戦隊ロボに革命をおこせ! 開発者に聞いたDXドンオニタイジンの誕生秘話

初のフル可動戦隊ロボ DXドンオニタイジンの開発者に聞いてみた完成までの秘話と狙い

テレビマガジン編集部

全身フル可動のドンオニタイジン その狙い

それでは、ドンオニタイジンのお話を伺っていきたいのですが、戦隊ロボで関節可動が売りになるのは初めてだと思います。どういった狙いがあるのでしょうか。

鶴巻
今まで、我々の諸先輩方は対象年齢を想定した上で、関節の可動はしないといったデザインをしてきたんだと思います。そのアプローチの仕方が間違いであったとは全く思っていなくて、実際、僕も今5歳の男の子がいるのですが、ロボや変形玩具で遊ばせてみると確かに動きすぎると変形や合体がしにくくなると感じていました。

ただ、これはもう寺野さんと出会えたということが一番大きいと思いますが……。寺野さんはこれまでコレクターズの部署でバシバシ大人向けの商品を担当されていて、今までの子ども向け玩具にない考え方を持っている人でした。

それプラス、やはりここ最近のロボ玩具で、関節が動かないほうが逆に珍しいよっていう、ちょっと戦隊ロボが置いてきぼりにされている気もしていて。中国や韓国で展開している変形ロボ玩具なども、結構バシバシに動くものですし、あれぐらいをベンチマークしていかないと、「これからは物足りないよね」みたいなことを二人でよく話していました。

寺野
「合体ロボだから動かない」っていうのが、ある意味戦隊ロボの伝統でこれまで続いてきたところもあったんですけど、「本当に動きすぎると子どもは遊べないのかな」といった考えも少しあって。ただ、自分が子どものころどうだっただろうと振り返ってみると、すぐにはできなかったと思うんですが、それなりに手遊びで覚えていって、そのうちできるようになったという記憶がありました。

前作の「DXゼンカイオー ジュラガオーン」は仮面ライダーの変身ベルトのような、シチュエーションを楽しむようなことを変形合体でできないかという話でスタートしたんですけど、今回は関節の可動という方向で、今までやっていないことをやってみようというところが最初のスタートでした。

社内の反応はいかがでしたか?

寺野
バンダイでは、否定的な意見はなかったですね。どちらかというと関節可動を入れる都合も含めて、今回の「DXドンオニタイジン」はすごく大きいので、「でかっ!」いう話はかなり上がっていました。

鶴巻
プレックスではというと……、個人的には絶対に動くほうがいいと思っていたので、あまり周りの意見も聞かずバシバシ進めていって……(笑)。一発目の試作とかが出るころに徐々に情報を共有していきました。

今回のドンブラザーズは、やる前からもう「絶対に可動は良い! 今までみんなが見たことないようなものをやったほうが良い!」と強く思っていましたし、他の人から何を言われても、絶対これでいきたいという思いもありましたので、貫き通させていただきました。

今回の仕様にするに当たって、今までとは違った苦労はありましたか?

鶴巻
今回は設計とかデザインとか、そういう段取りの時点でも今までと違うアプローチをしています。

ざっくり言うと、普段はまずはプレックスのほうで紙に描いた玩具図面を、バンダイさんの設計チームにお渡しします。設計が終わり、試作ができた段階で、「図面確認会」といって、バンダイさんとプレックスでお互いに顔を合わせながら、擦り合わせて進めていく感じになるのですが……。

今回については、まず図面を描くことをやめました。寺野さんも携わっていたハイターゲット向けの商品は図面を描かずに、まずそのキャラクターが一番かっこいいと思う絵から理想の最終地点を決めます。そこから関節をどうしていこうかとか、変形都合はどうしていこうかっていう途中経過を突き詰めていくというやり方をしています。今回は、このハイターゲット向けの商品の作り方で進めていきました。

寺野
5体合体した上で関節可動させることが大前提にあったので、まず関節可動させるために必要なサイズがありました。鶴巻さんが言われたように、今まではおおよそのサイズ感をこちらで指定させてもらった上で図面を描いていただいて、その後バンダイの設計チームのほうで設計をするという形だったのですが、やっぱり図面から設計に入るタイミングで、例えば「ここにラチェット入れたいからこの外観はできないよ」みたいな話が結構上がるんですよね。

そのタイミングでいろいろと変わってしまうところもあって。致し方ないんですけど、本当だったらそこも決まった上で外観をデザインすればもっとかっこよくなるのになって思っていました。

ですので、今回は設計開始からの早い段階でプレックスさんにも入っていただきたかったし、早い段階でうちの設計チームからもフィードバックしたかった。そこで、これまでの座組みを一度崩して、双方がお互いの領域に踏み込みながら進めていきました。

頭部は上下左右の2軸可動となっており、上を向いたり顎を引くことも可能。 ©テレビ朝日・東映AG・東映

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