気。大きな窓から入る穏やかな日差しも心地よく素敵な時間をすごせました。
お開き後、空港から北海道へ飛び、家に着いたのは午前1時すぎでした。
長い長い1日だった!
この2回目の制作日記も長くなりました、次回から絵本の制作に関する話に入ります。
次回に続く
こわく……ない、面白い!
先生方の視点がそれぞれすごく勉強になるし、ユニークで、一日中話を聞いていたいくらいでした。作品の修正に取り入れるべきヒントもいろいろあり、すぐにでも試しに描いてみたい気分になりました。
苅田先生、たしろ先生、藤本先生、三浦先生、本当にありがとうございます。
あれほどおびえていた授賞式は、結局、終始和やかな雰囲気。大きな窓から入る穏やかな日差しも心地よく素敵な時間をすごせました。
お開き後、空港から北海道へ飛び、家に着いたのは午前1時すぎでした。
長い長い1日だった!
この2回目の制作日記も長くなりました、次回から絵本の制作に関する話に入ります。
次回に続く






























鹿毛 トモタロウ
1983年生まれ、札幌出身。個展等でイラストの制作を行う。第46回講談社絵本新人賞受賞。
1983年生まれ、札幌出身。個展等でイラストの制作を行う。第46回講談社絵本新人賞受賞。