
目指せ絵本作家! 「講談社絵本新人賞」受賞作家と担当編集者が「作品をどうブラッシュアップするか」を伝授!
大好評につき今年も開催! 絵本セミナー「絵本作家への道」ダイジェストレポート#3 みやもとかずあき先生編
2025.04.23

「絵本新人賞に応募する人にためになる!」と大好評のうちに終わったオンラインセミナーの様子を公開
昨年1回目を開催し、大好評だった絵本オンラインセミナー。多くのご要望をいただき、今年も2025年4月15日に開催しました。5月に今年度もいよいよ募集がスタートする「講談社絵本新人賞」への応募を考える方にも必見の内容となっています。
1979年に創立され、現在では絵本作家の登竜門として知られる「講談社絵本新人賞」。その新人賞受賞者とその担当編集者、審査員の一人である編集長が出演し、「作品を実際にどうブラッシュアップするか」「講談社絵本新人賞」について語るオンライン形式のセミナーです。リアルタイムで終了後、「新人賞への応募を考えている人、絵本作家を目指す人にとっても、ためになる内容だった!」との声が寄せられた本セミナーのダイジェスト版をお届けします。
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出演者紹介
みやもとかずあき(絵本作家)

和歌山県生まれ。第44回講談社絵本新人賞受賞。
絵本作家を目指して30年、その間に応募した絵本コンテストはなんと13回。そして14回目、60歳にして、ついに本作で念願のデビューを果たす。人生の中で新たに挑戦し続ける姿が共感を呼び、「還暦の新人」として複数のメディアで取り上げられた。
男の子と女の子の双子育児の傍ら、「神戸ギャラリーヴィー絵話塾」などで絵本制作を学んだ。受賞歴として第38回日産童話と絵本のグランプリ絵本の部優秀賞、第3回安城市新美南吉絵本大賞入賞など。
曽小川 瞳(講談社幼児図書編集部 担当編集者)
講談社入社以来、女性誌メディアに所属。その後、幼児図書編集部に異動し、絵本編集者に転向。これまでに培った「読者はなにを求めているか」の視点も活かしつつ、絵本制作に向き合っている。最近の担当作としては『くらげのパポちゃん』(かこさとし・文 中島加名・絵)、『チョコちゃん』(新井洋行・作)など。
司会:片寄 太一郎(講談社幼児図書編集長)
大学卒業後、地方新聞の記者、放送局の記者の職に就いた後、講談社に転職。『週刊現代』、『月刊現代』、『FRIDAY』の各編集部を経て、2013年に児童書の編集部に異動し、未就学児から大人までを対象に幼年童話やYA小説などの編集を手がける。2023年より絵本を専門に出版する幼児図書編集の編集長に就任。
セミナーの模様を一部お見せします
セミナー動画は購入後すぐにご覧いただけます
セミナーダイジェストレポート
「その作品は本当にそこで完成形!?」 講談社絵本新人賞受賞作だって、実は出版までにたくさん修正している!

講談社絵本新人賞には毎年多くの方が、渾身の作品を送ってくださいます。編集部では、送られてきた作品すべてを拝見しますが、なかには、もったいないなあと思うものもあります。どんなところが「もったいない」のか。
その多くは、「お作りになったご本人はこの作品のことをずっと考えているから気づかないかもしれないけれど、初めてこの作品を読んだ人には伝わらないよ」というものです。そこから一歩進むためには「作品を客観的に見る力」が必要になってきます。それは「自身のなかに編集者の目を持つ」ということに言い換えられるかもしれません。
講談社絵本新人賞受賞作である、みやもとかずあきさんの『あおくんふくちゃん』(受賞時のタイトルは『福の神』)も、応募作をそのまま出版するのではなく、みやもとさんと担当編集者とで、何度も修正と見直しを重ねて作品を完成させました。
そこに至るまでに、どのようなことをどのような視点で修正したのかは、みなさまが作っていらっしゃる作品のブラッシュアップにも必ず役に立つはずです。
そんなことをテーマにした今回のセミナー、まずはみやもとさんによる『あおくんふくちゃん』の読み聞かせから始まりました。

表紙とタイトルが応募作とまったく違ったものになっている!


今回のセミナーを受講された方に好評だったのが、応募作『福の神』と実際に出版された『あおくんふくちゃん』とで、どこがどう変わったのかのBefore→Afterの事例を多くご紹介したこと。
まずは表紙とタイトル。絵もまったく変わっていますし、タイトルも応募時とまったく違います。
これについて担当編集者は「新人作家さんである以上、ご自身のお名前で絵本を手に取ってくださるかたは基本いらっしゃらないわけですから、表紙とタイトルで『なんだろう?』『おもしろそう』と手に取ってもらう、気になってもらう、しかありません」とコメント。
新しいタイトルを生み出すために、なんとみやもとさんは100本以上練り直したそうです……!
本文のBefore→Afterも公開! なかには20回も描き直しになったものも

続いて、本文のBefore→Afterも見ていきましょう。
実は、『あおくんふくちゃん』は、出版までに全ページラフから描き直しています。
ここでは、修正の具体例を数多く出しながら、絵をどういうポイントで修正するか、構成をどう見直すかなどについてお話ししました。
片寄編集長もBefore→Afterの変化に「ずいぶん変わりましたね!」と驚きを隠せない様子。もちろんそれぞれ、漫然と修正があったわけではなく、具体的な理由があります。「話を聞いていると、修正についてどれも納得できる理由がありますね」と片寄さん。詳細については実際の動画をご覧ください。
新人賞に受賞した際、「出版までに少しは描き直すだろうなと思っていたけれど、まさか全部とは……! とても大変でしたが、最終的に上がったもののクオリティを見たら、直してよかったです」とみやもとさん。
完成だと思ったものも、客観的な視点、編集者の視点で見直すと、もっとよりよくすべきための修正点はきっと出てきます。このセミナーを見て、ぜひ、いまお描きになっている作品を見直すヒントにしてくださいね。
このほか、片寄編集長からは、「講談社絵本新人賞」の作品で見ている点や、作品作りのヒントになる話もありましたので応募を考えている方は最後までぜひご覧ください。
チャットで質問コーナー

最後は、視聴者から事前にいただいたものやチャットで質問を受け付け、答えるコーナー。
「テキストを書くときに、どうしても長くなってしまいます。削るところと残すところ、どうやって意識されていますか?」
「ページの使い方や言葉の使い方で意識していることは?」
「絵本塾には行きましたか?」
「コンテストに何度応募しても思った結果が得られないとき、みやもとさんはどんなふうにモチベーションを保っていましたか?」
「海外展開を意識して作品作りをする際、気を付ける点は?」
など、多岐にわたる質問をいただきました。
みやもとさんと片寄編集長がどのように答えたのかはぜひ実際の動画でご覧いただけたらと思います。
参加者の声
受賞者と編集者のやりとりなど、なかなか知ることができないお話を伺えたので、貴重な内容でした。また、応募作と実際に絵本になったものとのBefore/Afterを見ることができたのも、大変興味深かったです。
もっと堅苦しいセミナーかと思っていましたが、作家さんに親近感を持つことができたのと、分かりやすい解説で絵本を作ることに前向きな気持ちになりました。とてもよいセミナーでした。
司会をされていた編集長さんが、いろいろと細かい話を引き出してくださり、作家さんの気持ち、編集さんの考えがよく伝わってきた。
セミナーのアーカイブ動画はご購入後すぐに視聴可能です!
セミナー動画は現在好評アーカイブ配信中。購入手続き後に、すぐにご覧いただけます。セミナー動画をフル視聴可能で、価格は2,200円(税込)。セミナー中に紹介した「台割PDF」も特典としてついてきます。
一度購入いただくと、2026年3月31日まで何度でも視聴可能なので、あなたの創作活動のヒントに、モチベーションUPにとぜひお役立てください。
みやもと かずあき
和歌山県生まれ。第44回講談社絵本新人賞受賞。絵本作家を目指して30年、60歳にして、ついに本作で念願のデビューを果たす。 男の子と女の子の双子育児の傍ら、「講談社フェーマススクールズ」「神戸ギャラリーヴィー絵話塾」で絵本制作を学んだ。受賞歴として第38回日産童話と絵本のグランプリ絵本の部優秀賞、第3回安城市新美南吉絵本大賞入賞など。 現在は、地元でベビー子ども服店を営みながら、みかんや野菜を少々作っている。
和歌山県生まれ。第44回講談社絵本新人賞受賞。絵本作家を目指して30年、60歳にして、ついに本作で念願のデビューを果たす。 男の子と女の子の双子育児の傍ら、「講談社フェーマススクールズ」「神戸ギャラリーヴィー絵話塾」で絵本制作を学んだ。受賞歴として第38回日産童話と絵本のグランプリ絵本の部優秀賞、第3回安城市新美南吉絵本大賞入賞など。 現在は、地元でベビー子ども服店を営みながら、みかんや野菜を少々作っている。