『ウルトラセブン』55周年! いまだ惹きつけてやまないセブンをもう一度!

『復刻版テレビマガジンデラックス 決定版 ウルトラセブン超百科』が30年超の時をへて再刊!

▲収録現場の貴重な写真を大きく掲載  ©円谷プロ PHOTO/講談社

意欲的なSF設定と人間ドラマ

「ウルトラマンシリーズ」の第3弾である『ウルトラセブン』は、今年2022年で放送開始から55周年。円谷プロダクションが初めて手掛けた特撮ドラマの『ウルトラQ』、そして初の巨大ヒーロー路線である『ウルトラマン』を制作した経験が縦横に活かされた。

そして、極めてクオリティの高いSF特撮シリーズとして成立。TBSで放送された「空想特撮シリーズ」の代表的な作品として世の中に認識されるに至っている。

そのため、ウルトラヒーローの始祖となるウルトラマンは別格として、そのシリーズにおける意欲的なSF設定と高品質の人間ドラマなどに裏打ちされているウルトラセブンの人気は常に高かった。
▲「セブン」ではドラマ性にも注目が集まり、最終話でクライマックスを迎えた  ©円谷プロ

新たな展開

そのような傾向は、『ウルトラマン80』のテレビ放送が終了して「ウルトラマンシリーズ」が下火になった1981年3月以降も同様であった。

そんな状況のなか、1984年になると、過去のシリーズのハイライト部分を編集した『ウルトラマンZOFFY』や児童層に人気が高いウルトラマンタロウの成長を旧作のフィルムと新規撮影にて描く『ウルトラマン物語』といった2本の劇場映画が矢継ぎ早に公開された。

また、1988年からはテレビ東京にて月~金曜日の5分間、名場面を編集した帯番組『ウルトラ怪獣大百科』や『ウルトラ怪獣大図鑑』などが放送されるようになっていく。

そして、海外へ

このようにウルトラマン人気が児童層に根づき始めたことを好機と捉え、かつてより制作が進められていたアメリカのハンナ・バーベラ・プロダクションとの合作長編アニメ『ウルトラマンUSA』の劇場公開が決まり、1989年のGWに「ウルトラマン大会」のプログラムで公開されることになった。

このように再び活況を呈するようになった「ウルトラマン」の最終目標はテレビシリーズの再開である。

これは1986年以降、『新ウルトラマン』として内容の変遷をもって企画作業が進められている。

しかし、1980年代後半の経済状況や社会状況は児童向け特撮ドラマのテレビ展開に向いてはおらず、円谷プロダクションは1988年に「新ウルトラマン」を当時の新しいメディアであったビデオリリースという方向にシフト。

海外の制作プロダクションとの提携によるウルトラマンが模索されていく。それが1989~1990年にオーストラリアにて制作された『ウルトラマンG(グレート)』である。そのリリースは1990年9月25日からとなる。
▲ウルトラマングレートの雄姿。ウルトラマンの人気は海外にも波及  ©円谷プロ PHOTO/講談社

『超百科』の三番手

以上のような経緯から、1990年はウルトラマンが、ヒーローキャラクターとしての地位を恒常的に安定化させた第一歩の年と考えても差し支えはあるまい。

奇しくも、超百科の刊行が始まったのも、この1990年の1月21日で、その第2巻である『ウルトラマン超百科』の出版から3ヵ月も経たない1990年8月5日、超百科シリーズの3冊目となる『ウルトラセブン超百科』が刊行された。

「ウルトラマンシリーズ」における『ウルトラセブン』の地位は盤石といってもいいほど強いわけなので、超百科の出版企画が本決まりになった時点で、『全ウルトラ戦士』と『ウルトラマン』『ウルトラセブン』を連続して発売することはほぼ決まっていた。

そんな『ウルトラセブン超百科』の構成内容は、シリーズであることを重視する意味もあり、先だって刊行された『ウルトラマン超百科』に準じたものになっている。

その誌面は『ウルトラマン超百科』と同じく、キャラクターのスペックを丁寧に細かく紹介しつつも、講談社が独自で撮影して、他社は保有していない放送当時のスチールを大きく、ふんだんに使ったものとなっている。
▲ページをまたいでの大胆なカット使いに注目

ウルトラ警備隊

そして、この『ウルトラセブン超百科』は、そんなヒーローニュアンスの部分だけではなく、『ウルトラセブン』に特有のドラマ性をバックアップしていたウルトラ警備隊の隊員たちにも一定の紙幅を割いており、そんなマニアックさもポイントと考えていた。

そのうえで、警備隊の活躍の源泉でもあるSFメカや超兵器などを紹介するスチールにも、できるだけクリアさを心がけているのである。

そのため、この本のビジュアル的なレベルは、1990年代初頭としては、かなり高いものであったと言えよう。

ウルトラマンレオを鍛える

そして、この一冊のさらなる特徴は、誌面における解説内容をテレビシリーズの『ウルトラセブン』のみに限定しなかった点にもある。

『帰ってきたウルトラマン』や『ウルトラマンレオ』などにおけるウルトラセブンやモロボシ・ダンの活躍なども紹介しており、近年注目をあびることになった怪獣ボール セブンガーもきちんと紹介しているので、そこにも注目していただきたいと考えている。

今、改めて『ウルトラセブン』を鑑賞してみると、ただ懐かしいだけではなく、少年時代には見えなかったドラマ性も見えてくる。また、後世に評価を得ることとなる先見性も見えてくる。

いまだ惹きつけてやまない「セブン」を、『超百科』でもう一度!
『復刻版テレビマガジンデラックス 決定版 ウルトラセブン超百科』定価:1650円(税込み)
©円谷プロ

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テレビマガジン編集部

日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 SNS:テレビマガジンX(旧Twitter) @tele_maga  SNS:テレビマガジンLINE@ @tvmg  記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『ボンボンアカデミー』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。

日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 SNS:テレビマガジンX(旧Twitter) @tele_maga  SNS:テレビマガジンLINE@ @tvmg  記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『ボンボンアカデミー』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。