【小学3年生・4年生向け】夏休みの「読書感想文」におすすめの絵本 3選

本が苦手なお子さんでも読書感想文が書きやすい絵本の選び方

幼児図書編集部

読書感想文用の本を選ぶときには、いくつか方法があります。具体的に本を紹介しながら、その方法をお伝えします。

ひとつめは、子どもにも身近なテーマが含まれるノンフィクションを選ぶこと。そのお話に関連して、子どもが自分の体験を思いうかべられるものを選びましょう。

子どもが自分の体験をかさねやすいもの

たとえば、この絵本。
『トウモロコシの おもいで』
作:早秋丸   訳:小川糸  


中国の心あたたまる絵本を『食堂かたつむり』『ツバキ文具店』の小川糸が翻訳した、どこかなつかしい絵本。
この絵本に出てくるおばあちゃんは、認知症で記憶をなくしていることがわかります。少女は、大好きで頼れるおばあちゃんがなにもかも忘れてしまっても、自分は忘れないよ、と言っています。

お子さんがおばあちゃんのことが大好きだったら、おばあちゃんと一緒にすごした楽しい体験を書き、「それをおばあちゃんが忘れてしまったとしたら、自分はどう思うか」ということを書くだけで立派な感想文になります。

また、この絵本は、中国の絵本を翻訳したものなので、「国がちがっても、家族を思う気持ちは同じ」という発見を書くのも広がりが出ますね。

子どもから見た戦争の姿を具体的に描いたもの

世界のあちこちで戦いがやみません。毎日のニュースで子どもたちも胸をいためているかもしれません。

そんなときに、手に取りたいのが、凄惨な描写はないけれども、戦争になったらどうなるのかを具体的に知ることができるこの絵本です。
『トットちゃんの 15つぶの だいず』
原案:黒柳徹子 文:柏葉幸子 絵:松本春野
この絵本は、女優の黒柳徹子さんの少女時代のお話です。自分と同じくらいの年齢の女の子が、戦争のために食べるものがなくなり、一日の食事が大豆15つぶだけになってしまった、という事実は、お子さんの想像力を刺激することでしょう。

トットちゃんの大切なものがどんどんなくなるシーンに、自分は、なにがなくなったらつらいだろうか、ということを考えて書いてみてもいいですね。15つぶだけの食事をためしてみた感想でも、りっぱな感想文になります。

「戦争と平和」は、子どもたちには予備知識があまりないため、選ぶ本によっては、感想文を書くのがとても難しくなってしまうことがあります。抽象的なことについて書くのは大人でも難しいものです。できるだけ、子どもにもわかりやすい、具体的なことが書いてあるものを選べるといいですね。

読んだあとに会話をしやすいもの

絵本を読んだあとで、親子で会話がはずむものは、感想文が書きやすいと言えます。
『ヤクーバとライオン (1) 勇気』
作:ティエリー・デデュー  訳:柳田 邦男  
たとえば、道徳の授業などでもよく使われているこの絵本。「ほんとうの勇気とはなにか」について、さまざまな意見をかわすことができると思います。正解はないので、大人も考えさせられることでしょう。

親子で自分の考えを伝えあい、それを感想文にまとめるのは素晴らしい学習です。親子や兄弟、友だち、祖父母など、意見が食いちがったことも書けたら、さらにすばらしい感想文になりそうです。
いかがでしょうか。

読書感想文の達人のなかには、「本を選んだ段階で、感想文の宿題は半分おわっている」という人もいます。選んだ本の内容をきっかけに「自分が考えたこと、体験したこと」などを書けばいいのですね。

逆にいえば、自分が書きたいこと、書けることを決めてから、そのことを書いてもおかしくないような本を選んでもいいのです。

もちろん、本を読むのにとても抵抗があるお子さんなら、ぜひ読み聞かせしてあげてください。一緒に本を読んだ時間が、夏休みの楽しい思い出のひとつになるといいなと思います。