進学の選択肢「通信制高校」 学費〜不登校対策まで 失敗しない選び方「4大ポイント」を専門家が徹底解説
認定NPO法人カタリバ代表理事・今村久美さんに聞く「通信制高校」 #3 ~学校の選び方~
2025.01.08
認定NPO法人カタリバ代表理事:今村 久美
自分の夢と学業の両立も
通信制高校の大きな特徴は、時間や場所にとらわれず、自分のペースで学習を進められることです。「目的意識がありプランが明確な人には、通信制高校は良い選択肢になる」と今村さん。
実際に、カタリバが開催したイベント「マイプロジェクト」に参加をした生徒の中には、次のような事例がありました。
「不登校になりがちだったある生徒が、『映画を撮りたい』という明確な目的を持って通信制高校に転校。学業と並行しながら映画制作に励んでいました。
高校生活は最終的に4年間となりましたが、卒業もでき、高校卒業の資格も取得。この生徒のように、明確な目標を持っている人にとって通信制高校は自分の将来に向けて選択肢を広げるものだと思います。
そして事例としてはまだ数は多くないものの、『起業したい』『スポーツに打ち込みたい』といった目的を持って通信制高校を選ぶケースも、徐々に増えています。通信制高校は、社会全体にとっても、ポジティブな変化をもたらす可能性があると感じています」(今村さん)
多彩な教育プログラムも
通信制高校の特に私立校では、多彩なプログラム(オプション)を提供することで、従来の学校教育の枠組みを越えた学びの機会を生徒に提供している学校もあります。今村さんはこうした通信制高校の取り組みについて次のように述べています。
「例えば、学校法人角川ドワンゴ学園のN高等学校・S高等学校では、『起業部』や『投資部』など、通常の学校では体験できない機会を提供しています。
こうしたチャレンジの機会を通じて、新しい学びや挑戦の場を提供することは、教育の可能性を広げるものであり、通信制ならではの良さだと言えるのではないでしょうか」(今村さん)