海におおわれた衛星エンケラドス

写真提供:NASA/JPL-Caltech


わたしたちの住む地球の外に、生命がいると思うとちょっとこわいけどワクワクしませんか。

エンケラドスは直径498kmほどの土星の氷の衛星です。月の直径3500kmと比べるととても小さいことがわかります。
NASA(アメリカ航空宇宙局)は、エンケラドスの表面の氷の下には、海が広がり星全体をおおっていることを発表しました。公転のときにわずかな揺れがあることで、岩石でつくられた中心部と氷の表面の間に海があることがわかりました。遠く太陽の光が届かないエンケラドスの氷の下でどうして海が凍らないのかは、まだくわしくはわかりません。

地球の生命の誕生と進化も海からはじまりました。生命の材料となった水や有機物がそろっていたからです。

エンケラドスの海には、地球とおなじように生命の材料がそろう環境があるらしいのです。海底から熱水が噴き出す、熱水噴出孔(ねっすいふんしゅつこう)と似た環境があるようなのです。そして、そこには微生物が繁殖(はんしょく)している可能性があると考えられています。

これまでに生命がいる可能性がある天体としては、火星をはじめ、木星の衛星エウロパ、土星の衛星タイタンのほかにも、いくつか考えられています。地球で水があるところに生命があるように、これらの天体でも水やその固体である氷があるとされているからです。
そのなかでも、エンケラドスは、生命がいる可能性がいま一番高い天体と考えられています。