『放課後死体クラブ(仮題)』で国語力アップ! 現役塾講師が「物語の読み方」を伝授〔中学受験対策にも〕

ホラー好きの塾長が夢中になった ちょっと変わった友情物語~『放課後死体クラブ』(仮題)~ (2/3) 1ページ目に戻る

大手進学塾 現役教室長:akira

『放課後死体クラブ(仮題)』はどんなあらすじ?

主人公の内海ひよりは、教室ではいつもにこにこしている「ふつうの子」。クラスの人気者グループの一員で、本当はあまり興味のないアイドルの話にも、「見逃したぁ」と大げさに悔しがって合わせています。

そんなひよりが気になっているのが、窓際の席でいつもオカルトの本を読んでいる由木さん。クラスでは周りから距離を置かれている子です。

ある日、由木さんから、思いがけないお願いをされます。「演技を教えてほしい」。実はひよりには、小さいころ児童劇団で、ある“有名な役”を演じた過去がありました。中学では目立ちたくなくて、誰にも話していなかったのに……。

由木さんの目標は、映画の中で「カンペキに死ぬこと」。大好きなホラー映画監督の次回作で、完璧な死体役を演じたいのです。演技を教えてもらうかわりに、死体役のテクニックを教える──。そんな取引から、ふたりだけの秘密のクラブが始まります。

正反対に見えるふたりが共有する秘密の時間

ひよりは、周りの空気を読み、波風を立てないように笑顔で過ごしています。本当はホラーが大好きなのに、教室ではそのことを口にしません。

一方の由木さんは、周囲にどう見られるかより、自分の好きなものを大切にする子。人と群れず、好きなことには一直線。その突拍子もない行動に、ひよりは何度も驚かされます。

みんなに合わせるひよりと、合わせることを選ばない由木さん。正反対に見えるふたりが、死体クラブという“ふたりだけの場所”で、少しずつ近づいていく。それが、この物語の大きな魅力です。

〔死体役の練習が、こんなにおもしろいなんて!〕
「息をしていないように見せるには?」
「まばたきを我慢するには?」
「自然に倒れるには?」


ふたりは大まじめに練習します。真剣にやればやるほどおかしくて、読んでいて何度も吹き出しそうになりました。

秘密のクラブには、なんとハンドサインまであります。棺の中で眠る吸血鬼のようなポーズ。最初は恥ずかしがっていたひよりがどう変わるのかも、ぜひ読んで確かめてください。

章のタイトルも「クラスルーム・オブ・ザ・デッド」「貞子・イン・ザ・パーク」など、ホラー映画を思わせるものばかり。冒頭では、ひよりの妄想によって授業中の教室が突然ホラー映画の舞台に変わり、さっそく引き込まれます。怖さ一辺倒ではなく、思わず笑える場面がたくさんあります。

愛想笑いの裏にある中学生のリアルな葛藤

25 件