俳優・塩野瑛久がドラマ『天狗の台所』で体感した都会と田舎の2拠点生活の醍醐味「忘れられない味」とは?
BS-TBS 木曜ドラマ23『天狗の台所』愛宕有意役 塩野瑛久さんインタビューVol.1
2023.10.02
ライター:山口 真央
天狗の末裔である14歳の飯綱(いづな)オンが、同じく天狗の末裔で隠遁生活をする兄・基(もとい)のもとで、日本の豊かな自然や食生活を学ぶ、癒やしの兄弟物語です。
そんな『天狗の台所』のドラマがいよいよスタート。天狗の末裔でありながら、都会暮らしを楽しむ愛宕有意(あたごゆい)を演じるのは、塩野瑛久(しおのあきひさ)さん。2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』の出演も決定している、若手実力派俳優です。
インタビューVol.1では、ドラマ『天狗の台所』での役どころや撮影秘話、ドラマでもテーマになっている「食」について伺いました。
自然豊かな古民家で食べる茹でただけのじゃがいもやとうもろこしが忘れられないです。
塩野瑛久さん(以下塩野、敬称略):僕の演じた愛宕有意は、完全に隠遁生活を送る基とは違って、普段は都会で暮らすIT企業の会社員で、週末などを利用して天狗の集落で暮らすという、都会と田舎の2拠点生活を送るという役どころです。
実際にずっとロケ地で1ヵ月撮影していた飯綱基役の駒木根葵汰(こまぎねきいた)くんと、飯綱オン役の越山敬達(こしやまけいたつ)くんとは違い、僕も東京と行ったりきたりしていました。
道中は大変なのですが、古民家につくと「ああ来たなー」ってちょっとほっとして、また東京につくと「ああ帰ってきたなー」と思って、僕も劇中の有意のように「都会と田舎の2拠点生活」を送りました。
ですので、天狗役といっても、スタッフさんにいただいた「天狗」の資料は読みましたが、「天狗」を前面に出した特別の演技などはしていないです。ただ、古くからのしきたりのある家柄の一人として「背負ったものがある」という意識は強く持って演じていました。
塩野:基たちと一緒に暮らす犬の「むぎ」役の、「スピカ」がいたことが大きかったです。僕自身も犬を飼っているので、撮影の間も癒やされました。
ドラマでは飯綱基役の駒木根葵汰(こまぎねきいた)くんと、飯綱オン役の越山敬達(こしやまけいたつ)くんが、犬のむぎと話せる設定で、3人のうち僕だけが話せないという設定でした。少し寂しかったので、撮影の合間にはスピカとよく交流していました。
あとはやっぱり、食べるシーン。枝豆やトウモロコシをシンプルに調理して、素材そのままを味わいました。差し入れでいただいたじゃがいもも。
獲れたてで新鮮なせいか、茹でて塩をふっただけ、なのにどれも「こんなにおいしいのか」と思いました。あとは、周囲の環境が自然豊かだったこともあってか、すごくおいしく感じましたね。撮影が終わったあとも、食べている手がなかなか止められなかった。
あとは撮影で敬達くんとスイカを食べたら止まらなくなって、スイカのあまりのおいしさに、次の日も食べようと冷蔵庫にしまっておいたのですが、誰かに食べられてしまって。
犯人はやっぱり、おいしさを知っている敬達くんでした(笑)。間違えて食べてしまったそうですが、食べ盛りの14歳だから仕方ない。許してあげましょう。
塩野:実は僕は自称「家電大好き俳優」なのですが、おすすめしたいのが低温調理器です。鶏肉を60度ぐらいの温度で、2時間ぐらいかけて調理すると、ササミもしっとりした状態で食べられるんです!
いつもは節制のため揚げ物や白米も、あまり摂らないように気をつけているんですが、実は菓子パンが大好きで(笑)。あんパンとかメロンパンとか、クイニーアマンとか。
「今日はどうしても食べたい」って日に食べています。たまには、自分のことを甘やかしてあげる日も必要ですよね。
ドラマ『天狗の台所』
ニューヨークに住む14歳の飯綱オン(越山敬達)は、ある日、自分が天狗の末裔で、1年の隠遁生活が必要と告げられる。
オンは、兄・基(駒木根葵汰)が暮らす里で、しぶしぶ生活を始めることに。そこでオンを待っていたのは、豊かな農村の暮らしと、そして基のつくるおいしい料理の数々だった──。
徐々に心を通わせていく兄弟と、それを取り巻く、愛宕有意(塩野瑛久)をはじめとする愉快な人々との、ハートフルな「天狗」物語。
2023年10月5日木曜日 夜11時より、BS‐TBSにて放送。
塩野瑛久(しおのあきひさ)
1995年1月3日生まれ。東京都出身。劇団EXILEのメンバー。2013年「獣電戦隊キョウリュウジャー」に出演し、その後映画「HiGH & LOW THE WORST X」やドラマ「来世ではちゃんとします」シリーズ、「かしましめし」などが話題に。10月よりBS-TBS「天狗の台所」、読売テレビ「ブラックファミリア〜新堂家の復讐〜」が放送スタートとなる。また2024年NHK大河ドラマ『光る君へ』に一条天皇役で出演。
撮影/水野昭子(講談社写真映像部)
ヘアメイク/佐藤玲奈
スタイリスト/橋爪里佳