カジサックの「戦略的」子育て「勉強嫌いが個性になる」「YouTube成功の秘訣」

登録者数238万人(2022年9月現在)を誇る大人気YouTuberで、5人の父であるカジサック(梶原雄太)さんに思春期の子育ての秘訣を聞きました!②

編集者・ライター:山口 真央

YouTube「カジサックの部屋」お馴染みの場所で、カジサック(梶原雄太)さんにお話を伺いました。
芸人からYouTuberに転身したキングコングのカジサック(梶原雄太)さんは、今や登録者数238万人(2022年9月現在)を誇る大人気YouTuber。

奥様のヨメサックさんや、5人のお子さん、芸人仲間と一緒に、たくさんの動画を配信しています。

今回は、中学生の父親となったカジサックさんが、お子さんのために努力していることや、YouTuberになりたいお子さんへのアドバイスを伺いました。

思春期の娘との「ちょうどいい距離感」を分析しました

──子育てするうえで気をつけていること、努力していることなど教えてください。

とにかく嫁と、子どものことについて話し合います。幼稚園から小学校、中学校にあがるタイミングなど、子どもたちが成長するにつれて、話すべきことがどんどん変わっていく。しかも1人目のやり方が、2人目、3人目に当てはまるとも限らないので、1人1人に合った育て方を相談しています。

長男の冬詩(とうじ)は15歳、長女の叶渚(かんな)は13歳です。叶渚は思春期に差しかかって、ちょっとずつ僕との距離が変わってきたと感じています。なので、進路や生活のことなどで言いたいことがあったら、伝えるのは全部、嫁に任せています。

でも、娘が話したいときにすっと話せるように、僕もちょうどいい距離感を保つ努力をしている。たとえばハイタッチはいいけど、帰ってきたときのハグはNGだなとか、娘が大丈夫な行動を自分なりに分析しています。何かあったときは娘が僕を頼れるように、僕から適度なアクションを起こし続けるようにしています。

──冬詩さんと叶渚さんは、もう中学生になったんですね! お子さんは、5人それぞれに個性があると思いますが、どんな大人に育ってほしいと考えていますか。

好きなことをして生きていってほしい。もし好きなことがなかったら、一緒に探して、見つけ出す自信があります。誰にでも好きなことがあって、それが生きていくための武器になると僕は考えています。

あとは、たくさん失敗しなさい、という言葉は伝えています。プライドの高い子は、失敗が苦手。次男の寅次郎(こじろう)もそのタイプです。そんなときは「ええやん、ええやん!」と元気に励ましたり、「その失敗があるから、次に生きるんだよ」と丁寧に伝えたり。そのときのテンションにあわせて声をかけています。

僕自身、失敗したこともたくさんあったけど、今はYouTubeの世界で活躍できていて、失敗はぜんぶ生きる糧になったと実感しています。子どもたちには失敗を恐れず、好きなことにどんどん挑戦してほしいです。

YouTuberの成功に必要なのは「研究」と「オリジナリティ」

5人のお子さんを育てるカジサックこと梶原雄太さん。お子さんが「夢」に出会ったとき、かけた言葉とは?
──長男・冬詩さんはYouTuberになりたいそうですね。どんなアドバイスをしていますか。

冬詩は今、中学3年生で、高校受験のタイミングなので、このあいだ勉強が好きかどうかを聞きました。そしたら嫌いだというので、なら僕は「勉強を無理してがんばらなくてもええ」と息子に言いました。

僕も勉強が苦手で、行ける高校に行ったという感じだった。でも高校で出会った友達がきっかけで、お笑い芸人になりました。今になって思うのは、勉強が苦手なことも「個性」だなと。勉強が嫌いだからと言って、息子を卑屈な気持ちにさせたくはなかったんです。

でも本当にやりたいことや、好きなことが見つかったときに、目標を達成するために勉強が必要なら、徹底的にやってほしいということは伝えました。勉強といっても、机に向かうことだけが勉強じゃありません。

YouTuberになりたいなら、友達をたくさんつくることや、部活やバイトなどをがんばって、たくさんの経験を積むことが大切。日常の行動や経験が、必ず未来のネタになります。
「勉強ができないことを卑屈に思わないでほしい」と語るカジサック(梶原雄太)さん。
──素敵なアドバイスですね! 最後に、YouTuberを目指しているお子さんに、成功する秘訣を教えてください。

まずはYouTubeをつかって、自分が何をやりたいのかを考える。そしたら自分がやりたいことをやっているYouTuberの動画をたくさん見て、どうやって動画をつくっているのか考えたり、いいところや悪いところを見つけたりして、研究してみてください。

次に、動画をつくる段階でのアドバイス。研究したYouTuberと同じことをやっても、成功することはできません。そこに自分の「オリジナル」を加えて、自分色に染めていくのが大事。

僕は上沼恵美子さんと陣内智則さんのしゃべりが大好きで、2人のことをめちゃくちゃ研究しました。でも、顔や体の動かし方で笑かすのは、僕の得意分野。それを2人の話し方にミックスして、僕独特の「しゃべり」を完成させました。

僕は今でも、YouTubeをたくさん見て研究しています。人生、行動したもん勝ち。YouTuberを目指したい人は、僕に負けないくらい研究してください。努力が実を結んで、いつか有名になったら、僕のYouTubeとコラボしましょう!
カジサック(梶原 雄太)
1980 年大阪府岸和田市生まれ。漫才コンビ・キングコングのボケ担当。相方は西野亮廣。吉本興業所属。「カジサック」として2018年10月1日Youtuberデビュー。カジサックの部屋に様々なジャンルのゲストの方を招きながら、バラエティに富んだ動画を配信している。登録者は238万人(2022年9月現在)を超える人気YouTuber。

カジサック初の自伝『家族。』が発売中!

自身のエッセイを手にするカジサックこと梶原雄太さん。
芸人からYouTuberに転身し、成功したカジサックこと梶原雄太さんの、初めての自伝的エッセイです。

YouTuberへの転身を決意した「水溜りボンド」との運命の出会いや、YouTubeで勝てると確信した理由、またYouTubeチャンネルの裏にある、綿密な戦略についても詳しく語っています。

また、タイトルにもなっている大事な「家族」のお話も充実。5人の子ども達と向き合ってたどり着いた「子育て論」から、貧しい幼少期を支えてくれたオカンの思い出、ヨメサックとの出会いなど、カジサックの人生すべてを語り尽くします!
『家族。』 著:カジサック(梶原雄太)/ダイヤモンド社 1540円(税込み)
写真/金 栄珠
取材・文/山口 真央
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やまぐち まお

山口 真央

編集者・ライター

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。