第46回講談社絵本新人賞受賞作『オオカミさんのおきゃくさん』ができるまで①

【制作日記①】きっかけは落選通知…?

絵本作家:鹿毛 トモタロウ

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オオカミさんの おきゃくさん

オオカミさんの おきゃくさん

鹿毛 トモタロウ(作)

発売日:2026/08/26

価格:定価:本体1600円(税別)

『オオカミさんのおうちになにがきた』で、第46回講談社絵本新人賞をいただきました鹿毛トモタロウです。

鹿毛と書いてカゲです、どうぞよろしくおねがいいたします。

絵にかかわることでは、個展での発表やポストカードの制作などを行っております。
(写真提供 鹿毛トモタロウ)

新人賞に応募するまで

子どもの頃から絵を描くほうでしたが、本格的に取り組みだしたのは10代の後半からです。本を読むのが好きなので、いつか表紙絵や挿絵を描く仕事ができたらいいな、という「あこがれ」からのスタートでした。専門的に絵を学校や教室で学ぶ機会はなかったので独学です。

ありがたいことに、過去住んだことがある場所は毎回近くに図書館や、区民センターの図書室があるような環境だったので、あらゆる本が読み放題でした。読んで、実践して……の、繰り返しで学んでいきました。

絵のコンテストもあっちこっち、いろいろと挑戦しました。腕試しのためもありますが、賞をとれば自身の絵の『品質保証書』にはなるだろうとの考えから出品していました。独学だと書ける経歴が本当、何もないので……。そのうち、絵本のコンテストにも挑戦するようになりましたが、20代のころは絵本作家を目指してではなく、賞を取ることを目指して描いていたと思います。

その後、何度か絵本のコンテストに挑戦するうちに、だんだん絵本を描くことが面白く思えてきたのです。初めて講談社絵本新人賞に応募したのは30代後半になってからです。だいぶ前からこの賞の存在は知っていましたが、

あきらかにハイレベル、規定も細かく、出品料もかかる……。

うーん。

でも、描いてみたいし、描くなら出してみるべき?

うーん……。


という具合に、募集の案内を前に、数日間、もじもじとしていました。

締切までに描けたら出してみることにして、できあがったのはこんな作品です↓
今回のためクローゼットの奥から発掘(写真提供 鹿毛トモタロウ)
これだけ見るとかなり謎の組み合わせですが……、見開き2枚1組で話がすすんでいく絵本で、マスクというか、かぶり物をかぶることで悩みを解決していくというストーリー。

文はこんなかんじです……

『かんがえ ぐちゃぐちゃ こんらんちゅう

そんなときは かぶって おちつけ パスタの おめん

いっぽん いっぽん ほぐしていけば

するりと かんたん ほどけるかもね』

講談社から届いた「落選通知」

思い切って応募してからしばらくしたあと、1通の封書が届きました。

落選通知です。

まあ、そうだろうなぁ、と思いつつ、文に目を通してみると、

あれ? 1次予選通過できていたの⁉

1次を通るのもムリだろうと思っていたので、驚きました。そして、そこで振るい落とされる作品の数にも驚きました……。

落選通知の続きを読んでみると、「2次予選で落ちたので、この後原画を返却する」という内容のほかに、講評も書かれていました。

今まで出してきたどんなコンテストも落ちたらそれでおしまい。講評がついてくることなんてまずなかったので、なんだかこれがすごく嬉しかったのです。

ちゃんと作品を見てもらえている!

講評を読むと、

ああ! そうか!

作品をもっと良くするためのヒントが書いてありました。

落選通知なのに、とてもワクワクして、このとき、これからもっと絵本を描いてみようと思いました。
落選通知。今ではこれ、宝物です(写真提供 鹿毛トモタロウ)
その後は、ほぼ毎回新人賞に応募していましたが、やはり壁は分厚く高く。賞にはまったく手が届きません。


絵本、絵本……。子どものころ、私、どんな絵本が好きだったっけ?

これまでに描いたものを、自分が子どものころに読んだとしたら、それ、ホ・ン・ト・ウに、好きになる……?

次回へ続く
オオカミさんの おきゃくさん

オオカミさんの おきゃくさん

鹿毛 トモタロウ(作)

発売日:2026/08/26

価格:定価:本体1600円(税別)

鹿毛 トモタロウ
かげ ともたろう

鹿毛 トモタロウ

Tomotaro Kage
絵本作家

1983年生まれ、札幌出身。個展等でイラストの制作を行う。第46回講談社絵本新人賞受賞。

1983年生まれ、札幌出身。個展等でイラストの制作を行う。第46回講談社絵本新人賞受賞。