6年生でも「絵本しか読めない」…いま小学生に起きている「異常事態」とSAPIXが見つけた「それでも偏差値を上げるための答え」

Yondemy代表取締役の笹沼颯太氏インタビュー (2/3) 1ページ目に戻る

児童図書編集チーム

実はこの「読む力」というのは、国語だけではなく、算数、理科、社会にも波及し、全体の偏差値を底上げする。逆に言えば、読む力が弱いと、それだけで偏差値が下がっていってしまうのだ。

「中学受験でいま起きている問題は、単に国語が苦手という話ではありません。算数の文章題でも、理科や社会のテキストでも、そもそも文章が読めない。読む力が足りないから、学んだことを吸収できない子が増えているんです」

では、なぜ、いま子どもの「読む力」が落ちているのか。大きな原因とされているのが、ショート動画の存在だ。

「そもそも文章が読めない子どもが増えている」と語る株式会社Yondemy代表取締役の笹沼颯太氏
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「読書体力」の差が成績を分ける

YouTubeショートやTikTokなどの、短く、わかりやすく、そして刺激の強いコンテンツに慣れていると、ずっと受け身になってしまい「読む力」は育たない。

「ショート動画の怖さは、受け身でも楽しめてしまうことです。脈絡がなくても、刺激が強ければ見続けられる。子どもはそれに慣れていく。すると、長い文章を読む、前後の文脈を追う、知らない言葉を推測するという力を使う機会が減っていきます」

こうした趨勢(すうせい)の中、実は子どもの読書そのものも「ショート動画化」してしまっているという。

「統計などを見ると、読書冊数が増えているように見えるデータもあります。しかし、読書時間は減っている。そして、ページ数も減っているのです。つまり、短いものをパッと読んで終わっているだけで、長い文章を読み続ける力が落ちているんです」

実際、全国の小学生が「今まで読んだなかで1番好きな本」に投票する『小学生がえらぶ! “こどもの本”総選挙』では、2026年の4年生、5年生、6年生の1位が『りんごかもしれない』という絵本だ。

「6年生になっても、絵本が1位になってしまっている。これはまさに、子どもの読む力が落ちていることの証拠だと言えるでしょう」

大切なのは「何冊読んだか」ではないはずだ。そこでヨンデミーでは「何文字読んだか」を重視しているという。絵本を10冊読むことと、『ハリー・ポッター』のような長い物語を1冊読むことでは、読書の負荷がまったく違うからだ。

長い物語が読めず、絵本のような短いものしか読めない。そうした状況が続くと、語彙力が育たない。

そこで問題になるのが「9歳の壁」だ。

子どもに自然と本を読ませる方法がある
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