
【中学受験】追い詰められる親たちへ 外野の「批判」に惑わされずわが子を信じる「伴走法」
新刊『中学受験伴走力』から学ぶ! 合否を超えて親子の笑顔を守るヒント (2/4) 1ページ目に戻る
2026.10.30
教育ジャーナリスト:おおたとしまさ
80万円の夏期合宿報道で広がる波紋 過熱する中学受験批判の違和感
2026年の夏、ある学習塾が「34泊35日、総額80万円の勉強合宿」を行ったことを全国紙が報じた。
この記事がミスリードだった。この塾は、授業料がかからない公立中高一貫校対策を得意としている塾であって、こういっては申し訳ないが、いわゆる難関私立中高一貫校受験対策塾のメインプレーヤーではない。そのことが書かれていなかった。
SNS上で、「人権感覚が麻痺しているのではないか?」「そこまでしなければ合格できないのはおかしい」「高額な合宿に参加できる家庭とそうでない家庭との間で教育格差が広がる」などと、中学受験そのものに対するバッシングが巻き起こった。
いわゆる中学受験のトップ校に挑むような子どもたちが通う塾ではないのだから、この塾のこの合宿に参加しないとみんなが羨む難関私立中学に合格できないなんてことは断じてない。
むしろ過激な私立中学受験を回避するために、公立中高一貫校にターゲットを絞るご家庭がこの塾には多い。しかも、授業料無料の公立中高一貫校を狙うご家庭の多くは、わが子の教育に対して湯水のようにお金を使う富裕層ではない。
私に言わせれば、この合宿の本質は、次のようなところにある──。
子どもの教育費を捻出するために、夫婦で必死に共働きする。そのうえでさらに子どもの受験勉強に伴走してやらなければならない。疲れている。時間がない。
なのに、子どもの成績が上がらない。やる気が感じられない。隠れてゲームをやっている。つい怒鳴ってしまう。かわいいわが子を傷つけてしまう。自己嫌悪に陥る日々……。
夏休みを前にして、夫婦で顔を見合わせる。「さあ、どうする?」。子どもが夏休みでも会社は休めない。だったら「まるっとひと夏お願いしたほうが、家族みんながハッピーじゃない?」。話がまとまる。
──いわば、夏休みのアウトソーシングである。
毎日家でコツコツ勉強した子と、この合宿に参加した子とで、学力に大きな差が開くなんてこともあり得ない。
ただし、秋以降の不安が高まる時期に「あの夏合宿をやり切ったんだ!」という思い出が自分を支えてくれることはあるだろうとは思う。塾だって、その「通過儀礼」的な意味合いこそを本質的な目的にしているはずだ。
































