
ちょっとおんぶ
作:岩瀬 成子 絵:北見 葉胡 装丁:丸尾 靖子
ある日つきちゃんは地面のもりあがりにつまずいて転んでしまいます。すると、地面の中から「ちぇっ。」と小さい声が聞こえてきました
発売日 | 2025/04/23 |
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価格 | 定価:1,540円(本体1,400円) |
ISBN-13 | 9784065389522 |
判型 | 四六 |
ページ数 | 224ページ |
「ここはいやだとおもう気もち、わたし、ちょっとだけわかる。」野間児童文芸賞、小学館文学賞、産経児童出版文化賞大賞、IBBYオナーリスト賞など数々の賞を受賞する岩瀬成子氏の最新長編作品。
校舎を見上げると、二階の窓から女の子が体を半分のりだして、いまにも飛びおりようとしていた。またあの子だ。
〈あー〉
声にはださずにさけぶ。
〈飛んじゃだめ〉
髪に黄色いリボンをむすんでいるその子にむかってさけぶ。ーー
学校で、みんなのなかにまじりこんでいるとおもっていても、気がついたら、いつもみんなの外にいる。
校舎からでて、ふりむいた。そして、あの二階の窓を見あげた。窓はあいているけれど、あの女の子のすがたはなかった。
ーーー
「そんとき、いやだ、いやだ、いやだ、って声が体のなかからきこえたんだ。その言葉がわたしの体をぐるぐるまきにしているのがわかったの」
「ぼくね、中ちゃんのそういうとこ、うらやましいよ。ぼくだって、いやだなあっておもうことはあるよ。だけど、どうしても、いわれたとおりにしてしまうんだ」
本文より。
あらすじ
教室で「わかんない」といつも答えてしまうから学校で「わかんないちゃん」と呼ばれている少女の中はいつも学校の校門へ着くと、大きなため息をつく。
校舎をみあげると二階の窓から女の子が体をのりだして、いまにも飛び降りようとしているのだ。でも、目をつぶって二階をもう一度見ると窓はしまっている。
ある日、犯罪研究に興味があるという仲良しの幼馴染のセンくんから、近所であやしい動きをしている人を見つけ、中も一緒に見張り調査をすることに。
わからないことを抱えて生きる子ども達、大人達がそれぞれのいるべき場所と答えを探していく。
装画は日本絵本賞、講談社出版文化賞、ブラチスラバ世界絵本原画展金牌、オランダ銀の石筆賞など受賞の酒井駒子氏。
作:岩瀬 成子 絵:北見 葉胡 装丁:丸尾 靖子
ある日つきちゃんは地面のもりあがりにつまずいて転んでしまいます。すると、地面の中から「ちぇっ。」と小さい声が聞こえてきました
著:岩瀬 成子 絵:酒井 駒子
野間児童文芸賞、産経児童出版文化賞大賞など受賞作家が、母子家庭の子どもの貧困と孤独に真摯に向き合う感動作。江國香織氏絶賛!!
著:岩瀬 成子 イラスト・絵:酒井 駒子
小学五年のわたしは引っ越してきた町で、いつもと違う知らない道が気になり、ずっと先に白い花がさく家が見える路地へと入っていく。