あの日、あの時、胸躍らせて目撃したのは何だったのか? 今回取り上げるのは「5月15日」(1966年)。
海底火山の噴火の取材をしに岩根島にやってきた由利子たち。しかし、漁師が網にかかった奇妙な物体を持ち帰ったことで、島民はラゴンに襲われる。さらに、巨大な地震が発生し、島は海に沈もうとしていた。ふたつの危機に見舞われた岩根島はどうなるのだろうか!?
岩根島で謎の物体が発見される
石井博士のもとにやってきたふたり。すると、石井博士は岩根島の調査をするため船を出すよう漁業組合長に訴えるが、漁業組合長はそれを拒否して口論になっていた。石井博士の妹、文子も兄の話を聞いてほしいと懇願するが、受け入れられない。
その後、文子たちは噴火の現場に行った漁師に声をかけられる。その漁師の網にはゼリー状の怪しげな物体がかかっていた。石井博士は、漁師に調べたらすぐに返すと言って、謎の物体を借り受けたのだった。
しかしその後、漁師が海でおぼれているところが発見される。漁師は救出されるが、「怪物……。怪物……。助けてくれ!」と何かに怯えていた。一方、ゼリー状の物体を調べた石井博士は、それが2億年くらい前に地球を支配していた海底原人 ラゴンの卵ではないかと推測した。
同じころ、島民たちが次々と謎の怪物に襲われる事件が発生。それは、ラゴンの仕業だった。そして、石井博士たちが目を離したすきに、何者かにラゴンの卵が盗まれる。しかし、石井博士は調査の目的はすでに達成されたと言う。
ラゴンは深海5000メートルに生息するため、深海1000メートルに火口のある海底火山の爆発により噴き上げられたものではなく、地殻変動によって本来は深いところから浅いところへ転がってきたと考えられた。論文で予告していた地殻変動が進んでいることの裏付けになったのだ。
そして、石井博士は岩根島が沈むまで、そう時間はかからないのではないかと告げる。