【11~12歳】児童期から思春期へ移行する「小学校高学年」にピッタリな絵本 国立小・元司書教諭が厳選

【絵本でことばを育んだり心を耕したりすることで、国語力の素地を養う#7】親子で一緒に楽しむことから始まる読書習慣

子どもが悩んでいたり、不安やいらだちを感じたりしているときは、そっと寄り添いながら、大好きな絵本を読み聞かせてあげてください 写真:Paylessimages/イメージマート
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小学校高学年になると、習い事や友達との時間などが増えて、親子での時間が少なくなっていると感じることもあるでしょう。そんなときは、ぜひ、絵本の読み聞かせを楽しんでみてください。

小さい頃を思い出し大好きな絵本を一緒に読んだり、少し難しいテーマの絵本を選んで一緒に読んだりするのもよいでしょう。絵本が、親子のコミュニケーションを深めてくれます。

そこで今回は、11~12歳の子どもたちに向けた絵本と、その選び方を紹介します。児童期から思春期へ移行する「小学校高学年」にピッタリな絵本を京都女子大学准教授の齊藤先生に教えてもらいました。

◆齊藤和貴(さいとうかずたか)
京都女子大学発達教育学部教育学科准教授。東京都公立小学校および東京学芸大附属小金井小学校にて28年間、教育活動や授業実践に取り組んできた経験を持つ。司書教諭の経験を生かし、「絵本を活用した授業づくり」にも精力的に従事。著書に『豊かな心と思考力を育む 絵本で広がる小学校の授業づくり』(小学館)などがある。

※7回目/全7回(#1を読む#2を読む#3を読む#4を読む#5を読む#6を読む)(公開日までリンク無効)

児童期から思春期へ移行する「小学校高学年」の絵本選びのポイント

高学年になると、親子での読み聞かせの頻度はぐっと少なくなっているのではないでしょうか。残念なことではありますが、子どもの成長の表れでもあるので、受け入れなければなりません。

「それでも、毎日ではないにしても、『一緒に絵本読もうか!』『図書館でこんな絵本見つけたんだけど、一緒に読んでみない?』というような会話から、誘ってみてはどうでしょうか? 

読み聞かせという形式にこだわらず、親子読書で時間の共有や読んだ感想を伝え合うだけでも十分に意義深いと思います。

子どもが悩んでいたり、不安やいらだちを感じたりしているようでしたら、そっと子どもの横に座って読み聞かせを始めてみるという誘い方もあります。

黙って立ち去ってしまうかもしれませんが、もしその場に留まって耳を傾けてくれたら『ラッキー!』ぐらいの感覚でもいいでしょう。

高学年では、身近な題材から離れ、少し哲学的なテーマを含んだ絵本をすすめたり選んであげたりするのもよいでしょう。

自我が強くなり、自分の生き方や人生について悩み、考えはじめる時期でもあります。ちょっとしたことで自信をなくしたり、自己肯定感を下げたりもします。ですから、子どもたちが悩んでいることや不安に感じていることへのヒントになるような絵本もいいですね。

もしかしたら、そのようなときには、人生を考えさせてくれる絵本ではなくて、小さいときに読んだお気に入りの絵本やほっとするような絵本が、一番効くのかもしれません。

絵本には、自分自身で疑問や悩みに向き合い、考え、ヒントを与えてくれる作品がたくさんあります。絵本は、自分自身を見つけ、自分の成長に気づかせ、生きる勇気と力を与えてくれます。

将来大人になり、親になったとき、自分の子どもにも「絵本を大事にさせよう」としてくれるでしょう。絵本は時代を超えて、世代を超えて、時間を超えて私たちの人生を豊かにしてくれます。そんな子どもたちに育ってほしいからこそ、絵本を大切にしたいですね」(齊藤先生)

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