「キリスト教」と聞くと、何を思い浮かべますか? 実はクリスマスやカレンダーなど、私たちの日常はキリスト教由来の文化であふれています。そんな教えが記された世界最大のベストセラー『聖書』は、「いつ、どこから読んでもいい」多彩なジャンルを網羅した本。
関西学院中学部で聖書科を担当する「ポン先生」こと福島旭先生によれば、キリスト教を知ると、見慣れた世界がガラリと変わって見えると言います。この記事では、福島先生の著書『Wonder! 目からウロコのキリスト教』の一部を抜粋し、日常や文化を形づくったキリスト教の驚きのエピソードや歴史を紐解いていきます。
今回は、「聖書が由来となったことば」についてお伝えします。
『Wonder! 目からウロコのキリスト教』
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本当に目からうろこが落ちた人、パウロ
聖書が由来の有名なことわざ、言葉
目からうろこ
正しくは「目からうろこが落ちる」と言い、ふとしたきっかけで急に物事の実態などがよくわかるようになった、という意味のことわざです。
このことわざは『使徒言行録』9章に出てくるエピソードが由来です。
熱心なユダヤ教徒のサウロという人物がキリスト教徒を迫害していたとき、突然、天から光が射し、(実在のイエスではなく)復活したイエスの声を聴いたことで目が見えなくなりました。
後日、サウロが視力を取り戻す描写があります。アナニアという弟子がイエス(主)の指示でサウロの上に手を置いたところ、「たちまち目からうろこのようなものが落ち、サウロは元どおり見えるようになった。そこで、身を起こして洗礼を受け、食事をして元気を取り戻した」(18〜19節)。
イエスを信じるようになったサウロにとって、世界はこれまでとは違って見えたはずです。
日本語にはこれと似た意味のことわざはあまりなく、この言い回しが多用されたために一般にも浸透したのでしょう。
その後、サウロはパウロと名を改め、世界へキリスト教を広めていきました。このように生き方さえも変えるほどのできごとを「回心」と呼びます。
新約聖書に出てくる手紙の多くはパウロが記したものです。パウロはキリスト教の成立と広がりには不可欠な人物と言えます。
豚に真珠
豚に真珠を与えても、豚はその価値を知らないのでムダだ、という意味のことわざです。
『マタイによる福音書』7章6節の「聖なるものを犬に与えてはならない。また、豚の前に真珠を投げてはならない」というイエスの教えからできたとされています。
聖書では「(真珠を投げられた)豚は、それを足で踏みつけ、犬は向き直って、あなたがたを引き裂くであろう」と語られているので、当時の豚や犬は凶暴な動物だったのでしょう。
西洋では「豚に真珠を投げるな」と動詞つきで使われていますが、日本では似たことわざの「猫に小判」「馬の耳に念仏」などのように省略して使われています。
砂上の楼閣
見た目は立派でも、砂の上につくられているために簡単に壊れてしまう、ということから、土台のしっかりしていない人格や信仰を表します。
「砂の上に自分の家を建てた愚かな人に似ている。雨が降り、川が溢れ、風が吹いてその家に打ちつけると、倒れて、その倒れ方がひどかった」(『マタイによる福音書』7章26~27節)
地の塩
イエスの時代、塩は貴重品でした。腐敗を防ぐ塩のように、神を信じる者は社会や人々の役に立つべきだという教えを表します。
「あなたがたは地の塩である。だが、塩に塩気がなくなれば、その塩は何によって塩味が付けられようか。もはや、塩としての力を失い、外に投げ捨てられ、人々に踏みつけられるだけである」(『マタイによる福音書』5章13節)
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谷口 雅美
兵庫県尼崎市出身、神戸女学院大学卒業。第44 回創作ラジオドラマ大賞と第58 回講談社児童文学新人賞でそれぞれ佳作に入選。著書は『大坂オナラ草紙』『私立五芒高校 恋する幽霊部員たち』『わたしのカレーな夏休み』『殿、恐れながらブラックでござる』(全て講談社)など。戯曲やラジオドラマの脚本も執筆。
兵庫県尼崎市出身、神戸女学院大学卒業。第44 回創作ラジオドラマ大賞と第58 回講談社児童文学新人賞でそれぞれ佳作に入選。著書は『大坂オナラ草紙』『私立五芒高校 恋する幽霊部員たち』『わたしのカレーな夏休み』『殿、恐れながらブラックでござる』(全て講談社)など。戯曲やラジオドラマの脚本も執筆。






































福島 旭
京都市出身。関西学院大学大学院修了後、島根、広島で牧師および幼稚園園長を務め、現在は関西学院中学部宗教主事・人権教育主任・教諭、関西学院会館宗教主事、関西学院大学講師。冠句作家。保護司。琉球音楽ユニット“Sari Sari Moon” のギター& ボーカル担当。著書『GOODNEWS ~新約聖書』、『EXODUS ~旧約聖書』( 共に新教出版社) 他。
京都市出身。関西学院大学大学院修了後、島根、広島で牧師および幼稚園園長を務め、現在は関西学院中学部宗教主事・人権教育主任・教諭、関西学院会館宗教主事、関西学院大学講師。冠句作家。保護司。琉球音楽ユニット“Sari Sari Moon” のギター& ボーカル担当。著書『GOODNEWS ~新約聖書』、『EXODUS ~旧約聖書』( 共に新教出版社) 他。