「進まない焦り」を解消するコツ:比べるなら「昨日の我が子」
なる
トイトレが順調に進む子と、なかなか進まない子の違いってあるのでしょうか? 教えてください!
大熊先生:おしっこやうんちをコントロールする能力には、内臓(臓器)の大きさ、神経の発達、そしてホルモンの分泌など、目に見えないさまざまな体内機能が複雑に関わっています。
これらは外側から見えないため、どうしても「やる気」の問題にされがちですが、純粋に体の成熟スピードの差なのです。
それでも多くの子どもたちが小学校に上がるころには自然とできるようになりますので、周りの子と比べる必要はありません。比べることで生まれるのは不幸だけ。もし比べるのであれば、「昨日の我が子」と比べてあげてください。
⚫「昨日まではトイレに誘っても嫌がったのに、今日は行けた」
⚫「座るだけだったけれど、楽しそうにしていた」
そんな「小さな一歩」を喜ぶことが、親の心の安定にも繋がります。
いっちー
トイレトレーニングでは、親のほうが、つい焦ったり、イライラしてしまうことも多いですよね…
大熊先生:親の焦りが子どもに伝わると、子どもの自尊心(自己肯定感)が下がり、かえってトイトレが後退(退行)してしまうというエビデンスがあります。
子どもだって、悪気があって漏らしているわけではありません。それでも「親が悲しそうな顔をしている」「怒っている」と感じると子どもは、「自分が悪いのかな」と罪悪感を抱き、それがストレスになって余計に排泄がうまくいかなくなるという悪循環に陥ります。
しかし、過去に「つい大きな声を出して驚かせてしまった」「失敗したときにネガティブな反応をしてしまった」という経験があっても、落ち込みすぎる必要はありません。
親も人間ですから、完璧にはコントロールできないものです。 時間はかかっても、少しずつポジティブな記憶で上書きしていけばリカバーできます。トイトレは、子どもだけでなく「親のコントロールのトレーニング」でもあるのです。
おしっこはできるのに、うんちはトイレでできない!?
なる
トイトレ「あるある」の筆頭が、「おしっこはトイレでできるのに、うんちはおむつでないとできない」問題。なぜ、うんちの方がハードルが高いのでしょうか?
大熊先生:端的に言うと、うんちを出すという行為は、お腹にぐっと「力を込める(いきむ)」作業でありながら、出口である「肛門は緩める」という、相反する動作を同時に行う高度なテクニックなのです。
言ってみれば、おしっこよりもやや難易度が高い。ですから、僕はうんちが先にできるようになったという話は聞いたことがありません。
また、子どもがうんちに対して恐怖心やネガティブなイメージ(トラウマ)を持ってしまう大きな原因に「便秘」があります。
【うんちができない悪循環】
うんちが硬くて出すのが大変!(お尻が切れることも)
↓
「うんち=痛くて怖いもの」と認識する
↓
トイレに行くのが嫌で、がまんする
↓
さらにうんちが硬くなり、もっと痛くなる(ダークサイドへ…)
一度この恐怖のループ(ダークサイド)に入り込んでしまうと、子どもは「うんちは出ない」と嘘をついてまでがまんするようになってしまいます。

トイトレを始める前に、まずは「便秘の解消」を!
大熊先生:もし1歳前後でお子さんのうんちが硬く、出すのに何十分もかかっていたり、コロコロの状態だったりするようなら、トイトレの前にまずは小児科を受診し、便秘をしっかりと治してあげてください。
大人の便秘は根深いですが、子どもの場合は成長に伴って体が大きくなり、腸が太くなり、運動量が増え、水分摂取や食物繊維の摂取が増えることで、成長とともに治っていく可能性が期待できます。
病院でお薬を処方してもらい、「うんちがスルスルとラクに出る心地よさ」を経験させてあげる。きちんと「土台」を整えることが、結果的にうんちのトイトレの近道になります。

































