
赤ちゃんのやけど 「目・鼻・口・のど・性器」をやけどしたらすぐ受診! 小児科専門医が解説
「0・1歳児の赤ちゃんのホームケア」#11 「やけど」
2025.04.23
小児科専門医・アレルギー専門医:岡本 光宏

赤ちゃんのホームケア連載。連載の最後となる11回目は、やけど編です。
ママパパが一緒にいても、加湿器や、熱い汁物などで、家のなかでやけどをしてしまうことがあります。とっさの対応や注意点を知っておくと、慌てずに対処できるでしょう。
家庭での対応、受診の目安などを「おかもと小児科・アレルギー科」院長・岡本光宏先生にお聞きしました。
「子どもの医療・健康」がテーマの記事は、当サイト「講談社コクリコ」で定めた指針に基づき、専門家・有識者に取材し、掲載しています。詳しくは「子どもの医療」記事:取材・掲載の指針ページをご覧ください。
(全11回の11回目。#1「便秘」、#2「下痢」、#3「発熱」、#4「服薬」、#5「鼻水・鼻づまり」、
#6「嘔吐」、#7「食欲がない」、#8「家の中の危ない場所」、#9「溺水・打撲・誤飲」、#10「切り傷・すり傷」)

ホットカーペットやカイロにも注意を
赤ちゃんの皮膚は、大人と比べて薄くデリケートです。汁物や麺類のつゆによるやけどに加え、ホットカーペットやカイロによる低温やけどにも注意が必要です。
やけどは、下記の3段階に分類されます。
Ⅰ度…皮膚が赤くなり、ヒリヒリする
Ⅱ度…やけどが真皮細胞まで及んだ状態。水ぶくれができたり、痛みを生じたりする
Ⅲ度…皮膚のすべてがダメージを受けている状態。皮膚は白っぽくなったり、こげたような状態になったりする。痛みを感じる神経が損傷されることで、痛みを感じにくくなる
【すぐに行うこと】
・流水で患部を20分以上冷やす。15度以上の通常の水道水の温度でOK。自宅の場合はシャワーを使う
・全身、またはやけどの範囲が広い場合…濡らしたバスタオルで患部をくるみ、その上から乾いたバスタオルや毛布を巻いて保温する
・頭や顔など流水を当てられない部位の場合…おしぼりで冷やす

〈注意したいポイント〉
・洋服の上からやけどして皮膚に服がはりついている場合は、無理に脱がせずに服の上から冷やす
・水ぶくれは、やぶれると細菌が入る可能性があるため、できてもつぶさない。
・受診する場合は、清潔なタオルやガーゼで保護した状態で行く
・細菌感染を起こし、悪化するケースがあるため、患部に味噌やアロエの葉などをぬるといった民間療法を施さない
「流水で冷やすのが難しい場合は、タオルやガーゼを水道水で濡らしたものを使ってもいいです。その場合、タオルやガーゼが温まらないように頻繁に交換しましょう」(岡本先生)