内気なオオカミさんのところにやってきたお客さんの正体とは?
第46回講談社絵本新人賞受賞作は、誰でも読める「コミック絵本」!
受賞作家・鹿毛トモタロウさんによる、絵本制作日記の第3回目です。

これまでの日記
授賞式あと
応募した作品は見開き11枚で描いたものでしたが、ページを増やすべきという意見が多かったので、新たに全32ページまで描き足すことにしました。
そして、タイトルも
『オオカミさんのおうちになにがきた』から
『オオカミさんのおきゃくさん』に。
オンラインでの打ち合わせ
……進捗バーまったく動かない、えええ。
しばらく待ってみても動く気配なし、刻々とせまる打ち合わせの時間、どうするこれ。
調べる時間もないので、手近にあった筆洗い容器をひっくり返して台に。さらにその上に、ペン立てを乗せ、スマホを立てかけてほどよい高さにセッティング……! これで、スマホで打ち合わせ開始!! な~んてことがありました。
ボーッとクラゲをながめて、いろんな緊張感からの解放(写真提供 鹿毛トモタロウ)
年賀状ウラ話
担当編集者さんからは、「受賞作の主人公のオオカミさんと、図鑑が載った年賀状にしたい」という注文がありました。ラフを描いてみたところ、早々とOKが出たのでいざ制作へ。
ん? オオカミさん、どんな顔してたっけ???
ラフならササッとそれらしいオオカミさんを描けますが、新人賞でキッチリと描いたオオカミさんの細部がどうだったのかわからないのです……。
毛なみやパーツのバランス、どう描いていたんだろう? 原画は編集部に預けたままで手元になし、コピーもなし。下絵は……
……あったー! よかった!!
下絵は毎回ものが完成したら捨ててしまうのですが、今回はちゃんと残してありました。これを参考に、年賀状のオオカミさんを描いていきました。
実は、この年賀状のオオカミさん、新たに描き直した絵本版のオオカミさんと見た目がちょっと違うんです……。
トリミングサロンに行きそびれたオオカミさん
今あらためて年賀状見ると別人だなぁ……。
対象年齢いくつだろう?
この絵本の対象年齢はいくつなのか
ということ。
本の中で使う言葉の選び方にも直結する問題なのですが、
はて?
もともと想定していたのは、幼稚園くらいの子ども。ひとりでも字を読めるようになったあたり。
で、それっていくつなんだろう???
身近に小さな子どもがいないので1歳の差がどれほど違うものかわからず、うすボンヤリとしたイメージしか持てなかったのです。
「この絵本は、ひとり読みをはじめてするような年齢に向いていると思います。5歳に向けていくのはどうでしょう」。担当編集者さんのおかげで、ようやく対象とする相手のイメージがクッキリ見えるようになりました。
絵本の判型を選ぶ
これを決めておかないと、原画のサイズをどうすればいいのかわからないので、描き始めることができません。
私は、絵本のサイズはあらかじめ決められたものにこちらが合わせるものかと思っていたので、自分で選ぶことができるのが意外でした。
「書店の絵本コーナーで実際に見て、理想に近いものがあれば、教えてください」と担当編集者さん。さっそく書店に出かけてみました。
判型を意識して絵本コーナーに行くことなどまずなかったので、それを意識して見るといろんなことに気がつきました。今まで漠然と絵本コーナーってごちゃごちゃしているなぁと思っていたのですが、それは判型がバラバラで本棚にきっちり収まらないからなのですね。
理想的なものを見つけ、担当編集者さんに報告したところ、私、どうやら珍しい判型に興味を持ってしまったようです……。「変わった判型ですね……。紙取りに無駄がないか、社内で調べてみますね」と担当編集者さん。聞くと、本にするために裁断するときに、切り落とした紙の無駄が多く出ることもあるため、効率の観点からも判型を考えなくてはならないそうです。
他にもいろいろなことを、担当編集者さんと考えました。
今回の作品、実は、コマ割り表現を活用した絵本なのです。この表現を活かすには、縦に長い判型が向いていることに気が付きました(正方形に近い判型も候補にあったのですが)。また、子どもの一人読みを応援する絵本を目指すならば、子どもが一人でも無理なく読める判型がいいと思いました。大きすぎても、小さすぎてもいけません。同時に、せっかくだから個性的な判型にしてみたいとも思っていました。
こうして、いよいよラフの制作がはじまることになります。この話は次回に。
次回へ続く














































































鹿毛 トモタロウ
1983年生まれ、札幌出身。個展等でイラストの制作を行う。第46回講談社絵本新人賞受賞。
1983年生まれ、札幌出身。個展等でイラストの制作を行う。第46回講談社絵本新人賞受賞。