「赤ちゃんの便秘」 受診のチェックポイントとケア方法を小児科医が解説

「0・1歳児の赤ちゃんのホームケア」#1「便秘」

小児科専門医・アレルギー専門医:岡本 光宏

家庭でできる4つのケア

赤ちゃんが便秘のときに、家庭でできる4つのケアの方法を紹介します。

【1】「の」の字マッサージ(朝起きたとき、お風呂上がり)
お腹が少しへこむくらいの強さで「の」の字を書くようにマッサージをしてから、足を前後に動かします。赤ちゃんの両足を持って、ゆっくりと前後に動かすとよいでしょう。

イラスト/オヨネ
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【2】軽い運動をする
「抱っこをする」「座らせてから足を前に動かす」など、動作や体の向きを変えて、腸の動きを活発にしたり、赤ちゃんの両足を持って、ゆっくりと前後に動かすとよいでしょう。また、腹ばいにして、お腹に刺激を与えるのも効果があります。

【3】食物繊維の摂取
離乳食以降の場合は、食物繊維の摂るようにしましょう。とくに、さつまいも、りんご、バナナなどの食物繊維が多い食材がおすすめです。

【4】浣腸をする
・1歳未満…ワセリンやベビーオイルなどをつけた綿棒を肛門に1~2cmほど入れて刺激する「綿棒浣腸」をしましょう。
・1歳以上…市販の浣腸を使用してもOKです。

「浣腸をした後もお腹を痛がっている場合は、虫垂炎や腸重積症など便秘でない可能性もあるので、小児科を受診しましょう」(岡本先生)

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受診の目安がわかれば、お腹の調子が悪いときに、受診か家庭でのケアでよいのか切り替えるなどの判断ができますよね。

とはいえ、「赤ちゃんの様子やうんちの状態が“様子見に当てはまるけど、なんとなく気がかり”」と感じたら、すぐかかりつけ医へ。毎日赤ちゃんを見ているママパパの判断ももちろん大切です。受診の目安はあくまで参考にしてくださいね。

赤ちゃんのホームケア連載、次回2回目は、赤ちゃんの「下痢」についてお届けします。

取材・文/畑菜穂子

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おかもと みつひろ

岡本 光宏

小児科専門医・アレルギー専門医

おかもと小児科・アレルギー科院長。日本小児科学会小児科専門医、認定小児科指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床研修指導医、日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法インストラクター、アメリカ心臓協会小児二次救命処置法インストラクター。 2009年奈良県立医科大学部卒業。同年神戸大学大学院医学研究科小児科学分野に入局。姫路赤十字病院、明石医療センターを経て、2019年より兵庫県立丹波医療センター 小児科医長。 2023年7月、兵庫県三田市で「おかもと小児科・アレルギー科」を開院。新生児から思春期の心の疾患まで幅広く診察している。3児の父として、子育てにも積極的に関わる。 著書に『研修医24人が選ぶ小児科ベストクエスチョン』(中外医学社)、『小児科ファーストタッチ』(じほう)など。 サイト「笑顔が好き」 https://pediatrics.bz/

おかもと小児科・アレルギー科院長。日本小児科学会小児科専門医、認定小児科指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床研修指導医、日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法インストラクター、アメリカ心臓協会小児二次救命処置法インストラクター。 2009年奈良県立医科大学部卒業。同年神戸大学大学院医学研究科小児科学分野に入局。姫路赤十字病院、明石医療センターを経て、2019年より兵庫県立丹波医療センター 小児科医長。 2023年7月、兵庫県三田市で「おかもと小児科・アレルギー科」を開院。新生児から思春期の心の疾患まで幅広く診察している。3児の父として、子育てにも積極的に関わる。 著書に『研修医24人が選ぶ小児科ベストクエスチョン』(中外医学社)、『小児科ファーストタッチ』(じほう)など。 サイト「笑顔が好き」 https://pediatrics.bz/

はた なおこ

畑 菜穂子

ライター

1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona

1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona