女優・黒島結菜『劇場版 シルバニアファミリー』フレア役で声優に初挑戦! ココの「深いセリフが刺さった」
『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』主演・フレア役黒島結菜さんインタビューVol.1
2023.11.21
ライター:山本 奈緒子
初の声優挑戦のこと、シルバニア村の美しい景色から思い出す故郷・沖縄のこと、そして映画の見どころなどを語ってくれました!
声のお仕事はダメかな、と諦めかけていた
黒島さん:声のお仕事はやったことがなかったので、オファーをいただいたときはびっくりしました。私で大丈夫かなって。
アニメ映画を観に行ったときは、いつも「声優さんてすごいな」と圧倒されていましたし、何度か声優のオーディションを受けたことがあるんですけど、なかなかお仕事に繫がりませんでした。多分ダメかなと思っていたのでびっくりしたんですけど、自分への挑戦だなと思ってやらせていただきました。
──実際の演技との違いなど感じられましたか?
黒島さん:やっぱり表情で伝えることができないので、すごく難しかったですね。なおかつ、5歳のウサギの女の子の役だったので、イメージができなくて。でも、どうしよう、どうしようとなりながらも、楽しくやらせていただきました。
──とくに、どういうところが大変でしたか?
黒島さん:フレアはすごく明るくて元気で素直な子。だから落ち込んでいてもすぐにパッと明るくなるようなところは気持ちを乗せていきやすかったです。逆に普通に会話しているシーンとか、失敗してしょんぼりしてしまうシーンとかは難しくて。テンションをおさえすぎて暗くなってしまいそうで、苦戦しましたね。
だから最終的に自分の声が入った完成作品を見たときは、「もっとこうすべきだったな」とか「ここは思ったより良かった」とか、いろいろ思うところがあって。まだまだ修行が必要だなと思いました。
「よく考えたほうがいいよ」というセリフにグサッ
黒島さん:完成した映画を観たとき、妹のクレムがかわいすぎてびっくりしました! 喋り方がとってもキュートで思わず笑ってしまうんですよ。村方乃々佳ちゃんが声を務めているんですけど、本当にクレムのイメージにぴったりです。
──映画を観て、印象的だったシーンについても教えていただけますか?
黒島さん:この映画は子ども向けの作品ではあるんですけど、ちょっとしたセリフに「けっこう深いな」と感じさせられるものが多いんですよ。個人的にはフレアの弟・ココが、お母さんへのプレゼントとしてお母さん自身の木彫りの人形を彫っていたときのシーンのときに、フレアはそれを見て、自分は何をあげようかなと考えるんですけど、そのときにココが「フレアもよく考えたほうがいいよ」というひと言を投げてきて、グサって。
「たしかに私、普段何も考えていないな」みたいな気持ちになったんです(笑)。そういう子どもならではのストレートなセリフって、シビアで面白いなって思いました。
映画を見て思い出した故郷・沖縄の景色
黒島さん:フレアが空に飛ばされるシーンがあるんですけど、そこから見る丘の上の景色がものすごく綺麗だったので行ってみたいですね。それこそフレアみたいにぐるぐる飛ばされて、着地してみたい。
──黒島さんの故郷・沖縄も自然豊かで美しいところだと思いますが、沖縄の景色とはまた違いますか?
黒島さん:そうですね、森に囲まれたシルバニア村と違って、沖縄はやっぱり海が近いので。実家の近くに、お気に入りの浜辺があるんです。何てことない浜辺なんですけど、ちょうど西側に位置しているので夕日が落ちていくのが見えて。
さらにそこを、飛行機が通るのも見えたりするんです。人も全然来なくて静かなので、沖縄に帰ったときは夕方になるといつもそこに行って、散歩したりボーッと空を眺めたり。地元すぎてずっと当たり前だと思っていたんですが、最近、「あ、これって贅沢な時間なんだな」と気づき始めたところです。
──東京では、そういった幸せを感じられる場所を見つられましたか?
黒島さん:自分の家のリビングです。テレビも置いていなくて、ソファと植物と、あと犬がいるだけ。そこではスマホを充電するのとかもやめて、コーヒーを飲みながら犬とだけ過ごすようにしていて。そうしたら、とても心が落ち着くんですよ。犬がピーピー寝ていて、その寝顔を見ているだけでも穏やかな気持ちになれます。
『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』
シルバニア村に、年に一度の星祭りが近づく中、ショコラウサギの女の子フレアはお悩み中。祭りの日はお母さんの誕生日なのに、プレゼントが思いつかないからです。しかもフレアは、祭りのメインイベントである「今年の木」を選ぶ責任重大な役にも指名されていて……。果たして、フレアが最後にたどり着いた最高の贈り物は……? この秋、世界のどこよりも幸せなシルバニア村をのぞいてみませんか?
2023年11月23日(木・祝)全国ロードショー
黒島結菜(くろしま・ゆいな)
1997年3月15日生まれ。沖縄県出身。中学3年のときに母の勧めで応募したコンテストで特別賞を受賞、芸能活動をスタートする。近年の出演作は映画『カツベン!』『明け方の若者たち』、ドラマ『クロサギ』(TBS)など。2022年にNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』のヒロインを務めた。
撮影/大坪尚人(講談社写真映像部)
ヘアメイク/加藤 恵
スタイリング/伊藤省吾