ひとつめは、子どもにも身近なテーマが含まれるノンフィクションを選ぶこと。そのお話に関連して、子どもが自分の体験を思いうかべられるものを選びましょう。
子どもが自分の体験をかさねやすいもの
お子さんがおばあちゃんのことが大好きだったら、おばあちゃんと一緒にすごした楽しい体験を書き、「それをおばあちゃんが忘れてしまったとしたら、自分はどう思うか」ということを書くだけで立派な感想文になります。
また、この絵本は、中国の絵本を翻訳したものなので、「国がちがっても、家族を思う気持ちは同じ」という発見を書くのも広がりが出ますね。
子どもから見た戦争の姿を具体的に描いたもの
そんなときに、手に取りたいのが、凄惨な描写はないけれども、戦争になったらどうなるのかを具体的に知ることができるこの絵本です。
トットちゃんの大切なものがどんどんなくなるシーンに、自分は、なにがなくなったらつらいだろうか、ということを考えて書いてみてもいいですね。15つぶだけの食事をためしてみた感想でも、りっぱな感想文になります。
「戦争と平和」は、子どもたちには予備知識があまりないため、選ぶ本によっては、感想文を書くのがとても難しくなってしまうことがあります。抽象的なことについて書くのは大人でも難しいものです。できるだけ、子どもにもわかりやすい、具体的なことが書いてあるものを選べるといいですね。
読んだあとに会話をしやすいもの
親子で自分の考えを伝えあい、それを感想文にまとめるのは素晴らしい学習です。親子や兄弟、友だち、祖父母など、意見が食いちがったことも書けたら、さらにすばらしい感想文になりそうです。
読書感想文の達人のなかには、「本を選んだ段階で、感想文の宿題は半分おわっている」という人もいます。選んだ本の内容をきっかけに「自分が考えたこと、体験したこと」などを書けばいいのですね。
逆にいえば、自分が書きたいこと、書けることを決めてから、そのことを書いてもおかしくないような本を選んでもいいのです。
もちろん、本を読むのにとても抵抗があるお子さんなら、ぜひ読み聞かせしてあげてください。一緒に本を読んだ時間が、夏休みの楽しい思い出のひとつになるといいなと思います。