赤ちゃんのやけど 「目・鼻・口・のど・性器」をやけどしたらすぐ受診! 小児科専門医が解説

「0・1歳児の赤ちゃんのホームケア」#11 「やけど」

小児科専門医・アレルギー専門医:岡本 光宏

のどをやけどした場合はすぐに救急車を

イラスト/オヨネ
すべての画像を見る(全5枚)

やけどの状態や場所によって、緊急性は異なります。ポイントを押さえておき、すぐに対応できるようにするといいでしょう。

〈小児科を受診〉
・水ぶくれができた
・やけどの面積は小さい(500円玉より小さい)が、冷やしても赤みがひかない
・やけどの範囲は狭いが、痛がっている

〈時間外でも急いで受診を〉
・患部に衣服がはりついている
・目、鼻、口、関節、性器にやけどをした
・やけどの範囲が大きい(赤ちゃんの手のひらより大きい)
・ホットカーペットやカイロなどで低温やけどをした

〈すぐに救急車を呼ぼう〉
・のどをやけどした
・皮膚が白っぽい、または黒くこげている
・赤ちゃん(本人)の手のひら10個分以上の広範囲のやけどをした

「診察で傷の経過を確認したいですし、はがすときに痛いので、すぐに湿潤治療皮膜剤を貼ったり、薬を塗ったりする必要はありません。自宅でのケアは、冷やすくらいにとどめておくといいでしょう」(岡本先生)

────◆────◆────

岡本先生監修のもと、「0~1歳の赤ちゃんのホームケア」を全11回にわたりお届けしました。

最後に岡本先生から、ママパパにメッセージがあります。

「これまでにお話ししたホームケアの対応や受診の判断は、いずれも突然やってくるトラブルへの対応です。

困ったときに参照するのはもちろん、困る前から『こういうことが起こるかもしれない』と想定して知識として入れておくと、困ったときに落ち着いて対応できると思います。

この連載記事が、「万が一のときや緊急時のときの判断の目安」として、役立ててもらえたらうれしいです」
(岡本先生)

「もしも」のときが来ないに越したことはないですが、来たときには落ち着いて赤ちゃんのケアを第一に行動しましょう。

取材・文/畑菜穂子

この記事の画像をもっと見る(全5枚)

前へ

2/2

次へ

18 件
おかもと みつひろ

岡本 光宏

小児科専門医・アレルギー専門医

おかもと小児科・アレルギー科院長。日本小児科学会小児科専門医、認定小児科指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床研修指導医、日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法インストラクター、アメリカ心臓協会小児二次救命処置法インストラクター。 2009年奈良県立医科大学部卒業。同年神戸大学大学院医学研究科小児科学分野に入局。姫路赤十字病院、明石医療センターを経て、2019年より兵庫県立丹波医療センター 小児科医長。 2023年7月、兵庫県三田市で「おかもと小児科・アレルギー科」を開院。新生児から思春期の心の疾患まで幅広く診察している。3児の父として、子育てにも積極的に関わる。 著書に『研修医24人が選ぶ小児科ベストクエスチョン』(中外医学社)、『小児科ファーストタッチ』(じほう)など。 サイト「笑顔が好き」 https://pediatrics.bz/

おかもと小児科・アレルギー科院長。日本小児科学会小児科専門医、認定小児科指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床研修指導医、日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法インストラクター、アメリカ心臓協会小児二次救命処置法インストラクター。 2009年奈良県立医科大学部卒業。同年神戸大学大学院医学研究科小児科学分野に入局。姫路赤十字病院、明石医療センターを経て、2019年より兵庫県立丹波医療センター 小児科医長。 2023年7月、兵庫県三田市で「おかもと小児科・アレルギー科」を開院。新生児から思春期の心の疾患まで幅広く診察している。3児の父として、子育てにも積極的に関わる。 著書に『研修医24人が選ぶ小児科ベストクエスチョン』(中外医学社)、『小児科ファーストタッチ』(じほう)など。 サイト「笑顔が好き」 https://pediatrics.bz/

はた なおこ

畑 菜穂子

ライター

1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona

1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona