「マクロス」シリーズはなぜ40年も支持され続けているのか?

三角関係、可変戦闘機、そして歌…時代に合わせて可変し続ける「マクロス」

テレビマガジン編集部

驚愕する可変戦闘機のリアル!

「マクロス」といえば、メカニックの可変戦闘機も大きな魅力の1つだ。実際の戦闘機と見まがうリアルなVF-1 バルキリーが、破綻なくロボット形態へのバトロイドへ変型するプロセスは、多くのファンに衝撃を与えた。

放送前にバルキリーそのものは公開されていたものの、「はたしてどのように変形するのか」は明かされていなかった。それだけにオープニング映像で、ファイターからガウォーク、そしてバトロイドに変形して戦うVF-1 バルキリーで「答え合わせ」を見せつけられたファンは、一発で魅了されてしまったのである。

とくに変形シーンはロボットアニメにとって見せ場であるため、玩具の販促的にはゆっくり見せて、見得きりのポーズで印象づけるのが定番だった。

だが、VF-1 バルキリーの変形は、あくまでメカニズムの機能の1つとして、ファイター、ガウォーク、バトロイドとシームレスに各形態に変形しながら戦うさまを、リアルに描いたのだ。

ロボットアニメの発明といえるVF-1 バルキリーだが、シリーズとしてこの形態に固執せず、作品ごとに新たな可変戦闘機が登場するのも驚きである。

VF-1 バルキリーにはじまり、『マクロスプラス』ではYF-19とYF-22、『マクロス7』ではファイヤーバルキリー、『マクロスゼロ』ではVF-0 フェニックス、『マクロスF』ではVF-25 メサイア、『マクロスΔ』ではVF-31 ジークフリードといった具合に、時代や映像表現に合わせて可変戦闘機はアップデートされてきた。

それだけに「次の『マクロス』では、どんな可変戦闘機が登場するのか?」という点も、ファンに期待感を抱かせるポイントになっているのだ。
ファイターからガウォーク、さらにバトロイドへと変形するオープニングは、バルキリーの魅力が凝縮されている。

歌は物語の重要な要素!

「マクロス」の魅力を語るうえで、多くの人が思い描くのは歌だ。「マクロス」における歌は、作品のテーマソングやイメージソングではなく、物語を構成する重要な要素のひとつ。

『超時空要塞マクロス』でいえば、ミンメイの歌は文化を持たないゼントラーディに衝撃を与え、最終的に星間戦争終結の決定打になっている。
歌で戦争を終わらせるきっかけを作ったミンメイ。
「歌で戦いを終わらせる」というだけではなく、歌は以降のシリーズでも物語をドライブさせるポイントとなっている。

『マクロスプラス』では洗脳の手段として、『マクロス7』では生態兵器プロトデビルンの切り札、『マクロスゼロ』では人類に滅びをもたらす恐るべきものとなり、『マクロスF』では宇宙生物バジュラとのコミュニケーションの手段に、そして『マクロスΔ』では奇病ヴァール・シンドロームを鎮める力となった。

物語の一要素として存在感を示してきた歌だが、そこに説得力が生まれなければ、劇中での効果は薄まってしまう。とくに歌には流行があり、時代のトレンドに敏感でなければならない。

そこで「マクロス」シリーズでは、80年代のアイドル、90年代のロックバンド、00年代の歌姫、10年代のグループアイドルなど、時代に合わせて流行歌を積極的に取り込んできた。

つねに流行歌を追うことは、新たなユーザー層に対しても「自分たちの世代の歌」という意識を抱かせ、「マクロス」の新陳代謝を促してきたのではないだろうか。
戦術音楽ユニット“ワルキューレ”は、歌で謎の奇病ヴァール・シンドロームを鎮める。
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