今泉 忠明
動物学者 日本動物科学研究所 所長
1944年生まれ。ほ乳動物学者。東京水産大学卒業後、国立科学博物館でほ乳類の分類を学ぶ。現在、静岡県伊東市にある「ねこの博物館」館長。『ざんねんないきもの事典』（高橋書店）をはじめ、著書、監修書多数。『MOVEまぼろしの生きもの』『MOVEはじめてのずかん みぢかないきもの』『MOVE危険生物 超クイズ図鑑』監修など。
女優・菅野美穂「母として悩みながらその都度『一番いいんじゃないか』を選択していく日々」「人生の転換点をチャンスに変えるには『余白』が大切」
女優・菅野美穂さん ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』インタビュー２
2023.10.19
ライター:小川 聖子
写真：大坪尚人（講談社写真映像部）
10代のころから数々の雑誌の表紙を飾り、その高い演技力や美しさはもちろん、自然体で朗らかな素顔でも、たくさんの人を魅了してきた女優・菅野美穂さん。
今夜、2023年10月19日よる９時 初回拡大SPでスタートのドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』（テレビ朝日系）ではなんと、“アラフィフのヒロイン”に挑戦。
鈴鹿央士、木戸大聖、宮澤エマ、白山乃愛、松岡茉優、志田未来、吉瀬美智子、田中哲司、三田佳子（以上敬称略）ら豪華出演者らと共演！
そんな菅野美穂さんに「Ane♡ひめ.net」がインタビュー。作品にかける思いとともに、現在ふたりの子を育てる母でもある菅野さんの毎日について、前後編でお届けします！
今夜、2023年10月19日よる９時 初回拡大SPでスタートのドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』（テレビ朝日系）ではなんと、“アラフィフのヒロイン”に挑戦。
鈴鹿央士、木戸大聖、宮澤エマ、白山乃愛、松岡茉優、志田未来、吉瀬美智子、田中哲司、三田佳子（以上敬称略）ら豪華出演者らと共演！
そんな菅野美穂さんに「Ane♡ひめ.net」がインタビュー。作品にかける思いとともに、現在ふたりの子を育てる母でもある菅野さんの毎日について、前後編でお届けします！
「デンと構えたお母さん」になると思っていたのに（笑）
──ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』で、主人公・伊沢ゆりあ役を演じる菅野さん。「ゆりあさんは、少しのことでは動じない、肝が据わった女性」と話す菅野さんですが、菅野さんご自身のイメージも、自然体で朗らか。似ているところもあるのではないでしょうか。
菅野さん：う～ん、それがそうでもなくて（笑）。「毎日明るく、ガハハと笑って……」というのは、確かにかつての自分のイメージだったと思います。
ですが、子どもを産んでからは自分でも驚くくらい小さなことが気になって、しかも気持ちの切り替えもうまくいかない……。ゆりあさんからしたら「そんなことで～？」というようなことで怒ってしまうことも。
「洗濯物に出した靴下、また裏返ったままだよ！」なんて（笑）。自分でもそんな些細なことを気にする人間だとは思わなかったですし、もっとおおらかに「小さなことは笑い飛ばして、デンと構えているお母さん」になるのかと思っていたのに、現実は違うんですよね（苦笑）。
一日中子どもの世話をして、夜寝かしつけるまでの時間を、とにかく必死に乗り切っている感じです。
菅野さん：う～ん、それがそうでもなくて（笑）。「毎日明るく、ガハハと笑って……」というのは、確かにかつての自分のイメージだったと思います。
ですが、子どもを産んでからは自分でも驚くくらい小さなことが気になって、しかも気持ちの切り替えもうまくいかない……。ゆりあさんからしたら「そんなことで～？」というようなことで怒ってしまうことも。
「洗濯物に出した靴下、また裏返ったままだよ！」なんて（笑）。自分でもそんな些細なことを気にする人間だとは思わなかったですし、もっとおおらかに「小さなことは笑い飛ばして、デンと構えているお母さん」になるのかと思っていたのに、現実は違うんですよね（苦笑）。
一日中子どもの世話をして、夜寝かしつけるまでの時間を、とにかく必死に乗り切っている感じです。
──理想どおりにならない育児は、『たのしい幼稚園』や『Ane♡ひめ.net』の読者はもちろん、子育て世代みんなの共通の悩みですね。
菅野さん：そうですね。ドラマのゆりあさんは、「自分はこうあるべき」という信条で生きる人。どうしようかなと迷ったときに、自分の喜びや感情より優先するものがあるというのはすごいことですよね。
「無理かな？」と思ったことも、自分の信条どおりに突き進む……ものすごく大変だからこそ、得られるものもあると思いますし、そんなゆりあさんはやっぱりカッコいいですよね。
一方私はといえば、正直そこまで強い信条があるわけではないのかもしれません。直面した問題には、そのとき、そのときで迷って、悩んで、「これが一番いいんじゃないかな」と思うことを選択してきて……その結果が「今」だと思っています。
菅野さん：そうですね。ドラマのゆりあさんは、「自分はこうあるべき」という信条で生きる人。どうしようかなと迷ったときに、自分の喜びや感情より優先するものがあるというのはすごいことですよね。
「無理かな？」と思ったことも、自分の信条どおりに突き進む……ものすごく大変だからこそ、得られるものもあると思いますし、そんなゆりあさんはやっぱりカッコいいですよね。
一方私はといえば、正直そこまで強い信条があるわけではないのかもしれません。直面した問題には、そのとき、そのときで迷って、悩んで、「これが一番いいんじゃないかな」と思うことを選択してきて……その結果が「今」だと思っています。
──どちらの生き方もありますよね。育児も多くのお母さんたちがその都度迷って迷って、取り組んでいることだと思います。
菅野さん：本当ですね。役者の仕事は、毎日違う場所に行って、いろいろな方との出会いがあって……と、刺激が強い面もあるのですが、育児は毎日同じようなことをコツコツと丁寧に、誰にほめられることがなくても続けていく仕事。
真逆といえば真逆のような作業ですが、だからなのか、私はどこか自分の人生をもう一度やり直しているような気もしてくるんです。
菅野さん：本当ですね。役者の仕事は、毎日違う場所に行って、いろいろな方との出会いがあって……と、刺激が強い面もあるのですが、育児は毎日同じようなことをコツコツと丁寧に、誰にほめられることがなくても続けていく仕事。
真逆といえば真逆のような作業ですが、だからなのか、私はどこか自分の人生をもう一度やり直しているような気もしてくるんです。
ピンチをチャンスに変えるには人生に「余白」を残しておくこと
──ゆりあの人生は、50歳を目前に思わぬ方向に動き出しました。ある意味、ピンチとも言えるような出来事を新たな人生への「転換点＝チャンス」にして乗り越えていくゆりあは、私たちにも励ましとなる存在です。長年第一線で活躍してきた菅野さんは、ピンチをチャンスに変えるには、どんな心構えが必要だと思いますか。
菅野さん：「運が開けるかも！」という良いチャンスなら、なんとなくわかる気がしますが、悪い出来事を「チャンス」とはなかなか思えないですよね。ただ、そんな事態に備えるためには、普段から自分の人生設計の中に、ちょっと『余白』を残しておく、ということが大事なのかと思います。
私たちは、病気になったときのために保険に入っておいたりしますよね。ちょうどそんな感じで、普段からいろいろ想像してみておくことは無駄ではない気がします。「もしも今、引っ越すことになったら？」「こんな土地に行けば、そこでの暮らしを楽しめるかも」というふうに。
自分の今の暮らしや状況を「絶対変わらないもの」「こうあるべきもの」と決めつけずに、たまには自由に想像してみる。そうやって人生が揺れても受け止められる『余白』を作っておくことが、結局はピンチをチャンスに変える力になってくれるのではないかと思います。
なんて言いつつ、今のところ私の育児にはそんな『余白』は全然ないのですが（笑）。やっぱり渦中にいるときはなかなか一歩引いた視点は持ちにくいですね。でも、ピンチはチャンス、いいじゃないですか（笑）！
そんなふうに考えて、お互い頑張って行けたらいいですね。
菅野さん：「運が開けるかも！」という良いチャンスなら、なんとなくわかる気がしますが、悪い出来事を「チャンス」とはなかなか思えないですよね。ただ、そんな事態に備えるためには、普段から自分の人生設計の中に、ちょっと『余白』を残しておく、ということが大事なのかと思います。
私たちは、病気になったときのために保険に入っておいたりしますよね。ちょうどそんな感じで、普段からいろいろ想像してみておくことは無駄ではない気がします。「もしも今、引っ越すことになったら？」「こんな土地に行けば、そこでの暮らしを楽しめるかも」というふうに。
自分の今の暮らしや状況を「絶対変わらないもの」「こうあるべきもの」と決めつけずに、たまには自由に想像してみる。そうやって人生が揺れても受け止められる『余白』を作っておくことが、結局はピンチをチャンスに変える力になってくれるのではないかと思います。
なんて言いつつ、今のところ私の育児にはそんな『余白』は全然ないのですが（笑）。やっぱり渦中にいるときはなかなか一歩引いた視点は持ちにくいですね。でも、ピンチはチャンス、いいじゃないですか（笑）！
そんなふうに考えて、お互い頑張って行けたらいいですね。
菅野美穂さんのインタビューは、2023年10月27日発売「たのしい幼稚園12・１月号」にも掲載されます！
たのしい幼稚園12・１月号
発売日：2023/10/27
定価：1480円（税込）
発売日：2023/10/27
定価：1480円（税込）
撮影／大坪尚人（講談社写真映像部） スタイリング／青木千加子 ヘア＆メイク／布野夕貴 取材・文／小川聖子
放送情報
『ゆりあ先生の赤い糸』
テレビ朝日系にて、2023年10月19日初日拡大スタート 毎週木曜21:00～21:54放送
出演：菅野美穂
原作：入江喜和『ゆりあ先生の赤い糸』（講談社）
脚本：橋部敦子
音楽：菅野祐悟
監督：金井紘、星野和成、竹園元
エグゼクティブプロデューサー：内山聖子（テレビ朝日）
プロデューサー：峰島あゆみ（テレビ朝日）、中込卓也（テレビ朝日）、山形亮介（KADOKAWA）、新井宏美（KADOKAWA）
制作協力：KADOKAWA
制作著作：テレビ朝日
PROFILE
菅野美穂
1977年８月22日生まれ。埼玉県出身。女優、タレント。1998年、ドラマ『君の手がささやいている』でエランドール賞新人賞第３回大賞を受賞。近年の出演作に『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』主演・水無瀬碧役、『DOCTORS～最強の名医～ファイナル 新春ドラマスペシャル』皆川琴美役ほか。2013年に結婚、現在２児の母でもある。
share
ブックマーク
