
【中学受験伴走】「丸つけ」「スケジュール管理」…親がどこまで手伝う?〔人気塾講師が伝授〕
【中学受験伴走法】グノーブル山下先生に聞く、我が子に合う伴走の見つけ方(後編) (3/3) 1ページ目に戻る
2026.08.30
教育ジャーナリスト:佐野 倫子
スケジュール管理は「親が得意な仕事」
Q:伴走で親が最後まで担当してもよいことはありますか?
山下先生:「1週間全体のスケジュール」は、ぜひ保護者の方が最後まで管理してください。1週間のタスクをうまく塩梅して、「今日はこれ」「明日はこれ」と考えるのは、小学生にはかなり難しいこと。大人でも仕事のスケジュール管理は簡単ではありませんよね。計画だけ立てて、1週間終わってしまうこともあります。ここは親の出番だと思います。
では、スケジュール管理をしたうえで、「勉強しなさい」と言ってもいいのか、という問題についてですが、個人的な見解ですが、私は言ってもいいと思います。そこまでが親子の様式美というか、もうセットのお約束事だと思うんです。
親のほうが人生の先輩ですから、「外は寒いから上着を着たほうがいいよ」と声をかけるのと同じです。人生を重ねている分だけ先を読むことができる。勉強について声をかけるのも同じで、言わないことが正しいとは思いません。
もちろん、何を言ってもいいという意味ではありません。「ほら、またやってないじゃない」「そんな成績なら中学受験なんてする意味がない」など、子どもの存在や性格、頑張ったことを否定するような言葉は言語道断、逆効果です。
「そろそろ始めようか」「昨日の続きをやってみよう」という声かけをしましょう。そして本当に大切なのは、その先の声をかけたあとの反応を観察することです。
山下先生:例えば、半年前は素直に聞いてくれていたのが、最近は「うるさい、今やろうと思っていた!」と反抗してきた場合。「ああ、今はこの言い方が響かない時期なんだな、反抗期に足を踏み入れているな」など、子どもの成長がわかります。
そこからまたかかわり方を変えていくことができる。「勉強させるため」より「子どもの成長を知るため」の声かけだと思ってください。
幼いころは、「親が世界のすべて」です。でも成長すると、塾の先生や友達、先輩など、家庭の外にメンターができてきます。価値観を外から持ち帰るようになるんです。だから、「うちの親はわかってない」なんて言い始めることもあります。
親としては少し寂しく感じるかもしれません。でも、それは家庭の外へ世界を広げている証拠。子どもが成長しているからこそ起きる自然な変化なのだと考えると、「最近言うことを聞かない」と悲観しすぎなくてもいいのです。
観察して、実験して、最適化する
山下先生:入試直前期は、保護者の方は不安になりますよね。でも、その不安を解消するために子どもに働きかけを行ってしまうと、本来の目的がずれてしまいます。どんなかかわりでも、親の感情を落ち着かせることが目的ではなく、子どものパフォーマンスを上げることが目的であってほしいのです。
そういう境地にいれば、例えば入試終了後に出迎えたときに、自分の不安を解消したいが故の「試験、できた!?」という問いかけではなく、「よく頑張ったね!」という言葉になるはずですよ。
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伴走において、やっかいなのは親が正解を知っているわけではないこと。応援コーチのような役割のわりに、私たちも初めての経験だったり、どのように行動するのがいいのか確信がなかったりします。
だからこそ大切なのは、目の前のわが子をよく見て、試して、また考えること。そして、親自身も焦りや不安に振り回されず、子どもが力を発揮できる環境を整えることなのです。
「うちの子にはどんな勉強方法が合うだろう?」そう問い続け、トライアンドエラーを一緒に繰り返す姿勢こそが、「12歳の受験の伴走」なのだと、今回の取材を通して強く感じました。
撮影/日下部真紀
取材・文/佐野倫子
全2回の2回目
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「中学受験」が気になるけど、何から調べればいいの?
どの塾がうちの子に合うの? やっぱり大手がいいの?
算数は得意だけど、国語の記述問題が苦手。どうすればいい?
志望校選びは? 学校説明会は全部行ったほうがいいの?
子どもへの勉強の声かけの仕方がわからない!
6年生になったらやることばかり! 復習に手がまわらない!
「中学受験」伴走中の保護者の方の悩みはつきないもの。しかし、この1冊を読めば、全教科&学年別の伴走方法の仕方がわかります。

年々、過熱し続ける中学受験。本書『中学受験伴走力 親がすべきこと、知るべきこと』は、自身も中学受験伴走経験者である教育ジャーナリスト・佐野倫子が、令和の中学受験に本当に必要な「親の伴走力」について徹底取材。
中学受験のメリット・デメリット、志望校の選び方、大手塾のカリスマ講師が語る科目・学年別の学習の取り組み方、声のかけ方、親のお悩み解決方法、当日のタイムスケジュールや持ち物リスト、伴走を終えたリアルな体験談まで。伴走を後悔なく「完走」する方法をお届けします。
『中学受験伴走力 親がすべきこと、知るべきこと』の特色
①著者は「中学受験」も「中受伴走」も経験済み
自身も12歳のときに「中学受験」経験。また長男でしっかり「中学受験伴走」の「沼ハマり」も経験したママ教育ジャーナリストが執筆。各大手塾や、100以上の伴走済み家庭にリアル取材した結果、「伴走に本当に必要なもの」だけを誠実にお伝えします。
②「伴走」のキホンから教えます
情報が溢れる中学受験界。すべての家庭がいわゆる御三家や難関校を受験するわけではありません。我が家に合った「塾えらび」「志望校選び」「入塾後のサポート」を正しく知ることで、我が子に合った「中学受験」をすることができます。
③学年別・教科別に家庭学習の取り組み方がわかる
教科別に各大手・注目塾の専門講師の方々に学年別勉強法をリアル取材。「うちの子は算数が苦手」「社会のラストスパートはいつから?」など、教科・学年別に取り組み方を紹介。各家庭の得意・不得意に応じて、家庭学習の取り組み方がわかります。
④勉強だけじゃない! 親子のマインドセット術
「中学受験」は何年もかかって取り組む親子のチーム戦です。実際に勉強に取り組むのは子どもですが、なかには子どもの成績に親が切羽詰まり、チーム戦に綻びが出る家庭も……。そうならないためのマインドセット術や親に必要な「視点」を、大手カリスマ塾・人気家庭教師の講師の方々がお教えします。
⑤6年生のラストスパート! 直前期だけの特別な「伴走方法」を伝授
受験本番2ヵ月前。出願スケジュール、出願、子ども・親の持ち物、当日のタイムスケジュールなど、申し込みや準備しておくことは山ほどあります。そこで落ち着いて受験本番を迎えるために、著者から「直前期の伴走方法」をお伝えします。
中学受験伴走力 親がすべきこと、知るべきこと
〔目次〕
はじめに
第1章 中受の「本当のメリット」と沼にはまりすぎない方法
中学受験には「親の伴走力」が不可欠
お金の問題なしに中受は語れない
少子化なのに受験率が上昇するカラクリ
偏差値だけではない学校選び
第一志望校に合格しなくてもメリットがある!?
深みにはまる!? 中学受験「沼」の実態
「最後まで伸びる子」の親の特徴
「沼」にはまりすぎないための方法
第2章 伴走前に知っておきたい「キホンのキ」
情報収集の基本は「塾選び」「伴走ハウツー」「学校選び」
【塾選び】大手塾と中規模塾、どう違う?
【塾選び】首都圏大手4大塾の特徴と通塾の頻度
【塾選び】今勢いのある首都圏中規模塾&人気の個別指導・算数塾
【伴走ハウツー】低学年/ご家庭でやっておきたい5つのこと
【伴走ハウツー】高学年/入塾後の親のサポート方法
【学校選び】志望校を選ぶときの検討材料
【学校選び】学校説明会で見るべきポイント4
第3章 カリスマ講師に聞く! 科目別勉強法
【国語】小4からでも間に合う国語が得意になる方法
早稲田アカデミー 本多弘篤先生
低学年/会話や読書で言葉の下地を作っておく
4年生/「苦手はニセモノ?」4年生からでも得意に
5年生/記述問題、選択問題のトレーニング法
6年生/自分の持てる力を出すための時間配分を意識
【算数】センスよりも1日10分を続ける努力が勝つ
フォトン算数クラブ 武井信達先生
低学年/算数を得意にするためにご家庭でできること
低学年・4年生/「1日1問ノート」で記憶力を伸ばす
5年生/難しい問題よりも地道に解ける問題を増やす
5年生/「割合」「旅人算」「場合の数」「立体」の攻略法
6年生/復習と過去問の繰り返しで最後まで伸びる
【理科】知らないことを恥ずかしがらない子どもに育てる
グノーブル 上原佑先生、永井裕康先生、細川晃伸先生
低学年/「自然&体験」で器を広げておく
4年生/間違えることへのハードルを下げる
5年生/4分野、50単元の「バラバラ感」をイメージで克服する
6年生/復習半分・初見問題半分の「二刀流」で
6年生/第一志望の「枝葉」の前に「幹」を作る
【社会】日々の暮らし、マンガ、動画を入り口にする
ジーニアス 松本亘正先生
低学年/我が家のお米の銘柄が地理の学びに
低学年/歴史の入り口は、マンガでも動画でもよい
4~5年生/まず地理を学ぶことが歴史の手助けになる
4~5年生/社会が苦手な子は1.5倍速で復習動画を観る
6年生/基礎が定着していなくて焦ったときは?
6年生/ラストスパートはいつからかける?
6年生/過去問に取り組むのに最適な時期は?
理科・社会の受験勉強をラクにしてくれる著者オススメマンガ
理科が自然と好きになるオススメ3作
社会が自然と理解できるオススメ3作
第4章 合格する親子のマインドセット
【夏休み】つらいと言われる夏休み、親はどう乗り越える?
サピックス小学部 竹浪和伸先生
4年生/初めての夏期講習、親はどうサポート?
4年生/1学期の復習・積み残しはどうする?
4年生/体験させることを重視して
5年生/伸びる子に共通の特徴とは
5年生/切羽詰まりすぎの親が続出。まずは落ち着いて
5年生/ゲームとの付き合い方は?
6年生/勝負の夏に忘れてはいけないことは?
6年生/スケジュールは睡眠優先・翌朝に前日の復習を
6年生/夏休み後は子どもが別人のように変わる!
6年生/直前に伸びる子の特徴とは?
【個別学習塾】「個別指導塾」に学習設計をサポートしてもらう
個別指導・進学塾TOMAS 扇谷洋平先生
習い事と両立OKは「個別指導塾」ならではの強み
御三家狙い層の「集団塾の先取り学習」
「先取り学習」で目指す「焦らない受験」
個別指導では「生徒と先生の相性」が大切
中学受験は家族戦、親ができることは?
親に必要なのは「見守る勇気」と「策士の視点」
【家庭教師】1対1で相談できる家庭教師は親子の味方
オンライン家庭教師 小堀正博先生
「伴走の伴走」をしてくれる家庭教師
「ここが分からない」と伝えられる子は家庭教師向き
家庭教師は意外にお金がかからない?
オンラインの魅力は、リラックスして自宅で受けられること
大手塾との併用のポイントは「塾」優先
保護者のサポートの極意とは?
親がなんでもやりすぎない!
「中学受験に挑戦」自体が子どもの成功体験
【Q&A】保護者の“伴走あるある”
グノーブル 山下倫央先生
第5章 残り2ヵ月! 直前期の伴走方法は?
「これだけはやってほしい」塾講師が望むこと
中受伴走保護者が6年生後半時にやったこと
出願スケジュールを組むときのポイント
入試前の準備 受験当日の服装は?
入試前の準備 子どもの持ち物チェックリスト
入試前の準備 親の持ち物チェックリスト
前泊は子どものタイプを見極めて判断
受験当日に気を付けること
受験当日のハプニング
実録! 我が家の受験当日タイムスケジュール
第6章 中受伴走経験者たちのリアル体験談
強気すぎた併願戦略 3回連続不合格の顚末
第一志望が初戦になった悲劇
私立中高に6年間通うコストを考えて、都立を第一志望にしたけれど……
顔面蒼白!? 試験当日のやらかしエピソード
不合格だったとき、頭に浮かんだことは?
それでも親子で「これから」に目を向けよう
おわりに



































佐野 倫子
東京生まれ、早稲田大学卒。2025年4月から東京大学大学院情報学環教育部在学中。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57
東京生まれ、早稲田大学卒。2025年4月から東京大学大学院情報学環教育部在学中。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57