「周りの子はもうオムツが外れたのに、うちはまだ……」
「SNSを見ると、早くからトイトレを始めている人が多くて焦る!」
2歳を過ぎると、避けては通れないのが「トイレトレーニング(トイトレ)」。しかし、育児書やネットの情報に振り回され、焦って始めると、親子でボロボロになってしまうことも少なくありません。
そこで、教育系YouTube公式チャンネル「ボンボンアカデミー」のいっちー&なるが、親子が笑顔でステップアップできる「トイトレ」の極意を、武蔵小杉森のこどもクリニック院長・大熊喜彰先生にお伺いしました。
医学的な視点から見た「開始のサイン」や「自己肯定感を高める接し方」、そして意外と見落としがちな「環境設定」まで、今日から実践できるヒントが満載です。

「2歳になったら開始」はもう古い? 年齢ではなく「3つのサイン」で判断しよう
なる
ネットや育児書では「2歳」がひとつの目安として語られがち、と聞きました。実際のところを教えてください!
大熊先生:子どもの発達には大きな個人差がありますので、年齢で区切る必要はまったくありません。
むしろ、「何歳までに」と決めてしまうとその子自身も辛いですし、親御さんにとっても「リミットの決まっている仕事」のように追い詰められてしまいます。
まずは年齢という枠を取り払ってもらうのが、トイトレ成功への第一歩です。
また、季節によって進捗が変わることもありませんので、夏でも冬でも、その子のタイミングでスタートするのが良いでしょう。
では、具体的にいつ始めたら良いのでしょうか。大熊先生が提唱する「これがそろったらGO!」という3つの身体的・精神的なサインをご紹介します。
【サイン①】おむつが濡れていない時間(ドライタイム)が「2時間以上」ある
大熊先生:おしっこの間隔が2時間以上あくということは、膀胱(ぼうこう)がおしっこを溜めておけるくらい成長してきたという証拠です。
「最近、おむつが濡れていない時間が増えたな」と気づいたら、まずは「おしっこが溜められてすごいね!」とお子さんの体の成長をほめてあげましょう。
【サイン②】言葉でのコミュニケーション(意思疎通)ができる
大熊先生:「おしっこ」「うんち」「出た」「スッキリした」など、自分の感覚や要求を言葉や身振りで相手に伝えられることも目安になります。
ただし、言葉の発達が早いか遅いかも人それぞれ。年齢が2歳を過ぎていても、コミュニケーションがまだスムーズでなければ、焦る必要はありません。
【サイン③】自分でズボンやパンツの「上げ下げ」ができる
大熊先生:トイレに行くためには、ある程度自分で身の回りの動作ができる必要があります。衣服の着脱に興味を持ち、自分でやろうとする意欲が見られるかどうかも重要なポイントです。

アメリカでは「2歳半(生後30か月)」が目安。4歳でも全然OK!
大熊先生:上記の3つの条件が揃いはじめるのが、おおよそ2歳半(生後30か月)くらいです。それが日本ではいつの間にか「2歳になったら」と前倒しで言われるようになってしまったようです。
ちなみにアメリカなどでは「生後30か月ころ」が一般的な目安とされていますし、さらにそこから大きな個人差があります。
小児科の現場では、4歳でトイトレ中というお子さんも珍しくありません。
「2歳から遅れているから病気かも?」と不安になって来院される親御さんもいますが、僕ら医師からすれば「全然大丈夫、問題ない!」という感覚です。
いっちー
早く始めるメリットやエビデンス(医学的根拠)って、あるのでしょうか?
大熊先生:早く始めたほうが良いという医学的なエビデンスはありません。むしろ、体の機能が追いついていないのに早くスタートさせられた子どもは、「できないのに怒られる・親が悲しそうな顔をする」という経験を重ね、トイレ自体が嫌いになってしまいます。
また、言葉で「おしっこ」「出た」などと伝えられるようになるには、普段からの保護者の声がけ(インプット)が欠かせません。
無言でおむつを替えるのではなく、「おしっこが出てスッキリしたね」「さっぱりして気持ちがいいね」と、心地よさを言語化して伝えてあげることが、子どもの言葉のレッスンになり、ひいてはトイトレの土台へと繋がっていきます。
その上で、3つのサインが揃うのをゆっくりと待っていただければと思います。

































