2021.06.02

はまぎしかなえの絵本『おじいちゃんの ふしぎなピアノ』制作日記

第38回 講談社絵本新人賞受賞からデビューまで 第1回「はじめまして」

※この記事は、講談社絵本通信(2017年1月)掲載の記事を再構成したものです。

はじめまして。このたび「ピアノ」で絵本新人賞をいただきました、はまぎしかなえです。あらためまして、選んでくださった選考委員の先生方、編集部の皆様、そして制作中お世話になった皆様やお祝いの言葉をくださった皆様、本当にありがとうございました。

8月に受賞の知らせを受け取ってからはや半年、ぽけーっと受賞の喜びに浸っていたせいで実はまだ全然ラフが完成していません!

う~ん、まずいぞこれは!

ようやく危機感が湧いてきて、いまやっとこさラフを終わらせようと必死になっています。(遅いデスネ!)そんな時期に始まったこの制作日誌では、リアルな焦り、危機感、はやる鼓動……そういった雰囲気を一緒に味わってもらえたらと思います。筆下手ではありますが、何卒夏頃の刊行までお付き合いいただけると幸いです。

さて、私はいまラフの手直しをしています。歴代の先輩方の制作日記を読んで、「ラフの手直し」なるものがある! ということは知っていたのですが、初めて担当の(エ)さん(第34回講談社絵本新人賞の種村さんと同じ編集者さんです!)と打ち合わせした時に、改めてその事実を再確認しました。

「おじいさんはどんな気持ちでピアノを弾いているのか」
「ページとページのつながりが見えない」
「おじいさんとピアノはどんな関係なのか」

などなどなどなど……!
叩けばホコリがでてくる(?)とはこの事か……! と思うほどツメの甘いところだらけでした。

特に難しいところは、ピアノを弾く事によって移り変わるおじいさんの心情を、決められたページ内でどう説得力をもって表すかという部分です。ページに合わせて場面展開を早めると気持ちの上下が激しくなりすぎ、かといって詳細に描写するとページが足りなくなり……

なかなかうまい解決策が見つからず、なんで主人公をおじいさんにしちゃったんだろう…おじいさんの気持ちがわからない……と心が折れかけることも。

うわ~~(エ)さん~~~! た、助けて~~~!
(注※(エ)さんには励ましてもらったり的確なアドバイスを頂いたりすでにめちゃくちゃ助けていただいてます……)

しかし「とにかくピアノを弾くのはおじいさんがいいんだ!」という気持ちと勢いで描きはじめた作品ですので、良くなるまで諦めずおじいさんとピアノに向き合あおうと思います。

『おじいちゃんの ふしぎなピアノ』のラフ

あと昨年末には、ラフの他にも年賀状という初めてのお仕事をいただきました! 酉 ×「ピアノ」というテーマで自由に描かせていただき、とても楽しかったです。素敵なデザインもしていただき、本物の年賀状となって手元に届いたときは、自分の絵が仕事になったんだなあと改めて嬉しく感じました。

2017年に作られた年賀状

「ピアノ」も刊行されたとき嬉しく思えるように頑張ります。
まずはラフを完成させるところからやるぞー!

こちらができあがった絵本です。

『おじいちゃんの ふしぎなピアノ』
作:はまぎしかなえ 講談社

はまぎし かなえ

1992年、福井県生まれ。絵本作家。
子どものころから絵やお話をかくのが好きで、
美術の仕事に就くことを志す。