安彦良和監督! 伝説のザクが新たなガンダムと共に映画で蘇る!

映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』を完全チェック!!

ザクの鼻が長い! 作画崩壊からはじまった伝説回!

「ククルス・ドアンの島」と言えば、ファーストガンダム世代にとっては忘れることができない伝説の回だ。

テレビシリーズを続けていく上で、メインストーリーを放送に間に合わせるためにどうしても「ストーリーに関係ない話」を差し込む必要があるのだが、「ククルス・ドアンの島」はこれにあたり、劇場版三部作でもカットされたエピソードである。

「ザクの鼻がいつもより長い!」等の作画崩壊によって「ククルス・ドアン=作画崩壊」と言われるまでの印象をファンに刻み込んだのだ。
印象深いドアン専用ザクは、ドアンが自身の手で修理を繰り返していたという設定のもと、テレビシリーズ放送当時の鼻の長さを再現している。  ©創通・サンライズ
高機動型ザクと比較すると、同じザクでも顔の印象が違うことがわかる。  ©創通・サンライズ
だが、ただ作画が崩壊していただけではこんなにも愛され、作画崩壊とまで言われたザクごと制作されることはなかっただろう。

そう、ドアンのザクは強いのだ!

これまで主役機であるガンダムの引き立て役であったザクが、守るべき者のために物語の主役として立ち回る姿は、当時視聴していた子どもたちには衝撃的だった。

作画は崩壊しているかもしれない。

しかし、それ以上に強く、ガンダムを差し置いて活躍するドアンのザクはかっこよかった!

その「子どもたちを守る強さ」が、「ククルス・ドアンの島」をいつまでもファンの心に焼き付けているのだろう。
地球連邦軍の量産機であるジムを相手に、圧倒的な強さをみせつけるドアンのザク。  ©創通・サンライズ

「こいつ動くぞ!」 THE ORIGIN版ガンダムがスクリーンに登場!

これまでに安彦良和氏が描いた『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』は、全13話でアニメ化もされている。

しかし、アニメ化されたのはテレビシリーズの前日譚にあたる部分となっているため、残念なことにガンダムの登場がないままに終わっている。

そのガンダムが、ついにその雄姿を見せるのだ!

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』版のガンダムは、サイド7で開発された前期型やジャブローで改修された中期型等、テレビ版とは形状や性能を変えている。

プラモデルではこの前期型と中期型を再現できるキットが「HG 1/144 RX-78-02 ガンダム(GUNDAM THE ORIGIN版)」として発売されているが、映像化はされていない。
輸送機ガンペリーから降り立つガンダム。その姿は、テレビシリーズ版の第1話を彷彿とさせる。  ©創通・サンライズ
テレビシリーズ版と明らかに異なるのは、両肩のデザイン。中期型への主な変更点として、ボディーユニットにコア・ポッドが組み込まれている。  ©創通・サンライズ
そんなORIGIN版の設定を基に今回「ククルス・ドアンの島」版としてデザインされた78ガンダムが、CG技術により、その緻密なデザインのまま大きなスクリーンで動き回るのだ。

ファンとしては、これを見ないわけにはいかないだろう。
夜の闇の中、二刀流で構えるビーム・サーベルの輝きがかっこいい!  ©創通・サンライズ

アムロは、孤島の小さな幸せを守るドアンに何を思う?

タイトルにもなっている「ククルス・ドアン」は、元ジオン公国軍の歴戦のMSパイロットであり、搭乗していたザクを持ち逃げした脱走兵である。

彼はある想いから子どもたちと共に孤島に住み、島に近づく地球連邦軍やジオン公国軍を、自分で補修・改修を繰り返しているザクで戦い、敵機を戦闘不能にしている。

これが「帰らずの島」である理由だった。
ククルス・ドアン(左)と、ドアンのことを気にかけているカーラ(右)  ©創通・サンライズ
ドアンに敗れ、ガンダムを隠されてしまったアムロは、彼が育てる子どもたちとの共同生活をすることになる。

宇宙規模の戦争の中の、小さな島のささやかな平和。元気いっぱいの子どもたちに、観客である我々も心が癒されるだろう。

これまでジオン軍に追われ、ホワイトベースという船の中で仲間と共に戦ってきたアムロは、子どもたちを守るために戦うドアンと小さな子どもたちとの関係に何を思うのか?
戦火を逃れ、島で自給自足をしている子どもたちは20人! マルコス(いちばん左)は、島にやってきたアムロに対抗心を燃やす。  ©創通・サンライズ
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