第38回(2016年)講談社絵本新人賞 選考経過・報告

幼児図書編集部

開封速報! 2016.6.30

2016年6月15日をもって応募を締め切りした第38回講談社絵本新人賞、先日新人賞事務局で開封作業を行い、応募作品総数は578作品となりました。前年より55作品増です。たくさんのご応募ありがとうございます。
今後、第一次選考通過作品を7月中旬に、第二次選考通過作品を7月下旬に発表いたします。どうぞ楽しみにお待ちください。
開封終了後。これからどんな作品に出会えるのか、楽しみです。
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中間報告 第一次選考結果 2016.7.21

第38回絵本新人賞は、578作品もの応募をいただき、目下選考作業中です。第一次選考では59作品が通過しました。8月2日頃には第二次選考結果を、8月上旬には最終選考結果をお伝え出来る予定ですので、楽しみにお待ちください。また、応募してくださった方々の作品は、8月から9月にかけて返却の予定です。

第一次選考通過作品

『とりのいろいろ』 中川まなみ
『ハリクルのだいぼうけん』 エポックタナベ
『すてきな まちの しちょうさん』 鈴木康二
『さぼてんアミーゴ』 湖山剛敏
『まねにゃん』 睦月シロ
『きりんのドーナッツ』 遥乃さわら
『森をわたる風のように』 安永隆俊
『ハトはけんじょ -ハトのごりようありませんか?-』 ひらばやし霞
『わすれんぼうのニャゴ』 阪田正也
『ゆうちゃんのおねつのひ』 月下 えん
『ピアノ』 はまぎし かなえ
『いろはにこんぺいとう』 奥野哉子
『もりのかいてんずし ミーてんちょうのヒミツのとっくん』 しみずあき
『つーるつる』 いいづかみこ
『ネコとノミ』 高田ミレイ
『UFO(ユーフォー)』 南 知里
『うさぎスーツ』 としま ゆうこ
『まるぼうずの街』 羽根田真由子
『バズのちょっとしたぼうけん』 植木拓雄
『どろぼうとたからもの』 鈴木りつ子
『はっぱがおちばになるとき』 そらのみみた
『みずうり』 たけかわゆうこ
『カエルくんとカエル子さん』 綿木うた
『ふゆ ねむる もり』 高橋星子
『ポッポポーン』 たまむらさちこ
『おまめさんのうんどうかい』 伊藤朝悦
『って、思わないほうがいい』 向野 ゴマ
『大阪かたつむり』 里谷真吾
『きいて きいて!』 フジノサトミ
『えんまさまのほんだな』 阪吉章/阪幹子
『サンタ仙人』 瀬古絵美
『まて!』 おざわ よしひさ
『うそつきプリン』 梶山奏子
『こわがりみっちゃん』 厚田すず
『れんちゃんのひみつ』 東海さとみ
『かあちゃんのおしり』 る~じ~
『いばんないで』 横山ゆみ
『マジシャンカーテンさん』 ちゃず
『のっぺらぼうや』 オノガワアサコ
『ようこそ おはいり ぼくのいえ』 たかしま さら
『ボウとボン』 ひろせ ももこ
『ナイショのこうしん』 辻原謙一
『かならずとどくから』 菅いずみ
『たんぽぽ村のはちみつ工場』 ほり こずえ/望月あさひ
『あつあつえびすゆ きょうはかみさまデイ』 つるおかのぶえ
『ペンシル先生と仲間』 ひがきけいこ
『ペンシル先生とペンペンペン』 ひがきけいこ
『ママどこにいるの?』 つかまい子/eikobo
『くつした姉妹』 さかえかなこ
『ミーちゃんのおようふくさがし』 藍田悠
『おじぞうさんとかみのけ』 若杉幸花
『おじいさんの もくもくパン』 堀川 恵未
『ボクたちは、バクレッツシュ!』 ヤスダユミコ/武藤雄一/松本摩耶
『さむっこ』 近藤未奈
『なにやってんの?』 そらのみみた
『ひかりちゃんとうわぐつ』 はねい あやこ
『ポカポカパパママサンドイッチ』 菊野葉子
『くつしたおばけ』 浜乃トシコ
『にげだしたパン』 くら もとこ

中間報告 第二次選考結果 2016.8.2

第38回絵本新人賞は、578作品もの応募をいただきました。
第一次選考で59作品に絞られた後、第二次選考では18作品が通過しました。
8月上旬には最終選考結果をお伝え出来る予定ですので、楽しみにお待ちください。

第二次選考通過作

『まねにゃん』 睦月シロ
『ハトはけんじょ -ハトのごりようありませんか?-』 ひらばやし霞
『ゆうちゃんのおねつのひ』 月下 えん
『ピアノ』 はまぎし かなえ
『いろはにこんぺいとう』 奥野哉子
『つーるつる』 いいづかみこ
『ネコとノミ』 高田ミレイ
『まるぼうずの街』 羽根田真由子
『バズのちょっとしたぼうけん』 植木拓雄
『どろぼうとたからもの』 鈴木りつ子
『みずうり』 たけかわゆうこ
『カエルくんとカエル子さん』 綿木うた
『サンタ仙人』 瀬古絵美
『まて!』 おざわ よしひさ
『のっぺらぼうや』 オノガワアサコ
『かならずとどくから』 菅いずみ
『おじぞうさんとかみのけ』 若杉幸花
『さむっこ』 近藤未奈

最終選考結果 新人賞1作品、佳作2作品が決定! 2016.8.9

第38回講談社絵本新人賞最終選考会は、審査員に4名の先生方(木坂涼先生、はたこうしろう先生、松成真理子先生、村上康成先生)を迎え、本社・第一出版部長を加えた5名で、去る8月4日講談社にて行われました。
今回の応募総数は、578作品。一次選考で59作品に絞られた後、二次選考で残った18作品をもって最終選考が行われました。選考会後半には、数作品を前に激論が交わされ、厳正な審査の結果、新人賞は、はまぎしかなえさんの『ピアノ』に決定しました。佳作は、たけかわゆうこさんの『みずうり』、近藤未奈さんの『さむっこ』が選出されました。受賞者のみなさま、おめでとうございます。
新人賞
『ピアノ』 はまぎしかなえ(京都府)

佳作
『みずうり』 たけかわゆうこ(福岡県)
『さむっこ』 近藤未奈(東京都)
第38回 講談社絵本新人賞 最終選考会の様子。

審査員の先生方の選評(五十音順)2016.8.23

木坂涼 先生

木坂涼 先生
応募作品の出来栄えの高さに、嬉しい驚きをもって選にあたらせてもらいました。新人賞『ピアノ』は、静かな導入ながら、何が始まるのだろうという期待感が膨らみます。音楽と主人公の内面世界。ページも変化に富んで魅力的です。文にはちょっと気がかりがありましたが、見直し作業は誰にとっても必須。期待大です。佳作の『みずうり』は、水の世界へ入っていく仕掛けが楽しく、水面へあがっていく子どもの描写がいいですね。『さむっこ』は、目に見えない「さむさ」という相手をうまく描いています。課題は、表情豊かな「さむっこ」以外をどう描くかでしょうか。そのほか、愉快な発想や設定の作品があり、だからこその難しさも垣間見られました。

はたこうしろう 先生

はたこうしろう 先生
この選考会で、フレッシュな感性を持った新人たちの作品に触れることができて、楽しい時間をすごせました。選にもれた作品の中にも、ハッとさせられる切り口のものがありました。そのせいで選考は難航。しかし今回、新人賞に選ばれた作品は、そんな中でも特に瑞々しいセンスを感じさせてくれました。淡い色調に、独特のデフォルメで表現された物語は、ノスタルジーと若い躍動感が混在して、爽やかな読後感を作り出していました。モノローグの視点がはっきりしない所など荒削りな部分もあります。でも、若者らしい元気良さを残しつつも、怖がらずに修正を加えていくことで、読者の心を引き込む作品にしあがるでしょう。期待しています。

松成真理子 先生

松成真理子 先生
最終選考に残った、どの作品にも様々な形の絵本の種が内包されていて、楽しい驚きで読みました。新人賞の『ピアノ』は絵の構図、色彩、影の表現などが秀逸でした。ここに文章、編集の作業を加えて3つのバランスが整い出版される日を楽しみにしています。『みずうり』は繰り返し読むうちに、このお話の水紋の様に、愛らしさがひたひたと、しみてくる作品でした。冷たい空気の"さむっこ"達が冬の町から移動する様子が流れるように美しく表現された『さむっこ』には、春の気配など、細かな工夫が、あと何層か加わると、さらに魅力的な作品に仕上がると思いました。今年の応募によせて生まれてきた、それぞれの物語の種がすくすく育ちますように。

村上康成 先生

村上康成 先生
『ピアノ』は、パステルの重厚な塗り重ねが、おじいさんのピアノの歴史の重さとマッチした。構図も静と動を組みこみ、色使いもしっとりと雰囲気がある。ただ、文と展開の甘さが惜しい。佳作に入った『みずうり』は、丁寧なてらいのない筆致から伝わる愛らしさが、微笑ましい。『さむっこ』は、絵の表現力に独自の世界観があり、大いに楽しみ。選外となったが、『まるぼうずの街』はブラッキーな世界がユニークではあったが、そこまで。何度も何度も読み返したくなる作品を目指してほしい。『いろはにこんぺいとう』『おじぞうさんとかみのけ』など、絵のセンス、画力はあるものの、やはり、絵本としての構成、展開の弱さが惜しい作品だった。ただ、どの作品もこの辺は、編集力が加われば、大いに期待が持てる。

受賞者の言葉 2016.9.28

新人賞
『ピアノ』 はまぎしかなえ(京都府)
『ピアノ』より
この度は素晴らしい賞をいただき誠にありがとうございます。私自身昔ピアノを習っていて、その時の「情景を思い浮かべて弾く」というご指導が印象的で、どうしてもあの感じを再現したい!という思いからこの絵本を作りました。より推敲を重ね、ピアノの豊かな音色と、その背景にある弾き手の人生が浮かんでくるような絵本を完成させたいと思います。改めて、選んでくださった審査員の方々、日頃からご指導いただいた先生方、そして私にピアノを習う機会をくれた両親と祖父母にお礼申し上げます。ありがとうございました!
『ピアノ』より
佳作
『みずうり』 たけかわゆうこ(福岡県)
『みずうり』より
6度目の応募で今回の賞をいただき、天にものぼる気持ちです。作品が無言で返ってくることが続くと、進む方向がわからなくなり何度も絵本を描くことをやめようと思いました。そんな時、同じ夢をもつ仲間に出会い、支えられ、進むべき道に光が見えるようになってきました。あの時、やめなくて本当によかったと思います。また気持ち新たに頑張れます。ありがとうございました!
佳作
『さむっこ』 近藤未奈(東京都)
『さむっこ』より
この度は佳作を頂きありがとうございます。こう描きたいという理想と、なかなかそこに辿り着けない現実に悩まされる日々ですが、少しずつ思いが形になって表れはじめたのだと実感しています。これからも、世の中にあふれている目に見えたり見えなかったりする素晴らしい瞬間を感じながら描き続けていきたいと思います。本当にありがとうございました。
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