あさのあつこ×三浦しをん、20年ぶりの衝撃対談! 2人が「言葉で括れない関係」に見出した物語の秘宝とは

『NO.6 再会#3』刊行記念 スペシャル対談 前編

ライター:山口 真央

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あさのあつこさんが描くディストピア小説の、待望の続編「NO.6 再会」シリーズ。『NO.6 再会#3』の刊行を記念して、スペシャル対談が実現しました。お相手は植物研究から辞書編纂、駅伝まで、多彩なテーマを鮮やかに描き出す多才な作家・三浦しをんさん。

お二人が公式に対談するのは『あさのあつこ完全読本』(KAWADE夢ムック)での対談企画以来、実に20年ぶりのこと。時を経て再び相まみえたお二人が、物語の持つ力や創作の舞台裏を語り合います。

前編では三浦さんが「無条件に応援したくなった」と語る主人公・紫苑への思いや、二人が惹かれ続ける「定義できない関係性」の魅力について、縦横無尽に語り尽くします。

あさの「人と人の間には『秘宝』が隠されている」

あさの お久しぶりです。しをんさんと以前対談させていただいてから、もう20年経っているのですって! 「NO.6」シリーズを書き始めていたころで、しをんさんは熱心に読んでくださいましたよね。

三浦 わー、そんな前なのですか。驚きです。そうそう、「NO.6」シリーズは紫苑っていう名前の子が主人公で、嬉しかったんですよ。「しおん」っていう名前の登場人物は当時少なくて、無条件に応援したくなりました。読み進めるといろんな策謀が張り巡らされていて、没頭した記憶があります。紫苑とネズミの絶妙な関係にも夢中になりました。

あさの そういえば、20年前もお互い「同性の関係が好き」という話で盛り上がりました。しをんさんの作品『月魚』(KADOKAWA)に登場する男性ふたりも、胸を摑まれましたよ! 魅惑的な雰囲気が作中に漂っていて、ふたりとも色っぽくて。

三浦 ありがとうございます。この間どうしても読み返さなきゃいけない出来事があったのですが、顔から出た火で本を燃やし尽くしました(笑)。でもあのころから変わらず、言葉で言い表せない関係性を書きたいと思っています。友達、恋人、家族という言葉では括れない関係。きっと紫苑とネズミも、定義付けできない関係なのではないですか。

あさの おっしゃるとおりです。紫苑とネズミは私にとって、ずっと「わからない」関係。だからこそ追いかけたくなるんです。わからないことをテコにして、暴きたくなるといいますか。関係性に隠された秘宝がある感じがするんですよね。

三浦 わかります。私もその宝物が生じるのは数秒かもしれないけれど、その一瞬を書きたい、探し続けたいと思って書き続けています。

三浦しをんがいま取材したい「場所」とは?

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